表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

36/153

宮田と仲間とダンジョンへ


(はぁーなんで寝なかったンゴかねぇ)


後悔しても仕方ないンゴが...。


おそらく、ダンジョン到着までだいたい一日半かかる。


ダンジョンには馬車で行くため、結構密着状態だ...。


いいにおいがする...。


「宮田君!!」


「ウェ...はっ、はい。」


クラスのマドンナである西田さんがこんなブスになんのようだろうか?


「気を悪くしちゃったらごめんね?」


困ったような顔で顔を傾けはにかんでくる。


可愛すぎて頭おかしくなるンゴ。


それと気を悪くするような話なしないで欲しいンゴ...。


「どうしたンゴか?」


「ぷっ、あはははははは」


西田さんは目じりに貯まった涙を拭いながら笑う。


何もかも可愛いのだが、なぜ笑われたンゴか?


「あっ、ごめんね。宮田君のンゴっていうのが可愛くてつい笑っちゃった。」


「ンゴ!?」


小さく声が漏れ、班の全員に笑われてしまった。


すこし恥ずかしいンゴ。


「まあ、ありがとうンゴ。」


「これが言いたかったわけじゃなくて、宮田君って元の世界にいた時よりめちゃ痩せたよね!?


私、太ってるからぁ宮田君本当に憧れる!!」


どういう風の吹き回しンゴか?


鏡を見るのが嫌いだから見ていなかったンゴが、そんなに変わったンゴか?


「あっありがとうンゴ」


「どうやって痩せたの?」


「同じ部屋の三人と筋トレとかをしたンゴよ。」


「え~本当に宮田君すごい!!」


これが、モテ期ってやつンゴか?


西田さんが笑いかけてくるだけでもう成仏できそうンゴ。


しばらく筋トレのメニューについて話していると、


「ハウンドにつかれてる!!」


周りの騎士がそう叫ぶ。


「みやたくんっ!!」


西田さんが縋るように名前を呼んでくる。


可愛いンゴ...。


「ンゴ!!」


馬車から降りてハウンドと対峙する。


騎士は基本的には戦闘には参加しないが、ついていて危険だと判断した時点で助けてくれる。


そういえばなぜほかの奴らは馬車から降りないンゴか?


ハウンドは三体、問題なく倒せるンゴ。


魔力で全身を包み、抜刀一気に距離をつめ、一体の喉元に剣を突き立てる。


そのまま、円を描くように剣を振り払い、二匹目と対峙する。


ハウンドはあり得ない瞬発力でこちらに向かってくる。


狙いは首だろうか?


手を前に出し、噛まれそうになったた瞬間まとわせた魔力を水に一気に変換する。


口の中で莫大なエネルギーが突然生まれそのままハウンドは吹き飛ぶ。


木に当たり動かなくなった。


こんな風になるンゴねぇ...。


三匹目は遊ばず全速力で近づき頭を蹴り飛ばす。


筋肉の千切れる音が足から伝わり、ハウンドの頭が宙を舞う。


噴出した血がかかりそうになったため、なったため、水の膜で体を覆い、気絶した?ハウンドのもと


へ向かう。


剣は、思ったより耐久力がある。


もとの世界ではこんな使い方をしていたら一瞬でなまくらになりそうンゴね。


ハウンドを持ち上げ、ヘッドロックのような態勢になり、首を一気にへし折る。


終わりンゴ。


最後の一匹だけ魔石を落とした。


どんな形であれ殺すのは思うものがあるンゴねぇ。


青色の粒子になってハウンドが宙へ向かっていく。



馬車に戻ると開口一番に謝罪された。


「さっきはその、ご、ごめんね?」


「本当にすまん宮田。」


「どうしたンゴか?」


咄嗟に援護に来てくれなかったことンゴか?


「俺たち、その、宮田みたいなトロイ奴いなくなったらいいのになぁって」


「おい、そこまでいってないだろ!?」


「本当に一人で戦わせたりしてごめんね?」


涙目の西田さんが謝ってくる。


こいつらはなんなンゴか?


つまり、ケガしてほしかった?あわよくば死んでほしかったみたいな意味ンゴか?


言わなければ気づかなかったことをわざわざ明言化する意味は何ンゴ?


ハウンドに恐怖を抱いたか、自分に恐怖を抱いたのかは知らないンゴが、少し悲しいンゴね。


「謝罪はお前らが気持ちよくなるためにするものじゃないンゴ。」


小さい声で自分は言った。


「え?なんて言っての宮田君?」


「いや、全然大丈夫ンゴって言ったンゴよ?これからも、 みんなよろしく頼むンゴ」


精一杯の笑顔で言った。


「ああ!」

「はい!」

「おう!」

「うん!」

「よろしくね、宮田君!!」




「さっきの体の使い方とか戦い方めっちゃかっこよかった!!」


「ほんっとそれ!」


「完全にハウンドを圧倒していましたよね?」


「もしかして、木ノ下君や浅沼君も宮田君と同じくらい強いの?」


何を言ってるンゴか?


同じ教室、同じ時間に訓練を受けていなかったンゴか?


「二人ともめっちゃくちゃ強いンゴよ?」


「やっぱりそうなんだ!!」


「どうしてあの二人を弱いと思ってたンゴか?」


「え...それは、その...。」


「宮田とおんなじ部屋だっけ?あの演習の時ハウンド一体に殺されかけてボロボロになったいじめら


れっ子いるじゃん」


薄ら笑いを浮かべながらその男はそういう。


「翔に何されてもずっと黙ってたやつだろ?マジ不憫だよな。」


「宮田君はあの人がいじめられないように、かわいそうだから一緒の部屋になってあげたんでし


ょ?」


話の論点が大きくずれているンゴ。


こいつらは本当に何を言っているンゴか?


「西田、そうにきまってんじゃんなぁ宮田?」


「そうだよね、じゃないと、あんな弱いやつと一緒にいる理由がないもんな。」


「そうそう、あいつが一番勇者の中で弱いんでしょ?」


「らしいね」


それはないンゴ...。


でもここで言い返しても結局擁護しているとしかとらえられないンゴ。


「さっきの戦闘で疲れたから少し眠るンゴ。夜の見張りもあるンゴからね。」


「おっけー!」


何もオッケーじゃないンゴ。


「キャンプ地についたら起こすね」


そう西田さんが言ってくる。


自分は縦に首を振り目をつぶる。


幸多朗氏はずっとこんな状態で生活していたンゴか?


残りの五人はキャンプ地につくまで幸多朗殿の陰口のようなものを言っていた。


吐き気がする。


ハウンド一体にまともな戦闘訓練も受けていない人間がボロボロになるまで戦っただけで、どうして


ここまで言われるンゴ?


それにハウンドは通常種じゃなかったはずンゴ。


なぜこの情報が伝わっていないンゴか?


わからないことばかりンゴ。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ