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風に舞う蝶
夏の太陽の下、広い草むらの上を黒い蝶が飛んでいた。
あれはアゲハチョウと呼ばれている蝶です。
ひらひらと舞うように飛んでいて、簡単には捕まえられそうにありません。
その舞は蝶が自分の意思で踊っているのだろうか?
風を読んで踊っているのか、風に合わせて踊っているのか……あるいは踊らされているのか。
わたしは、しばらくそれを見ていた。
風を感じないけれど蝶は舞うように羽ばたいている。
蝶は自分の意思で踊っているように見えた。
しかし、風が吹いても蝶は飛んでいる。
蝶が羽ばたけば微かな風が起きる。
どこかで聞いたことがある。蝶のその風がきっかけで竜巻になる可能性があるとか?
バタフライ効果といっただろうか? 意味は知らないけど。
ひらひらと飛んでいる蝶を捕まえるのは難しいだろう。
でも……無慈悲に叩き落すことは出来ただろう。
私はそんなことしないけど。
捕まえもしないし叩き落したりもしない。
望むなら、伸ばす手に止まって欲しい。
私は手を伸ばす。蝶はそれに止まる。
そんなのも悪くない……。