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悪魔と契約した皇帝、心の底から笑う為暗躍す  作者: ドドド
一章.二人の日常
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6.裏ボス

 夜の王都が炎に包まれ、勇者と魔王の決戦が始まる。


「あー! いい! 久しぶりに僕はワクワクしているよ、ルシフェル!」


ギルド本部屋上にて、銀髪の邪帝が嘲笑う。

 

「心の底から笑えそうですか? ご主人様。」


「うーん。まだだな、もっとだ! もっと僕に観してくれ! 欲に溺れた魔王と王都を守護する勇者達の物語を!」


「どちらが勝利するとお思いで?」


 ルシフェルがグリムへと尋ねる。


「どちらでもいいさ。僕が今求めているのは、このゲームシナリオのみさ。だって、この国が滅ぶ事は僕が此処にいる時点で決定事項だからね。」


「流石、強欲です。本物は違いますね」


*************************


魔王と勇者は向かい合い、大剣とナイフが幾度となく交差する。


空中、家屋の上、道路、至る所で剣とナイフの剣舞が行わていた。


「お前一人で、魔王となったこの私を倒せるとでも?」


「魔王魔王って五月蝿いよ。貴方のその力は所詮借り物か何かだろう。」


「チッ! お前の方がうるせえ!!!」


「まずは右手だ!」


「何? グゥァァァァァァァァァァァァァァァァア!!!」


 勇者の大剣が魔王の腕を肩から切り落とし、魔王の肩から血飛沫が舞う。


「弱いな! お前なんかが魔王とは私は認めん! これで終わりだ! 聖剣シャイニングスラッシュ!!!」


 勇者の大剣が輝き、光のエネルギーが辺りを満たしその光を大剣は完全に吸収する。


 そしてそのまま勇者は大剣を振り切った。


「そんなぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!!!」


 光と共に、魔王ダース・キリエルは消滅した。


「黒龍は……みんなに任せて大丈夫だな。俺は黒幕の元に向かうとするか」


 勇者は魔王を倒し、黒幕の元へと向かう。


 黒幕のいる、ギルド本部へと。


*************************


 龍が吠え、息を吐く。


 その息は王都の建造物を薙ぎ倒し、民の命を奪っていく。


「あの魔石です! 伝承によればあの魔石を壊せば倒せる筈です! 」


「あとはお願い! カロンちゃん!」


「了解アルー!」

 

 僧侶ボルタが神聖魔法で、カロンの一定時間内での自然治癒の力を与え、魔法使いリーリャがカロンへと身体能力向上の魔法をかけた。


「さて、タイマンするアルヨ! 黒龍!」


「ウオァァァァァァァァァァァァ!!!!」


 黒龍が吠えたのを合図にカロンは空中へと飛翔する。


 勇者パーティが行う身体能力の向上と自然治癒。


 その力は簡単に一国を破滅させるほどの力を有している。


 実際、その力で魔族の集落を一週間でアキトとカロンは滅ぼしたのだ。


 その力が黒龍へと向かう。


「ハァチョォ!!!」


 黒龍の魔石にカロンの飛び膝蹴りが直撃した。


 魔石にヒビが入り、割れていく。


 そのヒビは黒龍の身体もひび割れさせていき、黒龍は咆哮もせず塵となっていった。


 カロンの足も複雑に骨折したが、地面に着地するまでに自然治癒により回復する。


「思ったより弱かったアルナ!」


「さて、アキト殿と合流しましょうか。」


「そうですねぇ、あ! あれアキトさんじゃないですか?」


「ギルド本部の方へ向かっていますね。私達も向かいましょう。」


「はい!」


*************************


――ギルド本部、屋上。


 そこでは勇者が、二人の男女と相対していた。


「黒龍と魔王もどきだけでは、君達のラスボスは務まらなかったみたいだね。」


「ギルドマスター。やはり貴方が黒幕でしたか。」

「ああ、よく気付いたね。」


「王城で初めてお会いした時から、何かあるなとは思っていました。そこの女性は、同じ銀髪から察して兄弟とかですか?」


「いや、もっと関係の深い存在だよ。」


「というと?」


「僕は邪帝グリム・ネルガウ。この麗しい女性は強欲の悪魔ルシフェルだ。」


「邪帝と悪魔……? 貴方は魔族ですか?」


「全然違うよ。この世界の理から外れた邪神さ。」


 勇者は大剣を構える。


「どちらにせよこの国の敵ですね。俺が成敗します。」

「ルシフェルよ、僕の立ち位置はゲーム的にいうとなんだと思う?」


 邪帝が悪魔へと尋ねる。


「裏ボス。だと思います。」


「いいね! 裏ボス。楽しそうだ。僕一人でやるよ」


「仰せのままに」


 邪帝は腕から闇を発生させ、自分の身長と同じ長さの大鎌を作り出す。


「一つ聞いてもいいでしょうか。」


「何だ?」


「何故この国を滅ぼすのです? 王子まで利用して。」


「全てを壊し、全てを手に入れ、心の底から笑いたい。それだけだよ」


「俺には理解しかねますね」


「追い付いたアルヨ! って銀髪のギルドマスター!?」


「もうその話終わってる感じですよぉ」


「そのようですな」


「みんな!」

 

 勇者パーティがギルド本部屋上へと揃った。


「揃ったな。さあ! 裏ボス戦を始めよう。」

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