16話:女の子になった聖剣エクスカリバーが襲ってくるのですが、彼女はヒロインに含めますか?
ケルベロスの素材で得たお金30億。この途方もない額のお金は自分を鍛錬するための環境作りに使った。
10万年前とは違い、今いる大和国には魔術を試し打ち出来る場所がない。核ミサイル級の魔術を使う訳では無いのでそんなに広い場所が必要ではないのだが、野外で使用すると街の魔力探知機に引っかかる為、現代では魔力の漏れない練習場所が必要なのだ。
魔術関係の習い事の施設などの強い魔術を使用する理由がある所では国が魔術使用許可証を出してくれるが、一個人の為に発行はしてくれない。貴族であれば権力でどうにか出来るが、俺は戸籍上一般人。教皇であるジングさんを頼るのも手だが、魔術許可証から俺の正体について勘ぐられても面倒だ。
よって、国には無許可で練習場所を作ることにした。場所は倉庫の地下。倉庫はニンホア教の所有倉庫で、地下室を新たに作る理由は単なる拡張。魔力遮断剤は闇で仕入れて全体に敷いてもらった。
練習場所の大きさは大体高校の体育館くらい。対人戦や普通サイズのモンスターを想定した模擬戦をやるには十分な広さだろう。
「我が聖剣に宿いし再生と慈愛の天使よ、現世に降り導きたまえ、召喚、大天使アリエル。」
巨大な召喚陣が現れ、中央に刺さっている聖剣エクスカリバーが人らしき光のシルエットに変わり、虹のベールのような何かがそこらを漂う。そして光が収まり、天使と女神のハーフみたいな女性が現れた。
金色と薄い赤毛の混ざったピンクゴールドの髪色を腰まで伸ばしてあり、軽いウェーブがかかっている。顔立ちは幼さを残しつつも女性らしい整った顔をしており、天使らしい翼がなければ女神に見えただろう。包容力のありそうな体つきをしているので、より女神に見える。
「久しぶりですね。どうやら10万年も眠っている間に随分と若作りしたようで。」
「お久しぶりですモモ先生。若作りではなく若返ったんですよ。若返ったおかげで現在高校生活満喫中です。」
何故大天使アリエルをモモ先生と呼ぶのかというと、本人がそう呼んで欲しいと要求したからだ。
初めて彼女を召喚した時に、アリエルという名を本人は気に入っていないから違う名前を考えて呼んでくれと言われ、日本神話の邪霊を払う実と彼女の髪の色から着想を得てモモと呼ぶことにしたのだ。
「前に何回か呼んだのですけど、召喚出来なくてですね。何でかわかったりします?」
「召喚のパスが錆びていたので通信が届きにくかったのでしょう。詰まっている水道管みたいなものです。」
「よくわかりませんが、とりあえず納得はしました。ちなみになのですが、俺が寝ていた間に起こったことってなにか知ってたりします?」
「何も知りませんよ。私が俗世と関われるのは貴方に召喚された時だけですから。覗くことすら出来ませんでした。それに、もし知っていたとしても言えない決まりとなっています。」
どうやらモモ先生の住む天界と地上界はほとんど繋がってないらしい。
モモ先生は天使だ。天界と呼ばれる精霊の進化系である天使が暮らす別次元の場所に住んでおり、そこで管理職をしている。とにかく偉いのだとか。
そのお偉いさんであるモモ先生が何故俺の聖剣エクスカリバーがモモ先生に変わったのかは、聖剣がモモ先生を召喚する上での触媒だから。聖剣エクスカリバーはモモ先生が人間だった頃に使用していた物らしく。聖剣とモモが縁により繋がった為に召喚出来るそうだ。
「このような無機質な部屋で召喚されたということは、昔みたいに特訓をして欲しいのですね?良いでしょう。私がビシバシ鍛えて差し上げます。」
空中にパンチをしてビシバシ鍛えるアピールをするが可愛いだけだ。天然なんて言葉がよく似合う。
彼女の声色や行動から優しく教えてくれる家庭教師みたいな鍛え方だと思ってしまうが、実際は逆。
彼女は鬼である。
「では、始めましょうか。剣を作って構えてください。」
土属性で剣を作る。錬金術のような力も土属性ならお手の物だ。まぁ時間が経てば鉄から魔力に戻ってしまうのだが。
もちろん、魔術の使用をサポートする腕輪型の魔道具は使用しない。補助輪は邪魔でしかないからだ。
「お手柔らかにお願いします。」
「私が一度でもお手柔らかにしたことがありますか?」
「ありませんねぇ。」
「では、いきます。」
モモ先生の姿が消え、後ろ現れる。モモの瞬間移動魔術はモーションがない。つまりまばたきをした次の瞬間には目の前にいないのだ。
「いきなりそれ使うのはずるいんじゃないですかモモ先生。」
「初撃必殺は戦闘の基本だと教えましたよ?」
「様子見しろとも教わりましたがねぇ!」
モモ先生の剣戟を必死に剣を当てて逃がす。避けるなんて隙がないため剣で受けるしかない。はっきり言ってジリ貧だ。彼女の一撃が重いため受けるだけでスタミナを削られる。
「随分と弱りましたね。全盛期の三割りほどでしょうか。そんなでは邪神が復活しても戦えませんよ。」
「モモ先生も邪神の気配とかわかったりします?」
「わかりますよ。これでも私天使ですから。……随分と余裕そうですね。喋る余裕があるのでしたらもう少し火力を上げましょうか?」
「勘弁してください。」
モモ先生の重い剣戟を剣を当てて避け、受け止める。何十回と彼女の攻撃を受け止めてはいるが、慣れるなんてことは決してない。常にギリギリ、間一髪剣から逃れている。
「私を召喚出来る時間はあと何分ほどですか?」
「40分あれば良いほうかなと。」
「そうですか。では、これで最後とします。」
モモ先生の剣が青い光りをまとい、空気と魔力が摩擦のような作用をさせて剣を鳴かせる。彼女が使用しようとしている魔術は得意魔術のひとつである、多次元仮想斬撃だ。
多次元仮想斬撃とはあったかもしれない未来で起こるであろう剣の軌道を再現する魔術。つまり、1度剣を振るだけで複数本の剣が別方向から振った事になる。1度振ると3つ切り傷が右左真ん中にできるイメージだ。
モモ先生の姿が消え、右に現れる。剣を使い迫るであろう右と真ん中からの斬撃を抑え、左から右へと魔術を使い身体を飛ばす。
目線をモモ先生に向けると、剣を横に大きく振っているのが見えた。飛ぶ斬撃だ。飛ぶ斬撃とは魔力を刃に乗せて剣を振ることにより斬撃を飛ばすことの出来る、魔術ではなく魔力による剣術。魔力に属性を加えることにより、その属性を持つ斬撃を飛ばすことが出来る。
モモ先生が放った斬撃が俺に迫ってくる。剣の振りは横であったが、迫っている斬撃は縦だ。数本の縦の斬撃が迫ろうとしている。
魔術を使い斬撃を消す手は通用しない。何故なら彼女の多次元仮想斬撃の濃度が濃いから。俺の今使える魔術のどれを使おうにもモモ先生の多次元仮想斬撃を込めた斬撃の魔力には敵わない。もし仮に複数の縦の斬撃から逃れられたとしても次は横の斬撃が迫って来て体が真っ二つになるだろう。
なのでここは相殺が最適解。剣の刃に魔力を込めて、力いっぱい振って放つ。そして斬撃同士がぶつかり金切り声をあげた。そして横の斬撃に俺の斬撃を飛ばして当てようと魔力を込める。
「常に敵を把握しとくよう教えたはずですが?」
いつの間にか後ろに現れたモモ先生に驚き、慌てて後ろに剣を振る。するとモモ先生が消えた。どこかに消えたモモ先生を目で探すために後ろへ振り返ると。
「目で探そうとするのは悪い癖ですよ。」
後ろから、声が聞こえた。つまり同じ場所に瞬間移動したのだ。モモ先生の剣が迫る。後ろからは飛ぶ斬撃が近付いてくる。
そして、俺の身体は2つに切断されるのであった。
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