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15話:女の子に奢ってもらうのは恥ですか?







北西先輩とのランチは焼肉を選んだ。女の子とのデートで焼肉を選ぶのは煙の匂いが服に付くため愚策なのだが、店舗チョイスは北西先輩なのでそこは問題なし。レザーを使った衣服を着ていないので匂い移りは心配ないだろう。



店舗に入り、店員に案内されて席に付く。店内は少し豪華だが豪華すぎない作り。緊張感なく食べれそうである。



とはいえ



「いや肉高けぇー。」



「声に出てるよ優希くん。」



お肉ごときに出して良い値段じゃない。ランチセットだけを見るなら大学生の奮発したデートでのランチくらいだが、肉単体として見ると高い。プチプラのジャケット一着は買えそうだ。



「さっきも言ったけど、ここは私が払うから心配しないでね。メニューの横に書いてある数字は気にしないで食べて。」



よく人に奢ってもらう焼肉が一番うまいと言うが、それは嘘だ。何故なら奢ってもらう申し訳無さで味を楽しめないから。気軽に食べられる自費の飯が一番うまい。



奢る奢られるは一旦置いといて、今は焼肉を楽しむことにする。メニュー表を見ると松、竹、梅と書かれたランチセットメニューと単品メニューがあった。当たり前だがセットだと松が一番高くて梅が一番安い。



「何にするか決めた?」



「梅のランチセットで、お冷貰います。」



[松のセットに牛タン、コーラね。タッチパネルで注文しとくよ。]



「話、聞いてました?」



「もちろん聞いてはいたよ。でも、松のセットと牛タン食べたそうだったから。あと君、コーラ好きでしょ?」



「俺、北西先輩が怖いよ。」



キャバに行こうが浮気しようが間違いなくバレるだろう。



「優希くんって考えてることすぐわかるってよく言われない?例えば、元カノとか。」



「言われますね。そんなに顔に出ます?」



「結構出るね。……やっぱ元カノいたんだ。聞かせてよ、元カノの話。」



目線で好みを読まれ、表情で考えていることを読まれ、誘導尋問に引っかかる。北西先輩の手のひらで転がされているみたいで少し悔しい。



「元カノの話と言ってもそんな大した話はありませんよ?父の部下と付き合って、その人が転勤したから別れたってだけです。」



本当の話をするわけにはいかないので誤魔化す。本当は長期滞在した街の冒険者ギルドの受付嬢と仲良くなって恋仲になっただけだ。幸いなことにその受付嬢とは体の関係にならずに未練や一悶着なく終わった。もし自分が勇者ではなくただの冒険者だったらとは思ったことはあったが、そもそも勇者じゃなかったら好きになってもらえてなかったかもしれないので、勇者とか関係なく彼女とは縁がなかったのかもしれない。



ちなみに、童貞卒業の相手はサキュバスだ。旅の途中に普通に襲われて、あっけなく卒業をした。



「他には付き合った人はいないの?」



「いませんでしたね。なんせずっと教会暮らしでしたから。しかも女性禁制の。」



「そもそも女の子とあまり交流がなかったんだね。でもそれにしては女の子慣れしてない?」



「乙女心の通信講座受けてたんで。」



「それは凄い。是非その成果を知りたいものだね。おっ、来たみたい。」



如何にも高いですよみたいな焼肉定食が来た。3種類のお肉とナムル。漬物と白米とわかめスープが付いており、瓶のコーラが添えられている。お肉には網目状のサシが入っていて、食べ放題では絶対出て来なそうだ。



「いただきます。まず、脂身の少ないタンから食べようか。次に上ロースで、最後にホルモン。癖の少ないお肉から食べるのが良いんだよ。」



食べる順番なんか考えたことのない自分は、へーとしか言えない。



「焼く場所は端っこ。コツは焼きすぎないこと。食べていいかわからなかったらアタシに聞いてね。」



「なんでそんな焼肉に詳しいんです?」



「料理作るのが大好きだからだよ。見る?最近アタシが作ったの。」



スマホを弄り、指でスライドさせながら最近作った料理を俺に見せる。パエリアやグラタン、タルトからチキンの丸焼きまで沢山の料理の写真があり、盛り付けはまるでプロが作った逸品のようだ。



「すっごいですね。」



「でしょでしょ?今度食べさせてあげるね。」



「楽しみにしてます。」



自分で自分のお肉を焼くのではなく、北西先輩に完全に任せてしまっている。北西先輩が焼いて、その肉を俺が食べるその姿はまるで親鳥と雛鳥だ。



「お肉めちゃくちゃ美味いですね。流石お高いことで有名なお店なだけあります。」



「お肉こだわってるんだろうね。こだわっていると言えば、君って普段何の魔道具使ってるの?」



「魔道具は剣型ですね。一応ですが他のも使えますよ。使えるってだけで一線級ではありませんが。」



「へぇー、それは凄いね。ちなみにじゃあスナイパーなんかも出来るんだ。どのくらい遠くまで当てられるの?」



「弓ならって条件ですが、500メートル先まではいけますね。」



「弓使えるなんて珍しいね。君ってどんな英才教育受けてきたのさ。」



本当は2キロ先まで当てられるが、そこまで言うと実力が学生の範疇を超えるため低めに言っておく。



2キロ先まで当てられるなら弓兵としてやっていけそうではあるが、俺にとって第一線とは対魔王軍であり、魔王討伐の旅の仲間であった獣人の弓使いであるガロウラは15キロ先の人間に当てられたので、2キロ如きでは話にならない。



ちなみに、15キロの当て方は魔術によるスコープと弓を引く腕力、そして山さえ穴を開けるほどの貫通力だ。壁を破壊しながら進む戦車の弾丸をイメージして貰いたい。



「うちの親の方針は器用貧乏なんですよ。」



「器用貧乏で片付けて良い範疇じゃないと思うけどなぁ。優希くんって逆に何が苦手なの?」



「苦手なのは魔術ですね。学生レベルの魔術なら出来ますが、辺り1面を凍らすとか炎の龍を作るみたいなのは出来ません。」



「じゃあゴールディアさんの赤薔薇シリーズみたいのは出来ないわけだ。」



「赤薔薇シリーズ?あー、マギーの魔術ってローズなんちゃらって付きますもんね。」



「そうそう。火の魔術から赤、ローズは薔薇だから赤薔薇シリーズって呼ばれてるの。ちなみになんだけど、ゴールディアさんをマギーって呼ぶほど仲良いんだね。なんで?」



冷房が効きすぎているからか、少し寒い。焼肉店は客が火を使うため、若干冷房を強めている店舗が多い。だから、きっと少し寒く感じるのだろう。



「マギーに戦い方教えてるんですよ。ちょっと色々あって顔見知りになりましてね。北西先輩がマギーを知っていたのは学年一位だからですか?」



「もちろんそれもあるけど、ゴールディア家の人間だからかな。同じ学校にいる王家の娘を知らないなんて人間はいないんじゃないかな?」



「まぁ確かに王族の生徒ってなれば嫌でも記憶に残るでしょうからね。」



「そうそう。さらに学年一位となれば流石に注目するよ。そんなことより、ゴールディアさんはマギーって呼んでるんでしょ?ならアタシもアリサって呼んで欲しいな。」



「同級生ならまだしも上級生を名前呼びとなれば勘違いされちゃうんじゃないですか?そう言う仲だって。」



「私は勘違いされても良いよ?優希くんは駄目なの?勘違いされちゃ。」



「駄目なんじゃ、ないですか?悪目立ちすると言いますか。」



「優希くんが悪目立ちとかに気にしても今更だと思うけどな。そうでしょ?勇者くん?」



「確かに、そうなんですけどね。」



さっきから北西先輩に圧を感じるのは気のせいだろうか。ついでに、店の冷房が下がった気がするのも気のせいなのだろうか。



「リピートアフターミー、アリサ。」



「アリサ先輩。」



「アリサ。」



「流石に呼び捨ては出来ませんよ。アリサ先輩で我慢してください。」



「仕方ない、今回はそれで引いとこうかな。」



上ロースを口にし、頬を上げて喜ぶ。この店の品は全てが美味しく、特に白米は白米をおかずにご飯を食べれそうである。



「北西先輩は。」



「アリサ。」



「アリサ先輩は魔術だと何が得意なんです?」



「アタシは闇と光が得意だよ。特に闇なら負け無しかな。」



体質的な話をするなら、エルフが得意なのは水魔術と風魔術、そして光魔術。魔族は光以外の全てが得意かつ闇の適性が極めて高いので、そのふたつと不得意な魔術がない人間と合わさって闇と光が得意な体質になったのだろう。



「闇と光って他の属性と混ぜられないからちょっと残念な感じあるよね。」



「えっ、混ぜられますよ?ちょっと難易度高いですが。」



「いやいや混ぜられないよ。小学校で習わなかった?火とか水とかの自然的属性は混ぜられるけど、光と闇は概念的属性だから混ぜられませんって。」



日本の小学校では魔術なんてファンタジー習いませんでしたなんて話は置いておくとして、光と闇が他の属性と混ざらないなんて話は嘘だ。



確かに、自然的属性と概念的属性は混ざりにくい。だが、光または闇を何かの属性を混ぜるのは高等技術だとはいえ出来ないわけではない。例えば魔族は闇属性と他の属性を混ぜることで魔術の威力を上げていた。



とりあえず、ここは話を合わせておこう。



「そうでしたね、ド忘れしてました。」



「優希くんってちょくちょく常識知らずな所あるよね。知識の偏り結構あるし。ほんと不思議。」



アリサ先輩がホルモンを口に入れたので、つられて自分もホルモンを頬張る。いつ何時でもお肉は美味い。ちょっとボロを出してしまった時でさえお肉は美味しいのだ。



ちなみに、この昼飯代はちゃんと俺が奢った。



とても、懐が寂しい。痛い出費だった。

























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