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ナンパされていた女の子が夢レベルの理想の子と瓜二つだった件

作者: 翔丸

勢いで書いたスピード小説です。

「せんぱい……今からあの建物、いきません?」

「せんぱい…きて」

「ん〜……せんふぁいのらめ」

「らめ…しぇんぱい、みらいれ…っ!」


 ♪♪♪


「………………………………はぁぁぁぁぁ」


 あともうすぐでってところだったんだぞ。なのに、何でそこで夢と自覚させられなければならん。


 俺は覚醒した俺の脳が憎いぞ!


 それにしても夢の中の女の子、俺好みの美少女だったなぁ。

 後輩属性で、茶髪のショートボブで、少し童顔でぱっちりした目をしてて、巨乳よりの胸のスタイルの良い美少女。

 まぁ夢だから出て来て可笑しくないんだけど。


 ゆえに俺はもう一度寝る。

 今日は学校休みだし、後輩ちゃん降臨してくれよぉ。


 ♪♪♪


 俺は今猛烈に悲しい。

 何故かってそりゃあもちの論!後輩ちゃんが、後輩ちゃんが夢に出て来てくれなかっからだよぉぉぉぉ!


 ちょっとだけちょびっとだけで良かったのに。

 俺の眠りは悲しい程に深い眠りだったようで夢を見ることはなかった。

 そして、俺はそんな気分を晴らす為に外にぶらぶらと散歩中。


「ねぇ今日暇?暇だよね。僕らもただ歩いてるだけで暇なんだよね」

「もし良かったら暇同士俺達と遊ばねぇか?」

「一人が嫌なら他の友達も誘って良いからぜ」


 複数で一人の女の子を囲んでナンパとか本当に暇かよ。俺ならナンパなんかするより友達誘ってゲーセン行ったり、一人映画観に行ったり、本屋行ったりするな。

 気分的には今日は一人映画だな。


「は?すいません不愉快すぎて行く気なんて皆無なのでこれで失礼しますね」


 ナンパされていた女の子はドストレートに拒否したようだ。

 けど、ナンパ野郎達は諦めが悪いらしい。

 俺なら断られたらすぐに引くね。

 臆病とかじゃねぇよ。ナンパしておいてしつこくするのは相手にも悪いという紳士的行動をだな、


「不愉快ね。なら不愉快じゃないって証明するから少し付き合ってよ。それで判断して欲しいな」

「その言葉と執着がもはや不愉快すぎるの自覚してます」

「チョーしのってんじゃねぞアマ!」

「ちょっと身体で分からせてやるか」


 まずいストレートに言いすぎて最悪なルートに入ってしまった。

 でも止めに入っても俺喧嘩とかやったことないしな。かといって見てみぬふりはしたくない………仕方ない。そういう人用の選択というものもあるのだ。


「はいはいすいませんごめんなさい通してくださいねぇ。いたいた。ごめんごめん遅れた。よし、早速本屋に行こうか」

「お前なに?」


 ですよねぇ。とりあえず女の子を俺の後ろに。


「この子の連れですが?何か?」

「じゃあ名前は?」

「いやいや警察でもないのに他人教えるわけないでしょ馬鹿なの?」

「あ?」


 あ、しまった。思わず本音が。俺も女の子のこといえねぇ!


「とりあえずこいつボコるか」


 さっきまでナルシストっぽかったのに荒々しい!


「警察呼びますよ」

「させると思うか?」

「それならしました。もうすぐ警察が来ます。捕まりたくなかったらすぐに消えた方が良いですよ」

「はぁそんなの…」


 ナンパ野郎が何か言いかけた時、ポリスカー独特の音が聞こえてきた。


「ちっマジで呼んでやがるいくぞ!」


 元ナルシスト野郎はその他ナンパ野郎達と一緒に逃げていった。


「助かった。ありがと、う」

「いえ、こっちも助か、りまし、た……」


 何の冗談だと思った。茶髪のショートボブで、少し童顔でぱっちりした目をしていて、巨乳よりの胸のスタイルの良い美少女。

 俺の願望理想、そのものというか今日みた夢の中の後輩ちゃん全く同じ容姿をしていた。


 その女の子が信じられないという驚愕顔で俺を見ているって何で!?


「あの……えっと()()()()、助けてくれてありがとうございます」

「いやいや、結果的には()()()()()が警察呼んでくれたから助かったわけで。そういえば来ないな警察。音も聞こえなくなったし」

「さっきの私がスマホで録音しておいた奴で実際には呼んでなくて………その助けてくれなかったら出来てません」

「そうなんだ」


 というか何で顔をそらすの?しかも顔真っ赤なんで、ホワイ!

 コミュ障とか人見知りって感じではないし。

 初対面なのに聞くのもなぁ。

 よし、立ち去ろう。それに真っ赤な顔見てなんか夢での後輩ちゃんの火照り顔を思い出してしまって申し訳ないし、顔暑いし。


「じゃあ、俺はこれで」

「あぁすみません許してください!」


 女の子に手を掴まれちゃった。

 温かくて柔らかいじゃなくて、いきなり謝られちゃった。ますます分からん。

 謝罪癖でもあるのか?あるわけないだろ絶対。

 もう自問自答しても仕方ないよ。


「謝る理由無いよね?あとこれは別に良いんだけど何で顔そらしてるの?」

「………笑わ、いえ怒らないでください」

「う、うん」

「その実は今日夢で…せんじゃなくてあな……きみ?」

「とりあえず言いやすい呼び方で良いよ」

「すみません。えっとせんぱいじゃないせんぱいとその重ねてしまってんです」


 俺は目の前の後輩ちゃんではない夢の中の後輩ちゃんと身体を重ねあってしまったって目の前後輩ちゃんじゃなくてああ後輩ちゃんが離れない。よし、仮としてリアル後輩ちゃん、略してリーちゃんとする。

 失礼だけど!


「……身体を」

「ってそっちもかーい!」

「へ!?」

「ああごめんつい」

「あの……よければで、今のどういう事か聞いても良いですか?」

「怒らないでね」

「怒りません」

「……えっと、夢の中に俺の好みというか理想願望の後輩と俺も同じく……今日したんだよ。勿論夢の中ね夢の!しかも君と瓜二つなんだ」

「本当ですか!?」


 いきなりリーちゃんの目付きが変わった。キラキラと欲しかった物が見つかった時の子どものような目でリーちゃんは俺にぐいっと近付いて見つめてくる。

 甘い香り、シャンプーかな。良い香りがリーちゃんから鼻腔をくすぐるように香ってくる。

 そんなことも知る由もなくリーちゃんは語り始めた。


「私もせんぱいと夢の中のせんぱい瓜二つ何です!これもせんぱいと同じで私の理想願望何です。ポジは絶対一つ上のせんぱいで!ちなみにせんぱいは今何年生ですか!?」

「うぇ?俺?俺は高二」

「理想せんぱいだ!」

「理想せんぱいって……ってことは高一」

「はい!」

「友達からの関係で良いから将来お付き合いしてください!」

「本当ですか!もちです。こちらこそお願いします!」


 こうして友達からの付き合いが始まり、一年後俺と後輩ちゃんは恋人関係となり、互いに夢でみたようなシチュエーションでやることにして逢瀬に浸った。

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