第4話【買ったからには】
「あのアニメが、TRPG化!?」
宇辻はTRPGをしている中でも、アニメを見たりしているオタクである。
見るアニメはオーソドックスなモノから、少しマニア向けのようなモノまで自身の興味が出たら見ていくタイプだが、そんな中最近有名タイトルのTRPG化が増えてきた。
大体がすぐ廃れていくイメージなのだが、今回は宇辻が好きなアニメだったので、完全無視を決め込むことができない。
「ぐっ、原作者がリプレイ参加……?読みたい……」
こういうものは、大体原作者を招き入れた何かしらの企画をやってくる。
【リプレイ】。
実際にTRPGをした時のログを本に同梱したり、別本で付けたりする。
そこにはあとがきやXなどの小話的なノリではない原作者の言葉と会話があったりし、それを見るだけでワクワクするものなのだ。
「……値段はそこそこ。サプリは出るか分からない……」
そう、こういったもので一番怖いのは【流行らない】事である。
TRPGというコンテンツはすぐ廃れる時はすぐ廃れる。
どんなにサプリを出してもそのTRPGを触る人が少なければ、とても小さな誰にも発見されないような業界にもなる可能性が高い。
TRPGという業界は狭い。
アニメのファンが、その業界の門をたたくのはごく一部。
つまり、卓ができない!!!
ではこのTRPGを買った意味とは何なのだ!!!
ボッチである宇辻はそういったことを慎重に考えて、TRPGを厳選する。
それこそ、たった一回もできずに安くて900円、中間で3000円、本当に高いと7000円ほどを覚悟して出費しなければいけない。
今回は3000円前後の値段。リプレイは本誌についているのは良心的だった。
「うっぐ、読み物として……?こういうアニメのリプレイは世界観設定も結構乗ってて」
自分の中で必死に理由を探しつつ、財布の中身をチェックする。
「………いけるか。行こう」
未来はきっと明るい。
そう思うしかないのだ。
例えこのTRPGに、遊ぶ友達が同梱していなくても。
ボッチは辛い。
それでも、TRPGを続けたいのだ。




