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第三十五話

暑い、暑い、暑い!

季節が夏だからといって、この暑さは異常だー

勢いよく起き上がろうとしたが、体が重くて起き上がれなかった

自分の体を見ると遥が俺の上に乗っかって寝ていた

俺は自然と顔がドアの方に向いた

そこには開いているドアがあり、床には鉄片が散乱していた


恭介「遥にまた鍵を壊されたか…」


呆れつつ、隣の布団で寝ているはずの洋平を確認した


恭介「……」


洋平を見た俺が思うこと

遥、やりすぎ

洋平本人はまだ寝ているが、両手両足はロープで縛られ、口にはガムテープが貼ってあった


恭介「…洋平は後で助けるとして、まずは遥だな」


まずは自分の体を調べた

両手は…遥を抱くような形で固定されている

両足は…見事に縛られている


恭介「打つ手無しだな…」


口を塞がれてないあたり、洋平よりはまし?だな…暑いけど…


恭介「洋平!起きろ洋平!」


洋平「……!ふごふご(何だこれ)!?」


目の前で洋平が何か言いながらもがいていた


恭介「ダメだこりゃ、なら隠し玉だ!」


俺は無理矢理起き上がり、ベットの横にある、リナが寝ている箱を蹴った


洋平「ふごふごふごふご(恭介、何やってんだ)?」


洋平がまた何か言っているが、さっぱりわからん


リナ「痛いです〜いきなり何するんですか〜」


若干怒っている様子でリナが箱から出て来た


恭介「叩き起こしてすまないが、これとこれを外してくれないか?」


リナ「いいですよ、それ」


リナが二回手を動かすと、手と足のロープが焼けたように切れた


恭介「ありがとな、ついでに洋平のも外してくれないか?」


リナ「え!洋平様!どうしたのですか、その格好!」


洋平の口に貼られてあったガムテープを慌ててリナは剥がしていた


洋平「起きたらこうなってた」


そしてリナは洋平のロープを切った


恭介「さてと、遥起きろ!」


俺は遥を起こして数十分間説教をした


遥「…もうしないから許して〜お兄ちゃ〜ん」


現在遥は板張りの上で正座をしている、てかさせた

横で洋平が「許してやれよ」と言い出した


恭介「はぁ、遥、次またしたら…もっと酷くするからな」


遥「わ、わかった」


恭介「ちなみに遥、次はこれだからな」


俺は石畳と重石を遥の前に置いた


遥「え?えぇぇ!」


洋平「恭介…何でお前はそんな物を持っているんだ?」


遥は絶叫、洋平は呆れていた


恭介「昔ちょっとしたことがあって作った」


洋平「手作りかよ!?」


恭介「他にもいくつかあるが見るか?」


洋平「遠慮しとく、遥ちゃんの顔が真っ青になりそうだし」


恭介「そうか…なら朝食でも食うか」


俺たちはリビングに向かった、遥は足が痺れているから歩き方が物凄く変だった


恭介「なんだ、茜、起きていたのか」


茜「恭兄の説教する声が聞こえたから反射的に起きたの」


深雪「私は茜ちゃんが起きるちょっと前に起きてましたけど、茜ちゃんが凄い勢いで起き上がるからビックリしました」


茜「恭兄の説教は本当に怖いんだもん」


恭介「俺、そんなに怖かったか?」


洋平「少なくとも俺よりは説教の仕方が怖い」


洋平にも妹いたんだっけ…


恭介「ま、いいや、それより今日は遥の部屋の家具を買いに行く予定なんだが、洋平と姫路さんはどうする?」


洋平「邪魔じゃなければついていきたいが…」


深雪「わ、私もお邪魔ではないなら…」


恭介「よし、なら行こう、いいよな、茜、遥?」


茜「いいよ」


遥「わかった」




昼過ぎ俺たちは近くの家具店に来ていた


洋平「で、本当の目的は何だ?」


恭介「何のだ?」


俺と洋平は壁に寄り添って並んでいた

女性陣は家具選びに夢中だった


洋平「いや、本当なら俺と深雪はいてもいなくても同じなのに、何で誘ったんだ?」


恭介「…そうだな〜、知り合ったばらりの奴らだけを家に置いて外には行けないからだ」


洋平「それもそうだな」


恭介「そして困ったことに明日は学校で家にいない、さてお前ならどうする?」


洋平「ん?縛り付けて何も出来ないようにする」


恭介「それもありだが、俺は監視できる所に置いておく」


洋平「つまり?」


恭介「後でお前らをある場所まで連れて行く」


洋平「そうですか」


俺たちは買い物が終わると茜と遥を先に家に帰らせて学校に向かった


恭介「洋平と姫路さんには今からある人にあってもらう」


洋平「わかった」


深雪「はい」


そして校長室前、俺の予想が正しければあの人は仕事が終わらずまだここでしているはず

俺はノックして


恭介「山本です、用があって来ました」


???「どうぞ〜」


恭介「そうだ、洋平、俺の真後ろにいろよ」


洋平「ん?あぁわかった」


洋平が俺の真後ろに来たのを確認して


恭介「失礼します」


ドアを開けて中に入った


伊織「恭介〜」


横に跳んで回避


洋平「ぐぶ!」


すると当然真後ろにいた洋平に直撃した


伊織「…って誰だよコイツ!」


ゴス!と脆い音が鳴った

伊織さんの殺人タックルからのストレートパンチ、これは逝ったかもな


恭介「洋平〜無事か〜」


一応顔面を叩く

反応がない


伊織「あ、恭介、コイツら誰だ?」


恭介「伊織さんが殴った男が片桐洋平で、そこで怯えているのが姫路深雪さん」


姫路さんは目の前の惨劇のせいですっかり怯えていた洋平は…リナが「洋平様!しっかりするのです!」とか言って何かやっている


伊織「で、何の用だい?」


恭介「まぁ単刀直入に言うと学校の時間帯の時はここであいつらを預かってくれない?」


伊織「恭介…いくらなんでもここはそうゆう場所じゃないんだよ」


恭介「言い方を間違えた、ここであいつらを監視しててくれない?」


伊織「…理由を聞こうか」


恭介「たんなる用心です」


伊織「わかったよ、ここでめんどうをみてやる」


恭介「ありがとう伊織さん」


伊織「ちゃんと報酬は前払いね」


恭介「今ですか!?」


俺は洋平と姫路さんを見た姫路さんはいまだに怯えていた、洋平は…お!起き上がった


洋平「イテテ〜、ん?恭介…俺に何が起きたんだ?」


恭介「殴られて気絶した、ただそれだけだ」


洋平「誰に?」


恭介「そこの椅子に座っている人」


洋平「そこの椅子…ってどこをどう見ても子どもじゃん!」


洋平が言葉を発してた瞬間に伊織さんの姿が消えた


伊織「言葉には気をつけな」


伊織さんは逆手でナイフを持ち、洋平の背中に張り付き、首にナイフを突き付けていた


恭介「洋平、その人はこの学校の校長だから」


洋平「こ、この世界の校長先生って、みんなこんなに強いのか?」


恭介「その人が強すぎなだけ」


伊織「他の学校は生徒に任せすぎなのよ」


伊織さんは洋平を解放して愚痴るように言った


洋平「任せるって何を…?」


恭介「洋平、お前も戦っただろ」


洋平「あの黒い奴らか…」


恭介「この世界では夜叉と呼ばれている、あれはいたるところに出現する、しかし、普通の人間だと傷さえつけれない」


洋平「え?ならどうしてるんだ?」


恭介「俺たちみたいに普通じゃない人間がそいつらを倒している」


俺は右手で刀を取り出しながら言った


伊織「この学校がある地域は普通じゃない、つまり何かしらの能力を持った人間が極端に少ない、だから私を中心に先生たちで対応していたのよ」


恭介「今は俺がやっているけどな」


洋平「なるほどな」


伊織「他の学校だと能力を持った生徒が結構いるんだけどね、この学校は今のところ三人しかいないのよね」


洋平「人手不足ということか?」


恭介「そうゆう訳でもない、能力者がいない分出てくる夜叉の数も少ないんだ」


洋平「なら、何でその話をしたんだ?」


恭介「お前らが別の世界から来たって言ったんだろ、だからついでにこの世界のことを教えたんだ」


伊織「私は恭介に合わせただけだけどね」


洋平「そうすると、この人も能力を持っているのか?」


恭介「伊織さんは俺と同じだけと…」


伊織「恭介は刀が主体だけど、私はナイフ関連が主体なのよ」


伊織さんは投擲用のナイフを五、六本、扇のように片手で持っていた


恭介「洋平と姫路さんは魔法が使えるんだよな?」


洋平「あぁそうだけど…」


深雪「洋平君は私達の世界では強い方の人間なんです」


洋平「この世界に来て、かなり自信が無くなったけどな」


恭介「そうなのか?」


洋平「あぁ、威力が高い魔法を使おうとすると、発動する前にこっちが殺られる、さらに近距離で使う技だと体が反動に耐えきれなかった」


恭介「一ついいか?お前らの世界の人間って、みんな魔法が使えるのか?」


深雪「そうですよ」


恭介「だとすると試合とか戦う時は遠距離で魔法を撃ち合ってるってことか?」


深雪「そうです、みんな戦う時はお互いに一定の距離を置きます」


恭介「だとすると夜叉との戦いには向かないな、基本的には一対複数だし、近距離戦闘が主力になる、遠距離、しかも単体だと殺られるのが目に見えている」


洋平「厳しいことを言うな恭介は」


恭介「ただの警告だ、この世界にいる間は戦うな」


洋平「え?何でだ」


恭介「昨日の夜、あのままだと死んでたぞ、二人とも」


洋平「…」


伊織「話は終わった?」


恭介「はい、では伊織さん、明日頼みます」


伊織「わかってる、気を付けて帰りな」


恭介「わかってます」


俺たちは校長室をでて家に向かった

その間、洋平は何か考え事をしていた


洋平「なぁ恭介」


恭介「ん?どうした?」


洋平「一つ頼んでいいか?」


恭介「何を?」


洋平「俺に刀の使い方を教えてくれ!」


恭介「は?」


帰り道、洋平は予想ができない発言をしてきた





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