07 ノーマルと現実の差
玄関を抜けると薄黄色い廊下がある。そこを直ぐ行き右に曲がると階段があり、
その階段をぐるりと回り上がると壁が見えるそこを突き当り右に曲がる、そして何歩か進むと左に美保の父と母の部屋がある。
そして、その手前に美保の部屋があった。
初めて化粧した。市販の『あなたも、これで完璧メイク術』という光ディスク付きの雑誌を買い、見よう見真似でメイクした。
中学3年くらいの頃から私の周りの友人やクラスの子が少数だが、おめかし、し初めて。
高校になるとお化粧人口が更に増え化粧していない無垢な子をアウンという空気で脅かした。
思春期になると妙に自分の顔が気になる。そして、自分の顔をもっと良く見せようとする子同士で応戦しあっていた。
そしたらスグに休戦になった。
その場が、いったん平和になるのだ。だけど。又、他の人が遠くへ飛び越えたら、その場は合戦になる、皆が同じレベルになるまで戦い続けないと、この戦は、終わらないのだ。でも、
それを考えると私は、もうどうでも良くなった。
病も背負って、こんなくだらない事も背負うなんて、これ以上困難なものはなかった。何だかバカバカしいでしょう。相手に合わせる、相手と競い合うというのは・・・・。
だけど今は違う気がする誰かに自分を良く見せたい為に私は活動している。
久美からメールが来た。
「彼氏とはどうなった?」
私は、マスカラをまつ毛に絡めながら少し時間を置いて、久美にメールを返した。
「今日デートする事になった。
彼が忙しくて一週間に1回くらいしか会えないの。」
「それは、かわいそうだね。本当は毎日会いたいんじゃないの?」
「そんな事ないよ私には週に1回、会う方が合っている。」
「そんな事言っちゃって本当は、毎日会いたい癖に!!」
ははははは・・・・そういうしかない。
本当はもっと彼と一緒にいたいのかもしれない。だけどその恥じらいが、そうさせまいとメールに表れた。
小学校高学年から中学2年生の頃までは、気になる男子が次々たち代わり、いたけど・・・それ以降は自分の傷口が広がらないように、その事を抑えていた。
小学6年生の頃に好きになった男子は、隆くんと言って、スポーツが得意な少年だった。体育の時間になるとやたら活発になり目立っていた。
それがサッカーになると余計存在感を現した。
あの相手をつぎつぎと、かわし進んでいくドリブル。そして土を切り裂くシュート。
あの光景を見ると、誰でも憧れてしまうだろう、中学1年生の頃に好きになった男子は、矢神くんと言って、目がギラッとするように鋭くカッコよかった。
そして、やっぱりスポーツが得意なそういう男の子だった。典型的だけど、小・中の恋何てこんなものだ。キレイに整ったモノを好む少女マンガに出てくるような目鼻立ちがキリっとしていて顔が異常にまで正確に絵描かれている様に。何も癖がなくキレイ過ぎるほど、単純にそこに行き着いてしまうのだ。それがノーマルというモノだ。だけど・・・
それが段々と大人になってくると、崩れてしまう。ブロックが型にはまるように、想像より相性をみてしまうのだ。それが、現実だ。