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8話:本気出してもいいですか?




10万年の眠りから目が覚めた後の世界は驚きの連続であった。



まず、この世界の今の歴史だ。この世界の今の歴史は俺のいた世界から見たら歪で、技術や司法などによる時代の転換までの長さがとてつもなく長い。特に中世から抜け出すまでが長く、この時代の科学者は何をやっていたんだと叫びたくなる程であった。



その歴史の長さと薄さ故に、高校の歴史の授業は日本で言う戦国時代付近からしかやらない。それもサラリと雑学程度の時間しか授業として取らないのだ。



次に、地名や会社などの名前や地理的な国の形、そして料理や道具、高校に保険制度などの生活に関わる物があまりにも元いた世界に似ている、または同じであることだ。



10万年が経った今の世界にはアメリゴ連邦と呼ばれている国があり、YouMovieと名付けられた動画アプリがある。前いた世界で言う日本のようなものもちゃんとあり、大和国と呼ばれている。



大和国はご丁寧に日本と同じ島国だ。首都は帝都と呼ばれている場所にあり、丁度東京と同じ位置。京都は旧都となっており、そちらも同じ位置にある。その他に北海道、四国、九州、さらには沖縄まであるのだ。



さらに大和国には四季があり、侍文化もある。神社や日本の城も当然あり、着物もある。ジャパンカルチャーをそのまま持ってきたような国だ。



また、帝都には山手線と呼ばれている電車の路線が存在し、渋谷や浅草も同じ名前で存在する。もはや気持ち悪いほど同じなのだ。



さらに歴史まで似ており、この世界の歴史には江戸幕府が存在する。



もしかすると定期的に地球生まれの人間が異世界転移してきたのではと思ったがそうではない。



どうやら元いた世界に似た地名や出来事については、ジングさんから聞いた限りによると『聖女』と呼ばれているエルフが関係しているらしい。



聖女は俺が来るより前からいるエルフで、今もまだ存命なまさに生きた化石。200年程度しか生きることができないエルフがどうやって10万年近く生きているのかは不明で、何処にいるかもわからない。本名ですら不明だ。



分かっているのは、聖女が圧倒的な魔力と権力を持つと言うこと、そして何か重要なモノが出回った時には神託が来たと言って無理やりそのモノの名前を変えさせると言うことだけ。十万年続く世界的な宗教のニンホア教の法皇であるジングさんでさえ会ったことがないらしい。そもそも聖女自体が存在する人物であるかもわからないとのこと。



その全てが謎に包まれた聖女がこの世の全てを支配している、と噂されているそうだ。



俺のとりあえずの目標は3つ。



まずは邪神の復活の阻止。せっかく邪神に洗脳された魔王を倒したのに、結局邪神が復活して世界が滅びましたでは話にならないからだ。



次に聖女似合うこと。魔王討伐後の長すぎる世界の歴史などについて、そして物事の名称についての謎を根掘り葉掘り聞きたいと思う。



そして最後のひとつは。



「今日こそ話を付けに来た。私をお前の弟子にしてくれ。」



俺の弟子になりたいとか言い出したこの女、マーガレット・K・ゴールディアに弟子入りを諦めてもらうことだ。



彼女との出会いは食堂で北西先輩に弄られ友人に尋問された日の放課後。ゲームセンターにある体験型ゲームのソードヒッターズで遊んでいた時だ。



ソードヒッターズとは、四方八方から撃たれるボールの弾幕を避けながらボールを打ち返し、3分間のうちにボールに当たらずに何回打返せるかを挑むゲームだ。



まるで剣術の訓練みたいなソードヒッターズだが、ゲームセンター内での人気はない。何故なら単純に初心者からしたら難易度が高いからだ。ゲームセンターにあるバッティングセンターが野球関連の人間か元気な男性しかやりたがらないのと同様に、ソードヒッターズは剣術が好きな者しかやりたがらない。



人気のない割に敷地を食うソードヒッターズだが、俺はこのゲームが好きだ。1回やるだけで汗をかくことができ、単純にストレス発散になる。



しかも戦闘経験から良い点数が取れるため、自己顕示欲が満たされる。



その日はストレス発散としてソードヒッターズをやり、最高得点の999点を取ってスッキリしていた。



当然、999点なんかはとても常人が取れる数字ではない。だから1度俺のその姿を見たら目を付けられてしまう訳で。



たまたま剣術の練習として訪れていたゴールディアに見つかってしまった。



「何度も言うけど俺はただソードヒッターズが上手いだけなんだって。」



「もしそうならば私を差し置いてお前が生徒会にスカウトされる訳がないだろう。」



「それは、事務能力!そう事務能力を買われたんだよ。いやぁ優秀だと頼られちゃって困っちゃうよなー。」



「事務能力だけで生徒会役員になれるほど生徒会は甘く無い。生徒会は実力主義だ。校内のものはユグドラシルとの抱き合わせだとか媚びを売って入ったとか思っているだろうが。私はそう思えん。」



「もしかしてゴールディアも生徒会に入りたかったのか?」



「いや全く。稽古の妨げになるから入る気は無い。生徒会の者にもそう伝えてある。」



マーガレット・K・ゴールディア。帝都高の有名人だとベスト8にはいるであろう生徒で、特にゴールディア家については今の世界事情に疎い俺でも知っている。



ゴールディア家とは今も残るイギリスのような国であるアングロ・ドミニオンの王室だ。黄金の犬歯を家紋とした一家で、獣人の中では珍しい狼の獣人の一族となっている。



そのゴールディア家の娘として生まれたのがマーガレット・K・ゴールディア。ややつり上がった目をした金髪と犬耳が特徴的な美人寄りの女だ。



「お前がそう固くなに否定するのならこちらにも考えがあるぞ?ほら、これを見てみろ。」



「……なっ!いつの間にこんなの撮ってたのか。」



「盗撮した映像を見せるのは奥の手だったのだが、仕方あるまい。さて、もしこれを校内に拡散させたとして、一体何人がソードヒッターズだけ上手い一般人だと思うだろうな?魔術研究部の部長を抑えただけならまだ普通の生徒と言ってもギリギリ成り立つが、これを見たら間違いなくお前の扱いが変わる。お前、それだけの実力を隠したい事情があるのだろう?良いのか?私がこれをばら蒔いても。」



俺はどうやら脅されることが頻繁にある運命にあるらしい。魔王に脅され、上級者に脅され、次はSクラスの同級生に脅される。自分の前世はきっとヤクザのカモとかだったのかもしれない。



「1ミリも良くないからやめて頂きたい所ではあるのだが……。その前に大体どうやって指導すればいいんだ?ゴールディアの剣術って英国流剣術だろ?なら俺の自己流とは真反対だ。」



アングロ・ドミニオンもイギリスと同じように英国と呼ばれることがある。この世界の名前に関することは一々俺のいた世界に似ていて不気味だ。



「真反対ではない。むしろお前の剣と英国流剣術は近いと思う。お前の剣術は古式の英国流剣術に似ているからな。それと私はお前に指導までは求めていない。ただ傍に置き、たまにダンジョンに連れてってくれたらそれでいい。」



まるで私は飼い主様の近くにいれるだけで幸せですよみたいな忠犬セリフを吐く。



「あのな?そもそも俺に何のメリットがあるんだ?それに庶民でB組の俺がS組のお前を引き連れてたら悪目立ちするだろう。」



「勇者なんて呼ばれているファンタジー兄妹の片割れをしているのだから悪目立ちは今更ではないか?」



反論できない。ごもっともな正論だ。



「それにメリットなら私が与えてやる。何が欲しい?なんでもやるぞ?金か?権力か?我が家に言えば金銀財宝もくれてやれるぞ。」



……何故、どうして勇者時代にゴールディア家がいてくれなかったんだ!もしいてくれたら靴でも何でも舐めて資金援助して貰えたに。羽振りの良い王族は当時いなかった。貴族や富豪でさえ勇者への援助に渋る。10万年前にもしゴールディア家がいてくれたなら、きっと俺の鎧はゴールディア家の家紋をデカデカと掘られていただろう。



思わずイエスの三文字返事をしようとしたが、思い止まる。羽振りの良い貴族は怖いのだ。それも王族となればなおのこと怖い。



魔王討伐の旅の道中、数々の依頼をこなす事があった。依頼の内容は主にモンスターの退治。ドラゴンからキングオーガ、どデカいゴブリンの巣まで何でも引き受けたのだが。



羽振りの良い依頼の報酬金を出す所は大抵依頼の達成後に支払いを渋られる。何なら勇者なのだから善意のボランティアは当たり前だと逆ギレされる始末。



故に、羽振りの良い王族は怖い。



「いやそれはそれで羽振りが良すぎて怖いよ。もっとその、飯奢るとかでいいから。」



「引き受けてくれるのか?」



「いいや引き受けない。1回だけダンジョンに付き合ってやるだけだ。」



「試行期間と言うやつだな。それでいつダンジョンに行くか?今日、いや今からでも良いぞ。」



今日は用事がなく予定もない。明日は土曜日な為、遅く帰宅しても問題無し。



ダンジョンに昼だとか夜だとかの概念はないが、夜の方が空いていることが多い。本来ダンジョンに入るためには前日までの予約が必要なのだが、どうせゴールディアが何とかしてくれるだろう。



「気が早いって。悪いけど俺、ダンジョン用の殺傷力ある魔道具持ってないぞ。」



「そこは私がなんとかするから心配ない。全て私が何とかするからお前はただダンジョンに付き合ってくれるだけで良いぞ。」



「ゴールディアはダメ男を作る才能がありそうだな。じゃあ都合のいい日を教えてくれないか?」



「私としては何時でも大丈夫だ。なんなら今でも良い。おっ、丁度近くのダンジョンが空いているみたいだな。予約して行くか?」



そんな部活終わりにラーメン行かねぇかくらいの勢いでダンジョンに行って良いものなのか不明ではあるが、きっとこの気軽さは彼女の自信の表れなのだろう。



「まぁー、暇だし行くか。」











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