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22話:人を殺したことはありますか?






爆発音は職員会館からだ。狙いは防御装置。防御装置は爆発や魔力を感じると職員会館の全ての窓にシャッターが降り、建物全体に強化魔法が掛かる仕組み。邪神の核の破片を狙う者との籠城戦を想定して理事長が付けたのだろうが、それを利用されたのだろう。職員会館は教員を閉じ込める檻となってしまったのだ。



「ジェヘラ、聞こえるか!生徒全員を守ってくれ。」



念話魔術でジェヘラに会話を試みる。



「随分と無茶を言う。だが可能であるぞ。召喚獣を全生徒の影に付ける。それで良いか?」



「あぁ、頼む。」



次にスマホ110番を掛ける。しかし繋がらず。きっと校内を守る結界が作用し電波を遮断しているのだろう。この学校の防衛装置全てが悪い方に働いている。



アリサ先輩に電話をかけると、すぐに繋がった。どうやら校内なら連絡が取れるらしい。



「アリサ先輩、聞こえますか?」



「聞こえるよ優希くん。それで、アタシはどうすればいいかな?」



「それを決めるのは教員か生徒会長代理のアリサ先輩です。まぁそうは言っても状況が状況ですので今回は俺がサポートします。まず状況説明から。」



辰から貰った犯人の位置情報と自分の考察を脳内で照らし合わせる。



「今から1分半前に爆破を確認。場所は音の方角と辰の第六感から職員会館と断定。つまり教員は職員会館に閉じ込められています。犯人は資料館に移動中。どうしますか?」



「一部生徒の護衛につかせて生徒会と風紀委員で向かおうか。生徒はこのまま待機で、近くにいる教員にも声を掛けて参戦して貰えないか打診って所かな?資料館には危険物が沢山ある。それを取られちゃ黙って待機しているよりずっと危険度が上がると私は思うの。だからこちらから攻める。優希くんは何か案ある?」



「アリサ先輩と同じプランで考えていました。ここには風紀委員の一部とジェヘラを残すのはどうですか?」



「それで行こっか。戦えそうな1年集めて玄関まで来てくれる?私も集めていくから。」



「了解。」



電話を切り、次にマギーへ電話を掛ける。



「聞こえるか?優希だ。」



「あぁ師匠。さっき爆発音が聞こえたが、どうなっている?」



「現在侵入者からの攻撃を受けている。細部は不明だ。Sクラスの中で戦える奴を知らないか?魔術の授業が得意って意味ではなくて、実践で使えそう奴だ。」



「いないな。全員対人経験どころかダンジョンすら潜った事がなさそうだ。もしかしたら隠れた実力者がいるのかもしれないが。どうする?周りに聞いてみるか?」



「それはやめておこう。プライドだけ高い奴が来てもただの足手まといだ。玄関に来てくれないか?ついでに教員を見つけたら声を掛けておいてくれ。」



「了解した。」



電話を切り、一呼吸する。



表向きの敵の目的はきっと資料館にあるアーティファクトだろう。実際の目的はわからないが、今は表向きの目的に付き合うしか無い。それに、もしかしたら単にアーティファクトが欲しかっただけかもしれない。アーティファクトは太古の遺物。一個一千万円はくだらない物なのだから学校を襲う理由には十分だろう。



「エル、辰。来てくれ。協力してほしい。」



「もちろんである!」



「おうよ!」



俺等三人で教室を出て玄関に向かう。途中念話魔術でジェヘラに集合場所を伝え、敵がいないか散策した。校舎内には潜伏している敵はいなかったので、ほとんどの戦力を資料館に割いたのだろう。それか別の策があるかだ。



「おまたせしました。」



「私達も今ついたところ。とりあえず。現状を教えてくれる?」



「はい。現在犯人は複数名で資料館に潜入中。目的は恐らくアーティファクト。辰曰く二人ほど実力者がいるとのことです。彼が辰です。」



「一年D組、東田辰です。強者の一人は不明ですが、もう一人は帝都高の生徒。名前はわからねぇです。」



「うん、了解。何故それがわかるのかは聞かないでおくとして。割当を説明します。まず資料館に行くのは私と優希くん、マギーちゃんとルイビルくん。待機して生徒を護衛して貰うのはユグちゃんと東田くん、風紀委員の皆さん。何か質問や意見はありますか?」



風紀委員もいるから敬語で聞いているが、目線は俺に向いている。つまり、俺に了承を得てる。



「いや、アリサさんは待機でお願いします。ジェヘラには一人で動いて貰いたいことがあります。」



「えっと、なんで私が待機か聞いていいかな?」



まるで捨て犬みたいな目をする。きっと彼女は不安なのだろう。魔術研究会の一件から彼女は俺に依存しているところがある。あの日以来、不安になったり、決断したりしなくてはならない時は必ず俺にアドバイスを求めてくるようになった。普段一緒に御飯を食べている時や、遊びに出かけている時はなにもない。だが生徒会の仕事や今みたいな緊張感走る時は俺に縋るように頼るようになってしまった。



「もし俺に何かあった時の保険です。お願いできますか?」



本当は俺が決めて良いことではないが、状況が状況なだけに仕方ない。



「わかった。生徒は任せて。」



作り笑いを浮かべて強がる。申し訳ないが今のアリサ先輩を戦場には連れて行けない。





・・・・・・・・・





俺はマギーとエルを連れて資料館の見える位置まで来た。正直、二人を連れて行くより俺一人で言ったほうが効率は良い。だが、相手がどんな人間なのかわからないため人手はあったほういい。それに一人で行くと言ったらジェヘラ以外誰も許可してくれなそうだ。今後のために戦闘経験を積ませたいのもある。



「マギーは前衛、エルは後方援護で俺は柔軟に対応する。それでいいか?」



「あぁ、それでいい。」



「任せるでござる。」



「わかった。……これから聞く質問に対して正直に答えてほしいのだが、エルとマギーは人を殺したことがあるか?」



息を呑んでしまう話だ。人を人が殺す。同族を殺害するというのは本来人間に備わってない機能。なのにも関わらずしてしまうと、その場合人は狂ってしまう。自分が殺してしまった事による罪悪感で潰れてしまったり、逆に快楽を覚えてしまったりする。



だから、なるべく罪悪感の沸かない生き物で人殺しの練習をするのだ。最初は犬のモンスター。次はワーウルフで、その次はゴブリン、オーク、盗賊、罪人、捕虜、そして戦場の敵兵士。そうやって慣らして人を殺せるように育てるのだ。



だが、そんな時間はない。だから事前に聞いて覚悟させておく。



「俺はある。男も女もあるし、子供もある。俺は人を殺した経験がある。だから絶対に引かない。ふたりはどうだ?人を殺したことがあるか?」



「私は……、私もある。母国の死刑囚を数回な。戦場ではない。死刑囚とやりあったことはあるが、軍人とかテロリストとはない。」



「某はない。時代劇で人を殺すシーンを見たぐらいである。」



「わかった。答えてくれてありがとう。ここまで来て聞く話じゃないんだが、これから俺等は人を殺しに行く。なるべく殺さずにいくが、不殺は不可能だろう。それでも来るか?」



少しばかりの沈黙が走る。それもそのはず。人を殺しに行きますなんて言葉に普通は笑顔で二文字返事は出来ない。ましては高校生だ。ようやく社会の一般常識を理解し始めてきたぐらいの年の子供が人殺しなんて、荷が重いのだ。



「正直気が引ける。怖いとも。だが、今から行く道は師匠も進んできた道なのだろう?なら、私も行くさ。例えその先が地獄であろうともな。」



そう強がっているマギーの目は覚悟が決まっていた。彼女からの尊敬は少しこそばゆい感じがするが、悪くない気分だ。決して、彼女の瞳を曇らせてはいけない。そう強く思った。



「今更引き返すにいかんであろう。それに友人の優希殿が戦うのだから、某が行かぬ道理はない。足手まといにならぬよう、努力する。」



後ろ向きな発言ではあるが、俺を思って上での発言だ。嘘をついていることへの申し訳なさを感じる。自分が勇者であり、十万年前の人間であることを友人に隠すことに罪悪感を覚える。いつか打ち明けたいと思った。そのいつかが来るのかはわからないが。



「俺に付き合ってくれてありがとう。よし!じゃあ行くか。テロリストに痛い目見せてやろうぜ!」



二人を鼓舞し、資料館に向かうのであった。









































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