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星屑クラブ  作者: 氷月 蓮
其の一
18/37

第十七話  作戦。学園祭へ!

 俺と天乃が部室に着いたころには、すでに東雲以外全員そろっていた。

 叶先輩に頼まれ、俺は来ている全員分のお茶をそれぞれの自分用のマグカップにそそいでいく。

 かわいらしい花柄やら、ブルーの無地やら、アニメのキャラクターの描かれたものやらと、柄はさまざまだ。

「多分、これは東雲のだな」

 アニメのキャラクターの描かれたマグカップだけ、棚に戻す。

「で、これが俺のか……」

 部室に入った時に織田さんに渡された、白地に俺の似顔絵らしきものが書かれているマグカップ。本人によると、イラストを自分で書くことのできるものが売っているらしい。

 お茶を注ぎ終わり、お盆に乗せて部室の方に戻る。

「どうぞ」

 一人ひとりに渡していく。

 お盆から自分のものをみんな取っていくので、どれが誰のものか迷わなくて助かった。

「では、始めるぞ」

 ガラガラと、キャスター付きのホワイトボードが、どこからかユーさんによって運ばれてくる。

書記をするらしいな。書道家というほどの字の腕前なのだから、当然なのかもしれないが。身長が低いので、必死に背伸びをして一番上に『学祭の出し物決めようじゃない会!』

と、筆で書いている時には想像もできないような乙女らしい丸文字で書いていく。

「と、いうことだが。今日、綾芽は仕事が入ってこれないらしい。なので、このメンバーで行う。なにか思い付いたものはいるか」

「はーい」

ユーさんがその場で元気良く飛び跳ねる。

そんなことをせずとも、ちゃんと見えている。

「みんなの一芸を入れたいな」

「その案は、すでに出ていた。みんなに連絡した通り、我が部は消されようとしている。まさに危機だ。この状況をなんとか覆すためにも、インパクトのある物をたのむ。評価が上がれば、存続する可能性が上がるかもしれないからな」

叶先輩は、本気だ。

「インパクトを求めるなら、マコとかが正体ばらしちゃったらいいんじゃない?」

 早瀬、なかなかいいのをひらめくな。

「面白いな。茅蜩と綾芽もそうしたらどうだ」

「叶先輩。綾芽の正体がばれたら、大変なことになるからパス。で、僕も顔と名前を晒したくないから……でも、フードかぶって、ヒグラシとしてなら出てもいいよ。綾芽も、綾野しのとしてだったらいいとおもう」

「だったら、早瀬は曲を作ったらいいんじゃねぇか? 店に流せるし」

 曲を作るのなら、東雲に歌ってもらった方がいいんじゃないか?

「あやちゃんが、しので登場しちゃったら、お店がパニックになっちゃうんじゃないの」

「天乃の言う通りだな。そのあたりは考えなければ……」

 歌うのならば、ステージのほうがいいんじゃ。

「でも、しのちゃんが一番インパクトが強いよね~」

 ユーさんも真剣に考えている。

 俺の中で、徐々に考えがまとまっていく。

「ほとんどの人が脇役になってしまうと思うんですけどいいですか?」

「よし、椎名。言ってみろ」

「店なんかじゃなくて、ライブしませんか? 講堂借りて」

 『講堂でライブ!』と、ユーさんはホワイトボードに書く。

「面白いんじゃねぇかそういうの」

 織田さんが乗った。

「インパクトということで、教員など以外にはライブがあること自体を伏せます。で、当日のライブが始まる前に、東雲が校内放送を使って宣伝。って感じでどうですか?」

「なかなか面白そうだな。私は賛成だ」

 早瀬が曲を作り、東雲が歌う。織田さんが後ろのスクリーンに流すための動画とパンフレットのイラスト。ユーさんは、歌詞やパンフレットの文字を担当する。

「それはわかったんだけど、真は何をするの?」

 と、天乃からの質問。

「俺は、ライブの構成とかってことで」

「なるほど。で、私と天乃は何をすればいいんだ? 椎名が監督だ。君がすべて決めるといい」

 叶先輩にゆだねられる。

「叶先輩は動画の製作を任せていいですか」

「わかった。パソコンのそのような扱いやプログラミングには慣れている。そういう仕事もしているからな」

 おお。頼もしい。

「わたしは?」

「天乃は、叶先輩の手伝いと――」

「僕の手伝いしてよ」

 早瀬が、俺の言葉を遮った。

「早瀬の手伝い?」

「うん。宇宙とか惑星をテーマのにしようって今決めた。そのあたりよく分かんないから、教えてよ。ソラの専門でしょ」

 それは思いつかなかった。

 面白そうだな。

「それでいいよね。マコ」

「ああ。面白いと思うぞ。それは考えてなかった」

「わかった。わたしがんばる」

 何とか決まったな。


タイトル考えるの難しい……なんかもうわかんないな。

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