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TRPGボッチ  作者: xcgd


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第9話【子供は遊ぶ】

 思えば宇辻は子供だった。


 宇辻がTRPGに出会ったのは、中学生の時の頃。


 あまり親も構ってくれない家庭であり、学校でも典型的なオタクであった宇辻はクラスの中心人物たちにライトノベルを、自分が気に入ったものを馬鹿にされ、一悶着が起きた。


 それのせいでクラスから孤立し、関わる子供たちも極端に減り、自分を理解するものなどというのは現実にいないと決めつけるほど頑固にもなった(高校からはかなりマシになる)。


 そんな時に家族用のパソコンで動画を見るのにハマり、色々な動画を見ている中で特にハマったモノがTRPG動画だった。


 冒険と事故と、運命がひしめき、皆で笑い合う姿は宇辻にとってとても微笑ましく、こうなってみたいと乾いた心に水の一滴が落ちていく。


 こうして宇辻はTRPGをやろうと決意した。


 TRPGというものがまだよくわかってない中、おこずかいを貯めて多分流行っているであろうTRPGのルールブックを買った宇辻はどうにかしてネットの募集コミュニティを見つけて卓を始めた。


 初回の卓はキャラクターが死んで終わった。BADENDだった。


 他の参加者たちは苦笑いをしていた(そこそこ理不尽要素があったため)。


 ――だが、宇辻にとって卓は、それは初めての愉快な冒険だった。


 大体の人はオタク趣味を馬鹿にしなかったし、逆に共有の友達のように共感してくれ、宇辻も笑い、楽しくて仕方がなかった。


 そこから宇辻はドンドンと自己を強めていった。


 現実では満たされなかった承認欲求と娯楽欲が満たされ、TRPGの沼に飲み込まれていく宇辻。


 そんな中で何度か卓を交わしていくものたちと出会う。とても気が合い、宇辻にとっては『初めてのネットの友達』だと勝手に思っていた。


 ネットの友達たちが声をかけくる。


「コミュニティを作ろうと思うんだ君も来ない?」


 即座に二つ返事でこれを承諾する。この時の宇辻には警戒心というものが薄く、コミュニティに対しての嫌悪感も欠片もない。気の合った友人と遊べるというならそちらの方に流れるのは当然だった。


 当時のコミュニティは10人ぐらいの皆で卓をやるだけのコミュニティだった。


 いつの間にかキャンペーンをやったり、別のTRPGをやったり、コミュニティ内での大型キャンペーンをやったりとコミュニティも広がり、人もどんどん増えていった。


「あれ?」


 高校生になった頃。親に自分だけのパソコンを買ってもらい、更にTRPG活動が積極的になった。


 そこで少し違和感を感じた。


 宇辻は自身はコミュニティ内での様々なGMも勤め、積極的に最前線で活躍していくプレイヤーとして名を轟かせるほどで、”個人的”にはコミュニティの中核にいると思っているほどなのに。


 ただ、振り返ってみると、昔いた10人のメンバーはほとんどいなくなっていた。


 最近よく見るメンバーは2人程度。


 自分が好きなメンバーは何処に行ったのだろうか?


 ただ、コミュニティはかなり大きくなった。


 SNS内のグループチャットも出来、活動の頻度を含めずに総人数だけ言えば100人以上いる大きなコミュニティとなり、宇辻にとっての弟子のような存在もいるようになったほどに。


「………?」


 分からなかった。大きくなり卓も活発になった。


 卓に困る事もなく、1日卓などの単発的な卓も増えたはずなのに……。


「なんで、不安になるんだろう?」


 『友達』は何処に行ったのか?何故、不安を感じたのか?


 いくら考えても、当時の宇辻には分からなかった。

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