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安眠


最終的には鉄装備一式で金貨5枚、25万エンということになった。


最初ゴレスは金貨10枚(50万エン)と言っていたが、一旦ほかの店を見てくるというと7枚(35万エン)まで値下げしてきた。


最終的には5枚で落ち着いたがもう少し下げれたんじゃないだろうか?


俺に合わせてある程度作り直してくれるということだったが他の店もきちんと見て回る必要があるだろ


う。


金貨5枚と言えば成人男性の5か月分だ。


倍の価格で売ろうとしていたんだからひやひやものだ。


この店では鉄の剣は金貨1枚(5万エン)、鉄の槍は金貨1.5枚(7万5千エン)だ。




やはり鎧は吹っ掛けられたんじゃないだろうか?


ただ、一式すべて装備してみると思ったより重くはなかった。


どうしてか聞くと魔法の防具だからだと自信満々に言っていた。


力が強いわけではないから本当に魔法の防具なら助かるが...。


体の採寸が終わったたあとゴレスは


「明日また来てくれ。それまでには作り直しておくよ。」


「金はいいのか?」


「まさか払ってくれるのかい?」


俺が顔をしかめていると、


「前払いは信用すんなよ」


そう言うと店を閉め俺を追い出した。


もう売らなくていいのだろうか?



よく考えれば1日で成人男性の5か月分の稼ぎなのだ。


やはり思いっきり吹っ掛けられていないだろうか?




この村スリアはかなり豊かだと思う。


村民には活気があり、王都のすぐ目の前ということもあり、人もよくと通るのだろう。


市場は人で溢れており、おいしそうな匂いの出店も散見される。


ゴレスの店のような剣と防具の看板が出ている店に入り同じように鎧や剣、槍の値段について聞くと


剣は金貨1枚、槍は金貨2枚で同じだが、鎧に至っては金貨15枚(75万エン)からだった。


鉄のみで作った鎧はそもそもなく、亜鉄を使ったものしか置いていないようだ。


亜鉄とはこの世界で鉄より少し高いが丈夫で軽い金属だそうだ。


じゃあやっぱり鉄の一式は吹っ掛けられているんじゃ...。



その店ではナイフを一本購入した。


何も買わずに質問だけして出るようなことはできなかった。


価格は大銀貨一枚(1万エン)で安価とは言えなかったが、刀身長が25cmほどで長く、まあ、持っ


ていても困らないだろう。


市場で売ってあった明らかに安物の服を買った。


下着と服を二枚とバックパック、タオル?ぼろ布?を買った。


魔物を倒したときのドロップアイテムは分けて持てるようにしておきたい。


合計で大銅貨1枚と銅貨7枚だった。(1700エン)


あの価格設定で暮らせるのだろうか?




そういえば亜鉄などの鉱石を使った性能のいい武器や防具をなぜ勇者に渡さなかったのだろうか?


人数の関係もあっただろうが、鉱石の説明は授業中全くなかった。


意図的に行っていたのだろうか?


ダンジョンに行く際も鉄装備だ。


いくら勇者と言えほとんどはLV1だ。


まあ、もう勇者として生きていくつもりもない。


関係ない話だ。


とりあえず最低限のものは買った。


ゴレスに聞いておいた宿屋を目指す。


この宿屋は宿泊料が大銅貨1枚で、それぞれ追加で銅貨3枚で朝食と夕食が出るそうだ。


価格自体は特に安いというわけではないらしいが、食事がおいしく、村の中心からほんの少しだけ離


れているため危険は少なく人通りもある程度少ないらしい。


だが飲酒は禁止で酔っている人間も立ち入り禁止のため揉めごとが本当に少ないそうだ。


少し迷ったため屋台で何かの肉を買い場所を聞き何とかたどりついた。


その間に3名ほど見たことがある顔を見かけた。


おそらく勇者だろう。


見つからなかったと思うが。


これからしばらくはフルフェイスヘルムは外せないな...。


宿屋は思っていたよりも広かった。


部屋は全部で10部屋あるらしく掃除されていて綺麗だった。


ゴレスの武具店とは大違いだ。


「あらいらっしゃい、1泊大銅貨2枚で30日以上先払いで1泊大銅貨1枚、朝食、夕食はそれぞれ銅貨3枚だよ。」


30日?恰幅のいいおかみさんはそう言った。


まだこれからどうするか予定は全く決まっていないのだ。


「とりあえず一週間お願いします。」


「朝食と夕食はどうするかい?」


「一週間分お願いします。」


「はいよ、きょうからだね、ちょっと待ってね。」


おかみさんは計算機?を取り出して計算している。


服を買ったところは指で数えていた。


掛け算は浸透していないのだろうか?


しばらくすると


「17900エンだよ。」


「大銀貨から大丈夫ですか?」


「良いよ、ちょっと待ってね」


大銀貨2枚渡す。


めちゃくちゃ計算しにくい。


貨幣多く分かれているせいだろう。


俺もそうだが慣れるまでしばらくかかりそうだ。


部屋は二階だった。


室内にあったのはベッドとハンガーラックのようなもの、そして小さな机だ。


ベッドは問題なく寝ることができ、埃っぽくなかった。掃除が行われている証拠だろう。


もっと汚い部屋を想像していた。


部屋の大きさは4.5畳ほどか?まあ、全く問題はない。


ベッドは追加できると言っていたがベッド以外おけなくなるのではないだろうか?


食事は一回のラウンジのようなところでとる。


やはり大きい建物だ。


お金を払えばお湯を持ってきてくれるそうだが、水も出せないことはないし、ある程度なら加熱は可


能なはずだ。


金庫がないのは仕方ないが少し心配だ。


食事ができ次第声をかけてくれるそうだ。


鍵はここを出るときにおかみさんに預けていく。


まあ、少し寝ようと思う。


今日は、昨日もだがかなり疲れた。


布団の中に荷物を隠しカギを再度確認し寝る。。


あとからタライを買ってこようと思う。


おかみさんが貸してくれたりはしないだろうか?


お金は今後それなりにかかるだろう。


できるだけ節約しないといけないな。


思考は鈍り暗くなっていく。




お金はもともと金貨1枚、銀貨1枚などのように表記するつもりでしたが、

今後はすべて55000エンなどのように基本表記し、

金貨1枚などと書く場合も横に(50000エン)のように追記します。



読んでいただき本当にありがとうございます。

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