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僕と彼女の視界

作者: yoichi

鏡に向かうと、改めて自分のカッコヨサに感心する。


今日も完璧なまでにキマッている。


いつまでも眺めていたいが今ばかりはそうもいかない。


少しだけ緊張して彼女が待つテーブルへ戻る。



彼女に会うのは何度目だろうか。


優しさと女性らしさ、そして知的さを兼ね備えたその姿は、いくら同じ時間を共にしても飽きることはない。


お互いを見つめ合い時間は過ぎていった。


店を出て、車へ乗り込む。



運転の為に前方を見なければならないのがどうしようもなく歯がゆい。


彼女はどんな表情をしているのだろうか。


僕を見てくれているのだろうか・・・。



ようやくドライブも終わり静かな部屋の中へ。


心おきなく見つめ合っていると、次第にお互いの感情が昂っていく。


徐々に近づく彼女との距離。


50cm・・・・・。


30cm・・・。


10cm・。



いよいよ、という場面でいきなり彼女が視界から消えた。


次の瞬間には目の前に壁があった。


かろうじて視界に入ったワイングラスには、男女が口づけをしている様子が映りこんでいる。



またか・・・。


僕の主人はキスをする時に僕を外す。


彼女の主人もキスする時に彼女を外す。


今夜もこんな形でおあずけをくらうのかとあきらめた時、何かの拍子で僕の置かれたテーブルが動いて視界が変った。


ベッドの棚につつましく置かれた彼女を見つけることができた。


彼女もまた僕を見つめている。



僕のフレームが音をたてた。


彼女のレンズが潤んでいるように見えた。


今日も触れ合うことはできなかったけど、しばらくの間見つめ合うことができそうだ。

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― 新着の感想 ―
[一言] 読んでいてなんか変だなと思っていたが、眼鏡の視点でしたか。 面白い発想だと思いました。
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