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王記  作者: 剛田たける
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まずは色々覚えましょう、来たばかりなので言語とか地理とかですね

「おはよう」

そう声が聞こえて飛び起きる。

小さな村に連れてこられた後、木でできた牢屋のようなところに連れてこられた。

床もきちんと木で出来ており、火の明かりがどことなく心地よくて眠ってしまっていたのだ。

そしてはっきりときこえた「おはよう」に衝撃をうけていた。

声の主は70歳くらいだろうか、ずいぶんと年のいったお爺さんで椅子に腰かけていた。

「もしかして、日本語がわかるんですか?ここはどこなんですか?あなたは誰ですか?」

とりあえず状況を確認するためにいろいろと聞いてみた。

「自分もずいぶん昔に日本から来てね、いつか帰れる日がくるかもしれないと常に日本語を忘れないよう紙に書いたりしていて正解だったよ」

「え!?!?」

たしかに「日本から来た」と言った、しかも流ちょうな日本語で。

あまりの驚きに声が震えて言葉にならない。

「ちなみにここはアイナ村、王国の北端に位置するとても小さな村さ。それと私の名前はモンという。あちらでの名前は相川あいかわ 基之もとゆき、久しくその名前を呼ばれたことなんてなかったけどね」

モン・・・ずいぶん短い名前でしっくりこない・・・。

「モ、モンさん、どうやったら帰れますか?今日は仕事のはずなのにすっぽかしちゃって。」

なにを自分は言っているのだろうか。

「日本は相変わらず忙しそうだね、ここから帰ることはできないよ。ここで飢えて死ぬか、泥まみれになって働いて生きていくか、好きなほうを選ぶといい。」

飢えて死ぬ、働かなければこのまま放置、そういうことか。

日本語が話せるとはいえ異国で一人きりということはそういうことか、それにここを出たとしても通貨がないうえに携帯電話も使えない。

深く考える暇もなかったし、行動しなければ飢えて死んでしまう。

「働かせてください。」

お爺さんは深く頷くと古びたメモ帳と一枚の紙、そして先のとがった木の枝のようなものと黒色の墨のような液体を渡された。

「言葉を覚えなさい、それまでは食事を出してやるし私がしばらく教えてやる。」

どうやらこの村での長老のような役割をしているみたいで村のなかでも一番広い家に居候することになった。

そうしているうちに月日がたち、1か月がたとうとしていた。

ずいぶんと話せるようになったし村の人たちともいろいろ話すことができた。

今まで住んでいた日本のこと、言葉は難しいか、などどれも一般的な会話だ。

村の中での仕事はまだ決まっていないので、モンさんの世話、雑用係をやらされている。

朝早く起きて朝食の準備、昼食を食べたら掃除をして洗濯をする。

洗濯機などどいう家電製品がとてもなつかしいし、炊飯器なんてものもないため全部手作業だ。

文明の利器を感じる、販売していた身ともなれば無いと生きていけないと思っていた自分がどこか情けなかった。

夜になる前に村中の薪に火をつけ、村を明るくする。

この毎日の空いた時間でモンさんの使っていたメモ帳とにらめっこしつつ、紙に文字を書いてひたすら勉強している。

メモの中には地名もあって、モンさんから地理を教わることができた。

ここは王国の北端にあるアイネ村、少し南にマイル川という大きな川がありそれを超えるとミネ村、さらにその南に王国がある。

「王国」と呼ばれているその国以外にもいろいろと国があるみたいだが、今の自分やアイネ村の人々には無縁のようだ。

いつもと変わらずお昼過ぎ、掃除が終わって勉強をしているとモンさんの家の前からなにやら声が聞こえてきて扉が開き、ドタドタと中に入ってくる女の子の声が聞こえる。

「ハシ!水汲みするの手伝って!」

この女の子はメメといって、村に住んでる女の子だ。

何か用事があるとすぐに自分を頼ってきては日本のことを細かく聞いてくる。

ちなみにハシというのは、こちらでの名前だ。

橋本という名前から来ていて、王国流ではハシという名前くらいがちょうどいい長さらしい。

メメは身長150cmくらいで、平均身長の自分からするとかわいらしさもあり、年齢も16で妹のような女の子だ。

「ハシは日本からきたって言ったけど、どうやってきたの?日本以外の国はどんなところがあるの?」

「日本からは・・・気付いたらここに居たってかんじかな?意識が遠くなって、周りが明るくなって・・・。ちなみに日本意外だと自分たちよりずっと背の高い人がおおい土地だったり、メメたちとおなじような暮らしの人もいたよ。」

そう返すとつまらなさそうにメメがつぶやく。

「そうなんだ、私たちと同じような暮らしをする人がいるっていうの、聞きたくなかったな」

現実に戻された夢見る少女というような感じだ。

村の南にあるマイル川まできて、水を汲む。

この川の川幅は200mほどだろうか、かなりの川幅のわりに水がきれいで王国から水を汲みに来る人もいるみたいだ。

バチャバチャと音を立ててバケツのような木で出来た桶に縄を通したものに水を汲む。

「メメ、水を汲み終わったし村に戻ろうか。」

そういって帰ろうとすると横でさっきまで水を汲んでいたはずのメメの姿はなかった。

おやおや?メメのようすが

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