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08 気が利く子亜美それに比べて気が利かない俺の妹

池袋の駅の東口から横断歩道を二か所渡り右手にあるドラックストアーのある通りを抜け直線に歩いていくと信号に差し掛かる、その通りを真っ直ぐ行くとカフェ通りに着く

その通りを歩いていくと一つ目の十字路に差し掛かるその周りには、ゲームセンターやファミリーレストランや靴屋などがある。

その十字路の左の歩道をまだ真っ直ぐに行くと左手にゲームセンターがある。そのゲームセンターの4階でメダルコーナーがあった。

そこには、パチンコやスロットが低価格のアミューズメントとして手軽に楽しめるコーナーがある。そこには、メダルゲームもあった。

その一つのメダル機の椅子に2人横に並んで座っているカップルらしき男女とその椅子に座っている男女の間に立っている女がいた。その女は表情を極度にこわばらせ、そのカップルらしき2人の男女と話し合っていた。


(ちっ・・・こんな事もあるんだな)

椅子に座っている男はそう心で呟いた、もう1人椅子に座っている女は、顔が沈みこんで今にも泣きそうな表情で顔の大半は、青色になっていた。

「何よ!?この女!?」

「・・・・・」

・・・・どっちを取るかだな、言い訳する言葉は、もう決めてある。後は、

亜美か麗華どっちにするかだな?

亜美は小さくてカワイイそして本当に気が利いて、俺が要求する事にスグ応えてくれる。例えば炊事・洗濯はもちろん俺が何を食べたいのか、俺が今何をしたいのか、つねに気にしてくれてそれを実行してくれている。

麗華は、とにかく気が強いがメリハリがついて優しい時は、とにかく優しい特に甘え上手で、そのメリハリが俺の心をくすぐる。

2人とも捨てがたい駒だが、又 別の駒を見つければいい。俺の心を満たしてくれる女は、見つければ星の数ほどいるからな。

「う~~~ん、友達だよ。」

俺の心は決まった。

「・・・・・・」

「本当にそうなの!?」

「ホントだよ・・なぁ?」

「・・・・・・」

亜美は青白い表情で俺の事を見ていた、そしてその体は、ちょっと震えていた。

麗華はスグ亜美に言い迫った。

「本当にそうなの?」

亜美は漂白した表情で何にも答えなかった・・・が、俺の顔を目配せして察したように静かに首をタテに振った。そして、

「それじゃあ私帰るね・・・」

と小さな声で言いその場を去って行った。


・・・・だろう。


亜美はそうとう気が利くんだよ。俺は麗華を取った、何故なら性に対して満足できるのは、麗華だったからな。俺は欲にまとわりついて生きているから、これが俺のやり方だ。

将棋でも、良い手があると、飛車や角さえも惜しまず捨てるだろう。

それが良い手なんだよ。次の一歩につながる。

何かを捨ててまでも得るモノがあるんだ、そうして、立ち止まって行動に移さないよりは早く切って、その場を安堵感にしなければ取られた駒も台無しになるだろう。そうして一段と心を繋ぐんだよ。

俺の場合は欲だけどな。


 俺は真希の家にいた、金を借りる為だ、正確に言うと貰う為だな。

俺は2人の女に金を貢がせている。そして、そのお金でマージャンをして稼いでいる。

マージャンも店員にマークされているからチョット負けてきている。別々の店でやっているんだけどやっぱり底は、あるみたいだ。

人間もバカじゃないから、あれこれ分からないように試行錯誤していくるだろう、知らず知らずの内にカモにされてる場合がある。俺もバカじゃないから、そうなったら極端にその店には行かないけど、

そうなると限られてくるんだよな~~出来る店が・・・。俺も考えを見直さないといけないな~~。

チョッコとアルバイトでもするか?・・・・でも力仕事はダルいし、お店の店員というのも性に合わない、かと言って女から金せびっても不信に思われるからな、そういうのはもう経験している。この間、麻里子に金を要求したら。

「誠ちゃん、ちゃんと仕事してるのに、何で?お金がないの?いつも会いたいのに仕事が忙しいって言ってるじゃん。それ位お金稼いでいるんでしょう?」

っていわれたからだ。だから彼女達も薄々勘づくんだよ。

だから俺が今まで築き上げたモノが全部パアにならないように調整しないと。

この間みたいに捨て駒に意味のある駒の切り方をしなきゃ全然意味がないからな。ここは、何か策を考えないと・・・。

 親に金を出させるのは簡単な事だ、でも俺には何かしゃくに立つ。オヤジは、大手の菓子会社の社長で、何とか俺に会社のあとを継がせる為に必死になってる。

お袋は、幼い頃から俺に甘く何でも欲しい物を買い与えるほど俺に甘かった。だから

お金の事をお袋に言えば今スグにでも、銀行口座に何十万か記載されるだろう。でも、そう親のスネをかじって生きてたら自然と親の言いなりになるような気がして俺は自分は、自分自身の考えで生きていくように仕向けているから、これからも俺のやりたいようにしたかった。

とりあえず弟に連絡してみた。

弟は俺より三つ下の21才だ。今大学に通っている。自分のやりたい事。

まっしぐらに夢を追い求めている。

「チョットお願いがあるんだけど・・・・お金貸してくれ。」

「金?何で?」

「いや・・・チョット金が必要なんだ。」

「お袋に頼めばいいだろう・・・・お袋ならきっとお金貸してくれるよ。」

それは分かっているけど、それが嫌なんだよ!!

どうにか俺が親の思うツボにならないようにしなければいけない・・・どうする!?

「そしたら、お前がお袋にお金借りて、俺にその金回さないか。」

「そんな事、まぎらわしい自分でそのままかりればいいじゃないか。」

それは、そうだよな。だけど俺の心情としては、それが本当に嫌なんだよ、俺の気持ちは弟には分からないな。何ふじゅうなく育った俺・・・。

オヤジは、俺を後継者にしようとして幼い頃からお前は社長になるんだ、お前がこの会社のあとを継ぐんだ・・・と耳にタコが出来るくらい聞かされて、そして何でも俺を特別扱いして、与えられる物を与えられるだけ手渡されていた。弟にはそれが不服だったろう。

俺が遊び飽きたオモチャを弟が手に取って遊んでいた光景を思い出した・・・だけど弟も普通の人よりもチョット上位に甘やかされていたから、今ではそんな事気にしてもいないだろう。

夢がもう決まっている人と自分で、その夢を追い求める事ができる人の差なんて、どうやって分かるだろう。そんな事、人一人違う意見があるハズだ。まず

自分のやりたい事をするのが一番だろう。でもそれじゃあ夢を叶えられなかったら奈落の底に落ちてしまう。

そして反対にもう一つ「お前の夢はこれだ!!」

と決めつけられて必ず叶う夢だったら自分で何も考えずにその一本道をひたすら歩けばいいだけだろう。

それにどんな差があるんだ?

俺は答えに迷い続けていた・・・今度は、妹に電話しよう

「もしもし俺だけど」

「だれ?」

「俺だよ、お前のお兄ちゃんの!!」

「だから誰?」

「ここまで言わせるか?」

「お兄ちゃんね、それで?」

「それでって納得したのか?」

「何となく声で分かった。今多いでしょう詐欺の電話。」

「携帯の着信見れば分かるだろう。あっ!!受信か。」

「携帯盗まれて電話される場合あるでしょう。」

「あるかもしれないけど・・・普通妹には掛けないだろう。まずオヤジかお袋だろう。」

「あっ!?お兄ちゃん、それはそうと電話番号の名前に父・母・とか

               弟・妹って入れてるでしょう!?。」

そんなヘマしないよ俺の事を知らな過ぎるな

「それって危ないんだからね、実名で入れなきゃ実名で。

       そうしたら家族なんてバレないでしょう。」

妹とは5才離れていてとにかくシャキシャキしていて何かと俺につっかかてくる。幼い時から能書きをたれては、ところかまわず俺や周りの人や他人さえも説教してきて、その姿に周りの家族や皆は唖然としてその光景をみては、チョット変わった考え方を持ってるこの子は、将来大物になるだろうと、勇ましい姿を見るように皆その妹を見ていた。でも

今では、その光景が段々と薄れてきて丸くなったと言うか、繊細に物事を見て分析能力が増したというか更に恐ろしい存在になってきてるような気がする。

「だからお前がお袋からお金借りて、俺にその金貸せよ。」

「何言ってるの?お兄ちゃんがそのままお母さんから、お金借りればいいでしょう。」


 やっぱり、そう来るよな。


 でも俺には秘策があった。

「お前。俺が親にお金を借りるって聞いたらどう思った?」

「どう思ったって・・・大の大人なのに親にお金借りるってチョットね・・・」

「そうだろう!!だからお前に頼んでるんだよ!!」

「でもお兄ちゃん、私にそんな事言って私に対して、こういう事言うのは情けなくないの?」

こういう事言うのよ、この子は。ホントに素直じゃないな。

俺もバカじゃないから、こうなる事は、想定していた。

「それに、私がお金借りる訳だから私の親からお金借りるっていう気持ちはどうなるわけ~~?」

もう言われたい放題だろう。こういう子なんだよこの子は、

「俺の気持ちが分かるか妹のお前にすがりつく気持ちが。お前は兄の俺に親のスネをかじってお金を借りてるって思われて欲しいのか?俺はお前のお兄ちゃんなんだぞ。」

「・・・・・・」

「俺の理想は、妹のお前に恥を見せてまで親にだけは俺の男らしい姿をみせたいんだけなんだよ!!」

「・・・・・」


 口数減ったなこれ、くるんじゃないか?


「分かった・・・・・そんなに必死なんだね。お兄ちゃんは。」


 ホラな。

後はどうにかこの経緯をもっと詳しく聞いてくるだろう。この妹ならそうしかねない。いや、絶対そうくる。俺は、あらかじめ決めていた文面でごまかして、この問題を切り抜けた。


幼い頃お前が赤ちゃんだった頃、俺がお前の尻拭いをしていた事もあるんだ。


             それを忘れるな!!

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