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お誘い。


骨が見えている患部を水で洗い流す。


魔法で生み出した水は、はたして綺麗なのだろうか?


水は魔力で作り出すのが非常に簡単だ。


勿論砂も何とか出せるのだがそれを使って攻撃しようとするときに維持するのが非常に難しい。


目つぶし程度としてしか今はまだ使えないだろう。


関係ないことを必死に考えても痛いものは痛い。


頭に防具をつけていてよかった。


綺麗な女性二人に泣き顔を見られるところだった。


まあ、二人は俺にみじんも興味がないのだが。


中級ポーションを患部にかける。


激痛が走る。


筋肉が増長する不思議な感覚に襲われる。


しばらくするとその感覚はなくなり、違和感だけが残る。


手がしびれているような感覚に近いだろうか?


痛みもしびれも完全になくなった。


純粋にポーションすげぇ。



時間は30秒くらいだろうか?


この速度で回復するのなら戦闘中でも十分使えるだろう。


鎧は一部が壊れてしまったが、まあ、いいだろう。


盾は最初の魔法を食らって地面にたたきつけられたときに落ちていたようだ。


もっと紐をきつく結んでいれば噛みつかれたときの被害も少なかっただろう。



三人には何度も謝られた。


三人がいなければきっとハウンド3体の相手をしている時にもう一体のハウンドに気づいていない。


場合によっては死んでいただろう。



夜はカリスがとってきたウサギを解体し食べた。


悪くはなかった。


いや、空腹だったのと緊張がほぐれたことでとても美味しかった。


夜の警戒だが、俺はしなくていいと三人は言ってくれたのだが、実際HPは完全に回復している。


話し合った結果俺とカリスが先に寝て、レイとアンが後に寝ることになった。





テントに横になると思ったよりもすぐに意識が落ちたらしい。


レイに声をかけられた。


「見張っててくれるんでしょ?」


「ああ、任せてくれ。」


頭はすごくすっきりしていた。


カリスは瞼をこすりながら出てきた。


いつも強くてイケメンな男がこういう可愛いところをみせることでギャップ萌えしたりするんだろうなぁ...。


目ヤニついてるな...。


俺も目をこすってみるが、


「何してるの?」


とレイに言われた。すこし、かなり悲しい。


これがイケメンとの違いか?


はぁ。




することもないから今は剣を振っている。


カリスも一緒に。



気まずいわけではないのだが、気まずい。


体感1時間ほどだろうか?剣を振っているとカリスが


「あの今、いいか?」


と言ってきた。


「ん?」


と聞き返すと


「その、かばってくれてありがとうな。」


「寝る前も言ったがお互い様だろ?」


「いや、上位種相手に俺は何もできなかった。」


「そんなの俺もだろ?武器も鎧もこのざまだ。弁償しろとかいってるわけじゃないぞ?」


「ああ、本当にありがとうな。」


「いや、いいよ。」


少しの沈黙の後カリスが話を変える。


「コウタお前ってこれからどうするの?」


「どうって?」


「王都に行くのか、この村で冒険者をやるのか、いろいろな地域を回るのか、みたいな?」


「ああ、今のところはいろんな地域に行ってみようと思ってるよ。どうして?」


「コウタが寝た後三人で少し話したんだ。コウタを正式にうちのパーティーに誘わないかって。」


カリスは一拍おき、


「このクエストが終わった後に聞くべきなんだろうがその、」


俺を信用してくれたということなのだろうか?


俺はまだカリスたちを完全には信用できていない。


「よければ少し考えさせてくれないか?」


「ああ、ありがとう。」


「ありがとうは俺の台詞だよ。で、カリスたちはどうする予定なんだ?」


「今後の方針か?今は、いろんなところを旅しようと思っているよ。」


「気が合いそうだな。だが俺は男だぞ?さすがに俺が言っている意味は分かるよな?」


「お前にそんな甲斐性があるのか?もし合意でないなら俺が絶対に止めるよ。」


冗談めかしてはいるが本気だろう。


「でもコウタ、お前を信用してるよ。」


はあ、やっぱりイケメンは対応が違うな。


だからモテるし、二人から信用されるのだろう。


「イケメンだな。」


「俺が?」


カリスは本気で驚いている。


はぁ、イケメン。ため息しか出ない。






運よく襲撃もなく、夜は何事もなく明けた。


この世界は食べれる野草が多い。


元の世界も多かったのだろうが...。


ヨモギに似た野草や元の世界では見たことがないものなどを雑に集め、追加で捕まえてきたウサギを捌き野菜炒めをつくった。


味がとても好評というわけではなかったが、歓迎こそされ全く嫌がられなかった。


料理とかできるようになりたいなぁ。





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