日常の終わり
~終わった~
今日もいつも通り学校での1日が終わる。
「一緒に帰ろっツトム君」
「あぁ、アヤミか。そうしよっか」
アヤミは僕の婚約者だ。僕らはまだ高校生だが、みんな婚約している。最新のマッチングシステムで中学卒業と同時に国内にいる異性の中から自分にあった相手が選ばれる。的中率は100%で必ず結ばれるのだ。
途中まで一緒に帰って彼女と別れたあと買い物を済ませて家に帰る。
「ただいまー」
家に必ずいるはずなのに返事がない。なんでだ?ヘルシンも応答しない。キーンと頭痛がした。痛い…ここから先に行くなと言うようなその痛みは次第に大きくなっていった。ひとまず外へ出る。更に遠くへ行きたい…。無意識にそう思った。え…?遠くってどこへ?
その感情は僕なのに僕が発してるものじゃない。もう一人僕より大きな自分がはこかへ引っ張って行くような感覚だ。
でも、もう家なんだ中に入ればヘルシンがサプリを出してくれるそれを飲もう。
そう、思い玄関に入る頭痛が酷くなる…一歩踏み出すハンマーで殴られたみたいだ。もう一歩…頭が割れそうだ…。あと、3歩でたどり着けるのにこれ以上進ませないようにするかのように頭痛は強くなっていく。
一気に行ってしまおう…頭痛の警告を無視するかのように2歩踏み出す。もうダメだ立てない…この痛みはなんだ…?その答えがこの先にあるのか…?
僕はほふく前進でリビングまでたどり着き頭痛の意味を理解した。
それは、平和な世界を…幸福な世界を…信じてきたものが壊される瞬間だった。
「かあ…さん?」
白いタイルの床を赤い黒い液体が泳いでいる。頭痛がふっと消えた。
そっと頬に触れる…生あたたかい…手を掴むタイルと同じだ…。首が口をあけ赤黒い血を吐き出している。なのに顔は幸せそうに笑っている。
「う…あ……」
声にならない何を言えばいいのかわからない必死に血を止めようとする…止まらない。そして、絶望が僕の首筋を撫でた
「うわぁぁぁぁ!」
怒りか悲しみかわからない感情を空にぶちまけた。ありったけの叫びを。
プツッ。頭の中心で何かが弾けた。途端に周囲の警報が鳴る。
「NOT BRAINヲ発見シマシタ速ヤカニ排除シテクダサイ」
え…?どこにいる?もしかして、母さんを殺したのはそいつか?
「…殺してやる。そうだ、殺せばいいんだ。犯罪者を殺しても罪には問われない。」
殺意…この感情が今まで知らなかった感情なのに今まで知らなかった振りをしていてかのようにすっと心に溶け込んでいった




