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仲良し四人組


「幸多朗殿が王城から出るのってあと何週間かあったでござるよね?」


浅沼さんがが泊っている宿屋でそうつぶやいた。


「ンゴ」


「これから何しましょうか?」




私たちは今、三人で王都にいます。


強くなって集まろうなんて言って出発したものはいいものの、三人とも行く場所が同じで、ならいっそ、四人で行動しないか?と言う話になりました。


境本さんは出発の日に迎えに行けばいいので、我々は約1か月の時間があります。


「冒険者のランクを上げませんか?」


「幸多朗氏よりランクを先にあげるンゴか?」


「そうでござるよ!友なら、義兄弟なら待つのが筋ってものではござらんか?」


「ランクの上限はありますし、早く高い難易度のクエストをこなせるほうが、幸多朗さんも喜ぶと思ったのですが...。幸多朗さんは努力家ですし、話を聞いた限りでは全然銀の冒険者と戦えると?」


「それはそうンゴが...。」


「まあ、どうせ、4人ともSランクの冒険者になるでござるからな。」


「わかったンゴ。」


所持金にもそれなりに余裕があるためそこそこの宿屋を借りています。


お風呂などはないようですが、体を拭くのが当たり前のようですね。


「そういえば宮田殿、西田さんとはどうなったんでござるか?」


「べっ、べつにどうもなっていないンゴ...。」


「怪しいでござるなぁ?」


私たちのほかにも15名ほどまだ、王都に勇者が残っているようで宮田さんは時々西田さんと一緒にいるのを浅沼さんと一緒に尾行して確認しました。


そこそこ最低ですね。


考えていてつい、顔がほころんでしまう。


きっと、境本さんが加わったらより楽しくなるでしょうね。




次のひ冒険者ギルドに行き、登録を行った。


終始私たちはテンションが上がりっぱなしでした。


「そういえば、魔王の話は聞きましたか?」


「いや、自分は聞いてないンゴ。」


「同じくでござる。」


魔王が村を滅ぼした、国を亡ぼしたという話を全く聞かない。


全滅したから報告がないのか、はたまた魔王はまだ特に何もしていないのかは不明だ。


他の勇者と話したときに、今、勇者たちはなぜかスリアの村に多くが滞在しているようだ。


まあ、物価が王都と比べれば安いことと、安全性、レベルの上昇などを考慮した結果なのだろう。


リーダーは芦田翔さんだと聞いた。


ハウンドに演習中襲撃されたときもそうでしたが、あのカリスマ性には頭が下がります。


個人の技能能力でも申し分なく、性格もいい。


確かに境本さんへのあたりは強かったのですが、元の世界にいた時も、本当に境本さん以外には優しく、元の世界で境本さんにきつく当たっていたのを見た時は本当に驚きました。




最初はハウンドの討伐に出かけることにしました。


我々はステータスが伸びてはいますが、実戦に関しては完全に素人です。


境本さんもステータスが低いわけではありませんが、戦闘面で我々がパニックを起こすわけにはいきません。


ハウンドは森の中にはゴブリンと同じでよくいるモンスターです。


一日野外で野宿し、進んだ森の中で合計24匹のハウンドと戦闘になりました。


戦闘自体は全く危なげもなく、一匹たりとも逃がさずに仕留められました。


ただ、経験値が等分されない点はかなり影響が大きく、今後、例えば一体だけ上位種、いるのかわかりませんがドラゴンみたいなものなど、大きい経験値を誰かが独り占めする形になるので、そこを考慮すると、やはり別々に行動し、レベルを上げてから集まるほうがいいのかもしれないとは思いました。


まあ、今の段階で気にしても仕方がない、ところがあります。


討伐系の村や町から常時張り出されてるクエストは討伐指定のモンスターさえ被っていなければ、10個まで重ねて受けることができます。


と言っても通常の依頼も含めて10個なのですが。


ハウンドの討伐依頼は、10体以上の討伐で、このクエストは数に指定はなく、1匹ごとに銅貨一枚。


このクエストでは30、50、100体ごとに追加報酬が記載されています。


ギルド職員に聞いた話では多くのクエストをクリアするほうが早くランクが上がるそうなので、30体討伐は目指さず、10体を目標にしています。


ですがパーティーを組んではいないため、討伐状況が共有されないのが少し難点です。


「結構うまく言ったンゴね。」


「ええ。二人とも素晴らしい動きでした。」


「木ノ下殿もですよ。」


前までは妄想の中でしかできなかった、宙返りや、高い跳躍も思いのままですごく楽しい。


命の奪い合いをしているので楽しい楽しくないは不適切な表現かもしれませんが。


二人とはダンジョンに行ってみないかと言う話を寝る前しました。


ダンジョンドロップもかなりいいアイテムが出ることもあるようで、経験値も高いことが多いそうなので思い通りにいけば一石二鳥です。


見張りは最初に宮田さん。次に私、最後に浅沼さんが行います。


魔物がいる野外で安心して寝れているのは二人のことを信用しているからなのか、私の気が緩んでいるのか...。


もう少し、もしもに備えて緊張感をもって取り組むべきなのでしょうね。





それからは討伐クエストを受けてダンジョンに向かったり、通常の依頼を繰り返して過ごしました。


気づけば三人ともレベルは17、ランクは銅4になっていました。


冒険者と比べればかなりはやいとのことでしたが、パーティーを組めていればもっと早く上に上がることもできたでしょう。。


SPの使い道についてはスリアの村で検証と話し合いが行われているみたいなので、先に行ってきてもいいのですが、境本さんが来たら一緒にスリアまで話を聞きに行こうという話になりました。


最後にゴブリンの討伐と言うクエストを受けようということになりました。


近くの洞窟に住み着いたようで、そこを掃討してくれば報酬をもらえるとのことでいした。


このクエストは同じクエストを同時に複数パーティーでうけることができ、活躍によって、報酬が分配されるという依頼でした。


我々が今後パーティーを続けるならこういったクエストを受け続けることになるのでしょうか?



洞窟につき、危なげなく依頼を達成しました。


上位種も特にはおらず、ゴブリン以外は特に何もありませんでした。


そんな時、帰還のペンダントから音声が突然聞こえました。


「緊急報告。E、Fクラスの生徒が演習中に全滅しました。原因は現在調査中。危険な可能性があるため、勇者は一時的に王都から離れるように。」


E,Fクラスと私たち勇者が呼んでいたため、王族側が配慮して、クラスの呼び方はAからFクラスになった。


が、今はそれどころではない。


「どういうことでござるか?」


「帰還のペンダントで王都に戻ることができるンゴよね?」


「いや、いつでもではなかったはずです。それに幸多朗さんならきっと大丈夫なはずです。」


「いや、でも、全滅って言ったでござるよ?」


「緊急報告なら確認が終わっていない可能性もあります。それより、問題はどんな演習をさせていたら70人近くの人間が一気に死ぬかです。王都に戻りましょう。」


緊急なのに断定していることもそうですが、もし、本当に70人も死ぬような危険があるのなら今すぐにでも勇者が戻って問題解決に尽力するべきです。


いろいろと不可解ではないでしょうか?



「離れるようにって言ってたでござるよ?」


「いや、三人とも何も聞こえていないでござる。戦闘中、バッグに入れていてペンダントは外していたンゴ。」


宮田さんがペンダントを外しながらそう言った。


「わかったでござる。」




王都に着いたのは夜になりました。


壁を超えるか考えましたが、私たちは今夜は待つことにしました。


もし全滅していたのなら、今すぐに行ったところで大きく結果は変わらないでしょうから。


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