嵐の前と義兄弟
記録をおこなっていた人の一人がアルノヴァ王に耳打ちする。
「三百五じ…そうか…わかった。」
350…まさか総ステータスか?
俺の5倍だぞ?そんなわけ…
総ステータスでした。
翔には別室を用意すると言っていたからおそらく翔の総ステータスが350あるのだろう。
翔はその申し出を断っていた。
部屋に案内された。
これからはここに4人で一部屋泊まるそうだ。
一部屋といっても俺が母と暮らしていたマンションより広い。
「めちゃくちゃ広いですぞ、浅沼氏、宮田氏!!」
「「おおー!!」」
綺麗に隅々まで掃除されていて、ベッドも日本と同じくらい清潔でフカフカだった。
「ふっかふかでござるよ木ノ下氏、浅沼氏!!」
「「アハハハハハ」」
トイレは魔石なるものを使っているらしいが水が流れて驚いた。
トイレットペーパーはなく水が貯めてあるだけっ
「トイレ流れるンゴ!」
「「「ここは我々の」」」
「楽園ンゴ!!」
「楽園でござーる!!」
「楽園ですぞー!!」
だったが勿論特に抵抗はない。
一般家庭でもトイレは綺麗なのだろうか…?
だとしたら非常に衛生的だ。
明日から戦闘訓練やこの世界についての説明があるそうだ。
後ろで騒いでいるのは眼鏡に痩身の木ノ下、ふくよかな体で「ンゴ」使いの宮田、髪が目にかかりそうなおかっぱヘア、ござるの浅沼だ。
「境本氏!!いせかいですぞ、い・せ・か・い!」
そうハイテンションで木ノ下が喋りかけてくる。
「あ…ああ、」
「男が異世界に憧れないはずないでござる!我々は同士、隠し事など無用でござる!」
「今日は少し疲れたんだ…時間になったら起こしてくれ」
「勿論ですとも兄弟!我ら生れたt」
契りならお前ら三人でかわせよ…
思考が急速に鈍くなる。




