進む日々 ※
最近は筋トレだけではなく、三人ともスパーリングをしている。
と言ってもスキル、武器の禁止で最低限の配慮をしているものだ。
勿論三人にステータスが劣る俺は手加減してもらっている。
なぜ、三人に素手のみの練習を行うのか？と聞くと、スキルを使えない魔法や場所があるかもしれない
可能性や、武器を持っていないときを想定しているようだ。
まあ、素手が使えて戦える状態であれば、三人であれば基本的に逃げ出せるだろう。
三人の中では圧倒的に浅沼が強い。
宮田も守備力が高いが、水系のスキルで移動速度をカバーしなければ単純にＡＧＩ，ＳＴＲが高い浅
沼には及ばなかった。
Ｓクラスのダンジョンへの出発はもう明後日まで迫っている。
今日はＳクラス中心で講義を受けているそうだ。
ある程度安全なダンジョンを王国側が冒険者ギルドと入念な打ち合わせを行った結果、騎士やランク
の高い冒険者が各グループごとにつくそうだ。
各グループは６名編成で、そこに冒険者、騎士が二名ずつ。高位の回復魔法が行使できるものがつい
て勇者以外の５名は戦闘には原則参加しないそうだ。
ある程度とはいってもステータスがこの世界の平均ではないため、ダンジョンレベル３程度に派遣さ
れるそうだ。
ダンジョンレベルは１が一番低くレベルが上がるにつれ難易度が高くなっていく。
不思議なことにダンジョンの入り口には破壊できない立て札にダンジョン名ダンジョンレベルが記載
されているそうだ。
これは神からの人間への啓二だと言われており、正しい立て札かどうかは立て札に攻撃してみるのが
いいそうだ。
中には偽の立て札があるダンジョンもあるそう、で完全に隠してあるわけではないが、見つかりにく
いところにおいてあるそうだ。
また、破壊できない立て札には虚偽の内容が書かれていたという報告が今までには一度もなく、ダン
ジョンによってはダンジョン内にあるアイテムや、モンスターが記載されている場合もあるそうだ。
意図的に人をおびき寄せる必要がダンジョンにはやはりあるのだろうか？
この話は最近聞かされた。
世界のことに気が向いて、授業への関心の低下を減らすためなのだろうか？
そこはわからない。
俺たちはいつも通り、シルヴァ先生の授業だ。
スパーリングや、基礎訓練の時間が純粋に長く、戦闘スキルはかなり上がったと思う。
伊藤は特に危険だ。
スキルの扱いがかなり熟達しており、体の使い方がうまいため、攻撃力がレベルの上昇とは関係なし
に上がっている。
クラス全員のステータスも上昇している。
俺は
ＬＶ ４
ＥＸＰ ２５３/５００
ＳＰ ２２０
ＨＰ ３０→２１/３２
ＭＰ １３→６/１８
ＳＴＲ １４→１７
ＡＴＫ １４→１７
ＶＩＴ １６
ＤＥＦ １２
ＩＮＴ ９→１１
ＲＥＳ ７
ＤＥＸ ８→９
ＡＧＩ １４→１６
ＬＵＫ ５
のように力関係やＭＰ面が伸びている。
あの三人は筋トレ等の効果がかなり出ていて宮田にいたっては少し細くなっている。
俺とは成長率というか数値の伸びが違い、三人とも全ステータスが１０ちょっとは上がっている。
俺は、数値が多く上昇したものでも最大３だったので今後もステータス差は、どんどん広がって
いくだろう。
ただ、この世界の大人のステータスを俺でさえはるかに上回っている、悲観するほどのことでもない
かもしれない。要するに上を見るか下を見るかという話だ。
ここだけなら、元の世界となにもかわらない。
ＬＵＫについては俺を含め三人とも上昇していない。
モンスターを倒すとアイテムをドロップするらしいが、そのドロップ率に影響したら困るというのが
三人の見解だが、ＬＵＫを上昇させる方法はわからない。信仰心が高まればあがるだろうか？
全クラスでのステータスの上昇が起こったため、明らかに才能というべきか？
上昇率が高いものと低いもので明確に分かれることになった。
一週間後のステータスを再度確認したあと、再度クラスの振り分けを行うそうだ。
これには勇者の個性を最大限伸ばすために行われるそうだ。
差別が加速するかは正直わからない。
が、前よりランクの低い教室に配属されたものは大きくやる気を損なう可能性が高いだろう。
レベルが上昇したものはどのくらいいるのだろうか？
この状態のステータスを言えば、もしかしたらあの三人と同じ教室に配属されるかもしれないが、そ
れは危険ではないだろうか？
結局レベルの上昇で大きくステータスが下がるのは明白だ。
きっと王族が確認したいのは純粋な力がある人間の有無だろう。
そのため、報告ではある程度ステータスを低く言う必要があるだろう。
俺でさえこんなステータスになったのだ。
それでも総合値は翔のレベルの１の状態の半分しかない。
きっとＳクラスの生徒がレベルをあげたらあり得ない数値になるだろう。
もし、この数の勇者集団と渡り合える魔王がいるとしたら、どうしてその魔王は世界を今、支配しな
いのだろうか？
