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三兄弟ダンジョンへ


Aクラスの奴らは予定では明日帰ってくる。


清田たちを含めた三班はまだ帰ってきていない。


残りの二班も殺されたと考えるほうが自然だろう。


クラスでも死んだのではないか?という話が現実味を帯びだしている。


他の教室でも同様だ。


これ以上帰ってこないやつらが増えたらどうなるかわからない。


魔物の被害報告が増えたらしく、急遽Sクラスから旅立つことになった。


固まっていっても、一人で行ってもいいということだった。


出立式でSクラスの勇者に配られたものはペンダント型の転移の術式が組み込まれた魔道具と金貨5


0枚ずつらしい。


金貨一枚は成人男性が通常の仕事で稼ぐ半月分だそうだ。


つまり、2年は何もせずに暮らせるのだ。


転移のペンダントだが、急遽呼ばれる場合もあるらしく、その際は光り、音声メッセージがくるらし


い。


ただ、効果はパーティーメンバー全員が、このエンデ城に転移するだけらしい。


それだけでも十二分に効果がある。


数はあるらしいが、ダンジョン内では転移できないらしい。


また、パーティーメンバーとは、HP、MP、レベルがお互いに認識できるようになり、居場所が分


かる上、経験値が均等に分配されるらしい。


勇者同士でもパーティーは組めるのだが、説明された瞬間にパーティーを組んだバカたちによって勇


者同士のパーティーは大きくステータスが下がることが証明された。


俺たちも例外ではなくやったが、ステータスすべてが3割まで下がり、体がすさまじく重くなった。


人数ごとにマイナスされる割合が大きくなるようで、勇者が二人なら5割、三人なら4割、四人なら


3割だった。


パーティー上限は6人で勇者六人で組んだら一割までさがるのだろうか?


まあ、一緒に行動する分は問題はないらしいが、勇者と行動を共にすると強靭になる。という言い伝


えがあるらしく、戦闘に参加できる人間を増やして欲しいとのことで、できればこの世界の人間と行


動を共にしてほしいということだった。


「異世界って感じでござるな。」


「ああ」


「ええ」


「ンゴ」


俺も含めやはりテンションはマックスに近かった。




Aクラスが帰ってくるということは、三人がダンジョンに向かうということだ。


三人はBクラスの中でもダントツで強く、Aクラスに入れるとまで言われるレベルだ。


そのため、三人は別々の班に配属されたそうだ。


不安は募る。


三人の実力を低く見ているわけではないが、シルヴァ先生はSクラス6名を殲滅した可能性があるの


だ。


そんな化け物に襲われたらひとたまりもないだろう。


明日出発ということもあり、三人のテンションは異常だ。


「そういえば、宮田氏。クラスのマドンナ西田さんが同じ班でござったか?」


「気づかれてしまったンゴねぇ...。」


「これはかっこいいところを見せて惚れられるきでござるね!?」


「…。ンゴ!!」


決意だろうか?


ンゴ語はわからないがそんな感じだ。


「申し訳ないです、コウタロウさん。」


木ノ下が俺にそういった。


「なにがだ?」


「きっと我らだけ先に出発することになるでしょう。」


「ああ、気にするな。お前らは三人で行動するのか?」


「まだ決めてないンゴ」


クラスのマドンナ西田さんの可愛さについて語っていた宮田が会話に参加する。


俺はこいつらにどれだけ救われただろう。


こいつらがいなかったら、今もこんな風に人と話すことはなかっただろう。


「別々がいいと思うでござる!!」


「どうしてですか?」


木ノ下が聞くと、


「招集がかかったらどうせ三人集まるでござるよ。なら、お互い強くなって集まったほうがきっとい


いでござるよ。」


「そういうの良いンゴねぇ」


「はあ、まあ、二人がそういうのなら。幸多朗さんはどう思いますか?」


木ノ下もやんわり同調している。


確かにそういうの憧れるし...。


ここで断る理由もないだろう。


「ああ、いいなそれ」


四人で朝までいろんなことについて話した。


なぜオールしてしまったのか俺たち四人はひどく後悔したが、まあ、仕方ない。


「じゃあ、そろそろ朝ごはん食べに行くでござるか!!」


俺たちは同意し、部屋の外に出る。


鳥のさえずりが聞こえ、優しい日差しが照らす。


今日は気持ちのいい快晴だ。




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