第十三話
これは夢だろうか?
俺はかすかに聞こえる泣き声の方に歩いていた
そして気がつけば目の前に幼い男の子が膝を抱えて泣いていた
俺は声を掛けようとしたが声が出なかった
そして男の子が立ち上がり俺の横を通り過ぎた
手を伸ばし男の子を止めようとしたが…
恭介「っ!?はぁはぁ」
俺は自分のベッドから飛び起きた
茜「!?恭介!?どうしたの!?」
ベッドの横に茜がいた
ドアを見るとかけたはずの鍵が解除(破壊)されていた俺はため息をついてあることに気づいた
自分の体が全身びしょ濡れだった
恭介「あれを見たせいか…」
俺は見ていた夢を思い出しながら呟いた…
そして何故か男の子が泣いていた理由を俺は知っていた
何故ならあの夢は自分の過去の記憶だからだ
しかしあの後俺が何処に行ったのかは思い出せなかった
結局思い出せず考えていた
健太「どうした?また考えごとか」
放課後健太に声を掛けられた
恭介「あぁだけどお前じゃあ絶対にわからないことだから教えてない」
健太「そう言わず教えろよ何か協力出来るかもしるないしだろ」
恭介「お前、俺が小学生だった時のこと知らねだろ」
健太「あぁ知らないな、何か関係あんのか?」
恭介「あぁ」
健太「茜ちゃんは?茜ちゃんなら知っているんじゃ…」
恭介「茜が俺の所に来たのは中学に入る少し前だ」
健太「それならアルバムとかは?」
恭介「…探してみる」
俺は席を立って一人で家にむかった
???「やっと見つけた」
恭介「誰だあんた?」
帰り道の途中、人気のない場所で知らない男に声を掛けられた
無視して逃げようと思ったが何故か相手から夜叉に似た気配を感じた
???「お前も感じるだろ俺から出てる夜叉の気配を」
恭介「な!?」
???「俺も感じるんだよお前から出てる夜叉の気配を!」
恭介「え!?」
正直あいつが言っていることがわからなかった
何故なら自分から夜叉の気配を感じると言われて信じられる訳がない
恭介「なに…言ってんだよ…俺から夜叉の気配を感じるだって?」
???「お前も夜叉の気配を感じることが出来るだろ、何故だと思う?それは自分の中に夜叉がいるからだ!」
恭介「は?嘘だろ…確かに夜叉の気配はわかるが俺の中に夜叉がいる、そんなバカなこと…」
???「あるんだよ、実際お前の目の前にいる」
恭介「お前がか…」
???「あぁそしてお前もだ」
恭介「俺は違う!」
???「お前忘れてるだろ、自分の過去の一部」
恭介「!?どうしてそれが…」
???「なら思い出せ!じゃないと俺がここに来た意味がない」
恭介「どうゆうことだ?」
???「今のお前に教えても意味がない」
そう言って男は去って行った
俺はただ立っているだけだった