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14 私の中の私を守らない白血球

頭がガンガンする、熱が頭の中に充満しているようだ。

またこんな日が来てしまった。体の中の白血球は激しくウィルスと敵対するが、私の体では白血球とウィルスが協力して、私の体を攻めているように感じられた。

完全に私の管理不足だ。チョットした菌の侵入さえも見逃したらしい。今日は、約束があるんだよ。行かなきゃ。

母にバレれないように家を出て私は、重たい体を足で引きずって街へと駆け出した。

彼に指定された場所に重々しい姿で私は、表れた。まだ彼は来ていなかった。一時一時が重力のように私にのしかかってくる。それでも熱を帯びた頭を私は、持ち上げて彼を待っていた。

「よう、待ったか?」

「・・・別に・・・」

「何か顔色悪くないか?」

「・・・ちょっと・・・」

歩くたんびに頭がズキズキして心臓からの鼓動は、高まるばかりだった。

それでも、彼と離れないように私は歩数を彼に合わせた。

まずファミリーレストランによった。

私は食事が出てきたがチョコッとだけ食べて、そのまま全部残した。

「ホントに大丈夫なのか?」

彼は、幾度となく私の体を心配しているようだった。そして私は、自分の病を隠すように彼の横についていた。でも

もう耐えきれなかった。もう限界だった。

私は、彼の横で体から崩れ落ちた。

「オイ!?大丈夫かよ!?」

彼は私の肩に手を掛けて私を心配しているのか。分からないけど私に気を遣ってくれた。

そして、そのまま私は、気を失った。

・・・・・私は、ぼんやりと重たいまぶたを開いた。・・・・ここは・・・どこ・・・だ・・ろう・・?

目はぼやけていて、周りがよく見えない、手の感触で下には、ふかふかのマットが敷かれている事が分かった。・・・・あ・・・あ・・・私倒れたんだ・・・その時の実感がない。

「気がついたか?今、先生呼んで来るからな。」

彼だ!?私に付き添ってくれたんだ。なんだかチョット嬉しい気持ちになった。

病院の先生が来て私は、自分の事情を話して先生はその話を納得していた。

「俺、それじゃあ。もう行くから。」

彼はそう言うとサッサと帰っていた。やっぱり私の事を面倒くさがっていたに違いない。

 父と母が大急ぎで病院に駆けつけてくれた。久しぶりに父の心配した表情を見た。私が中一の時、風邪にかかった時以来だろう。あの時も確か病院に入院するほど厳しい病状だった。父は、

付きっ切りで、私の事を看病してくれた。母もそうである。

「美保大丈夫か!?」

「美保大丈夫なの!?」

・・・・別に・・・。

裏では、父は母を責めているだろう。私が何でこういう事になったのか。


 いつになったら治るんだろう。もう二週間は、経っていた。

私は自分の病状が増々悪くなって来ているように感じた、でも前にもそういう事は何度かあったので、あんまり気にもしなく自分の体は、もうチョットしたら治ると思っていた。

でも、そこには誤算があった。私の病魔はこくこくと進行していたのだ。


 久美が私の所へ見舞いに来ていた。

「具合悪そうだね。大丈夫?」

「頭がガンガンするよ。」

私は熱を帯びているその頭をふらつかせながら言った。

「道に迷ったよ、普段の病院と違うんだもんね。」

久美は、そう言うと乱雑にお菓子やら果物などをバックから取り出してベットの横にある荷物置き場に置いて、お土産~~!!と言って世間話しをし始めた。

「最近何かパソコンに向かうとダルイんだよね~何か、また仕事に追われるからさ~~。」

「仕事忙しいの?」

「う~~ん、仕事の内容は、変わらないんだけどね。常に書類作成に追われてるからさ~~。」

「仕事出来るからいいんじゃない?」

「・・・美保、何かゴメンね。仕事の話し何かして・・・」

「別にいいよ。」

久美は、私が仕事出来ない事知ってるから少し気を遣って話していた。

「それで、彼氏は、見舞いに来たの?」

久美は、言いにくそうに言葉を発した。

「今の所は来てないけど・・・別にいいんじゃない来なくても・・・」

「メールとかは、するの?」

「たまに・・・・」


 久美が帰った後、私は彼にメールを打っていた。

《今、何しているの?》

そして次々と返事が返ってきた。私は、目まいがしたけど一心不乱にメールをやりこなした。そして、

今スグにでも会いたい・・・とメールを打ちたかったけど、それを打ち出せずにいた。

そしたら彼の方から会いたいとメールが返ってきた、私は嬉しかったけど、どういう訳か模索さぞうえなかった。

私ってこんなにも面倒くさい女なのに、それに多分「俺はこういう男だ。」って言ってたから、もうすでに他の女の子とも付き合っていると思うし・・・どうしてだろう?私って、そんなに魅力的なのかな?

私は浮かれた気分にしばらくの間浸っていたけど、病院のトイレの中の鏡を見て、その無表情で薄気味悪い顔を見てそういう事を想像するのをやめた。

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