表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/15

最終話 《わたしはいなくなるけどあえてよかったさよなら》

こっそりと人目を気にしている男女がいた。

男は、病院の男子トイレに人がいないのを確認して、それから女を男子トイレに呼んで洋風便器がある。個室に2人入っていた。そして、男は何のためらいもなく、女の服を脱がし始めた。

女は苦しそうな表情をしながらも、何の動揺もせずに男にその身を任せていた。

後ろから男の手が女の胸と重なったと同時に女のズボンを下ろした。

「もう俺我慢できない。いいだろう?」

「・・・・うん。」

女は軽くうなずいた。そして、ゴムの様な物を男は、自分に付いている一部分に覆いかぶせた。

そしてそのまま、その女と一体となって、地震の地割れのような所をスコップで同じ動作を繰り返す様に次々とえぐり返した。

男は力仕事の様に荒々しい息が漏れていた。その時、トイレの入り口のドアの音がなった。

どうやら、他の人がトイレに入ってい来た様だ。

男と女は、息を潜めていた、そして、その人が事を済ませて、トイレから立ち退くと、男はまた息を荒々として自分の作業に移った。

女はフラフラとする体に耐えながら、男の様を協力していた。・・・・・やっと終わった、私は熱を帯びた体を震わせながら彼と、病室に戻った。

私はベットの上に座り込むようにしてベットの背にもたれ掛かった。そして彼はその横にあるイスに座わった。

「何で私の所にきてくれたの?」

「会いたかったからさ。」

「会いたかった?それだけ・・・やりたかったから・・・・」

「それも、あるけどお前といたら何か楽なような気がする。何でも言える・・・と言うか・・・」

「・・・私って面倒くさくない?」

私は強引にその理屈を引っ張り出し言った。

「面倒くさいか?ハッキリ言ってそれはある。でもお前にはそそられる何かがある。」

「そそられる・・・私に?」

「そう何て言うのかな。俺の心にズバッと来るんだよ。」

「・・・そして、私とやりたいの?」

「・・・そうだな最後は、そうなるな。」

結局は私とやりたいだけ、そう分かっていたけど私の永遠に消えない病気が移るリスクさえも背負って、そういう事する彼から私は、離れられないのだ。

彼が帰った後、私は急に極度に震え始めて心臓が張り裂けるようにドンドンと内側から叩かれているように感じられた。そして、何か大きな波がこっちに向かって来るような気がした。

その波はあまりにも強い衝撃だったので、私はその波を受けたと同時に気を失った。

・・・・・手が温かかった、そしてその温かさは、心の中にも届いていた。

軽く目を開いた。ぼんやりして光と影の色彩だけ見えた。体が極端に重い。

重い鉄筋で体が縛られているかの様に感じられた。

誰かの声が聞こえてくる、それは黒く重なって伸び縮みしている物体、それらが手を握って声をかけてくる。


・・・・・あっ!?これ、お母さんとお父さんだ。・・・・必死になって私に声を掛けてきた。

目が薄々とモザイクの様な膜が剥がれ落ちた。

父と母が私の両手を握ってくれていた。重々しい体と極度に震える手とその高熱のマグマのように煮えたぎった、頭を感じ私は、自分は後、数分、数秒で死ぬというのを悟った。・・・彼に伝えなきゃ!!

私は、両手を両親に離してと言って自分のベットの横にある台の上に置かれている。携帯をつかみ意識がもうろうとしている中、ガムシャラにゆっくりと携帯のボタンを押した。

《私はいなくなるけどあえてよかったさよなら》

そして私の意識は、費えた。


 あの女の最後のメールを見た以降、何回メールを返しても返事は、返って来なかった。

病院にも出向いたが、アイツはいない。やっぱりもうアイツは消えちまったのか。それとも一方的に、俺とはもう会いたくなくなったのか。

俺には分からない。・・・けどもう多分アイツとは一生会えないような気がした。

これがキッカケで俺は変われるだろうか?・・・いや、

変われないと思う。俺のやりたい事は、俺が決める。いつか神から天罰がくだるだろう、

それでも俺は、変わらない・・・・これが俺の日常だ。あっ!?エレナからメールだ。それじゃあ俺は、もう行くぜ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ