第二十六話
研究所を爆破してから翌日の朝、俺は非情に困っていた
遥「遥も連れてって」
恭介「遥は高校生じゃないから連れて行けないんだよ」
遥がなぜうちにいるのかというと、研究所を爆破した後、遥のことでうちの両親に相談したところ養子として引き取ることになった
なので遥は如月遥から山本遥に名前が変わった
恭介「仕方ない、茜、先に行って先生に事情を話してくれないか?」
茜「…わかった、先に行ってるね」
俺は茜が出るのを見送っると遥の方を見て
恭介「遥、あまり駄々をこねると……怒るぞ」
遥「!!…ごめんなさいお兄ちゃん、我が儘言ってごめんなさい!!」
恭介「わかったならいいだ…さて今から行ってもな…」
今から学校に行ったとしてもHR中に着くだろうか…
恭介「とにかく行くか、遥、ちゃんと留守番できたら何か買ってやるからな」
遥「うん、ちゃんとお留守番してるね」
俺は玄関を出ると急いで学校に行った
恭介「遅れてすいません」
先生「山本兄か、妹さんから事情は聞いてるからさっさと席に着きな」
俺は席に着いてクラスの奴らが騒いでいることに気付いた
健太「先生、恭介が遅れた理由は何ですか?」
先生「山本の家に親戚の子が来ていて、そいつがこっちの環境に慣れてなくて、一人でいるのが嫌で山本兄を離さなかったらしい」
健太「恭介、その親戚の子は男か女か?」
恭介「先生、HRを続けてください」
健太「恭介、俺の話しを…」
先生「磯谷、黙って席に着け」
健太「すいません…けど先生、気になりませんか?」
先生「興味はあるが、今はHR中だ、えーと、磯谷のせいで何話してたか忘れたぞ」
真依「先生、修学旅行のことについて話してたと思います」
先生「そうだったな、ありがとう神北、話しを戻すぞ」
この学校では二年生と三年生の時に修学旅行があり
二年生は夏に、三年生は秋にある
そして今回の修学旅行の話しをまとめると、山奥の旅館に三泊四日、泊まるらしい
先生「それじゃあ、詳しい内容はLHRの時に話す、何か質問はあるか?」
恭介「先生、修学旅行に部外者を連れて来てはいけませんか?」
先生「親戚の子が心配か?」
恭介「えぇ、さすがに四日間一人で、なにも食べなかったら死にますから」
先生「校長先生に掛け合ってみる」
恭介「それなら、俺が掛け合ってみます」
先生「そうか、ならすぐに行け」
先生は廊下を指差して行くように指示してきた
俺はそれに従い校長室にむかった
俺は校長室の前まで来て
恭介「…ふぅ、俺あの人苦手なんだよな…」
俺は覚悟を決めてドアをノックした
???「誰〜?」
恭介「山本です、要件があって来ました」
???「恭介!?入って入って」
恭介「…失礼します」
俺は中に入り、ドアがしっかり閉まってるのを確認して
???「恭介〜!!」
横に跳んだ
するとさっきまでいた場所に小柄な少女がドアにおもいっきりぶつかっていた
???「アウ〜避けるなんて酷いよ〜」
恭介「いきなり飛び掛かって来る叔母さんが悪いんです」
目の前にいる小柄な人がこの学校の校長であり、俺の父親の妹で叔母の山本伊織さん、一見小学生に見えるが、本人曰く二十八歳らしい
若くして学校の校長になっているからそれなりに能力は高いのだが、性格に難があるのと見た目が小学生なので未だに独身
伊織「叔母さん言うなー!私はまだ二十八歳なんだよ」
恭介「はぁ、わかりました、それよりお話しがあります」
伊織「何?愛の告白?」
恭介「違います」
伊織「なら何?」
恭介「お父さんから話しは聞いてますよね」
伊織「兄貴から?あぁ養子を迎い入れたことか」
恭介「修学旅行にそいつを連れて行きたいんですけど…」
伊織「う〜ん」
恭介「そいつの分のお金なら俺が出すから」
伊織「じゃあ、恭介の部屋割りはこっちで勝手に決めるから、あとそれから貸し一つね」
恭介「ありがとう、叔母さん」
伊織「だから、叔母さん言うなー」
そして俺は教室に戻った
授業はとっくに始まってたが理由を言うとあっさり許してもらえた
その日は得に何事も無く、後ろの席の美紅が、暇だ暇だと騒いでいたぐらいだ
そしてLHRの時間がやってきた
先生「それじゃあ、修学旅行の部屋割りを山本兄以外、男女別れて決めろ、ちゃんと三人から五人になるようにしろよ」
健太「先生、恭介は?」
先生「すでに山本兄の部屋割りは決まっているんだよ」
健太「誰が決めたのですか?」
先生「校長先生だ、ちなみに山本兄は特別参加の親戚の子とご同行なされる校長先生と同じ部屋だ」
恭介「…先生、冗談でもキツイです」
先生「冗談ではなく本当だ、よかったな山本兄」
恭介「全然よくありません、うちの親戚はともかく何でお…校長先生と同じ部屋ですか」
先生「校長先生と取引したんだろ」
恭介「そうゆうことかー!!」
俺はダッシュで校長室にむかった
そしてノックもせず、ドアを開けて中に入った
恭介「何で伊織さんまで修学旅行に来るんですか?」
伊織「いいじゃない、細かいことは」
恭介「全然細かくありません、得に部屋割り」
伊織「部屋割りはこっちで決めるって言ったはずだけど〜」
恭介「…変な気起こさないでくださいよ」
伊織「私どれだけ信用ないの、大丈夫なにもしないから」
恭介「はぁ、失礼しました」
俺は重い足取りで教室に戻った
新しく投稿する小説ですが、月曜日に出そうと思っています
内容は以前書いたと思いますが魔法ものです
あとバトル多めにしようと思っています
今まで読んで下さってる皆さん誠にありがとうございます
それではノシ