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時間


アイーネ先生を助けてから一週間以上たった。


この世界は宗教などで週休制を定めていなかったため、週休制という文化がないらしい。


月は4っつしかないが日にちはしっかりと定まっているらしく、360日らしい。


それはそうとして、アイーネ先生が脱走したという話は全く聞かなかった。


俺たちのクラスには王国騎士所属のサイグレ・ミリアルドという名前の貴族出身の男が付いた。


非常に顔が整っており、あの一言がなければ俺だって惚れるくらいだった。


彼は、


「処刑された、アイーネ・ツヴィアさんの変わりに貴方たちを担当することになった...」


と初めの自己紹介で言ったのだ。


つまり、アイーネ先生は捕まったのだろうか?


もしそうなら模擬剣を持っているため、勇者が疑われるのは自明の理だ。


だが、エンデ王や騎士団にも変わった様子はない。


三人の感想も同じようなもので、変わった様子はないということだった。


本当に捕まり処刑されたのかもしれないが、確証はないため頭の隅に置いて、あくまでも意識しないようにしようと思う。


ハウンドの時もそうだが命を奪うという行為は俺の中では非常にきつい行為だということが分かった。


勿論これまで蚊や虫は普通に殺してきた。


だが、この一週間でハウンドが夢に出てきたのはもう何回目だろうか。


夢の中で俺は、血だらけの手でハウンドを触っているのだ。


戦っている最中は気にもしなかったが、あの暖かい感触が生きようとする鼓動が手から、頭から、離れない。


幸い寝ている時に叫んだりはしていないようだが、もし人と戦い、殺してしまった時俺はどうなってしまうんだろうか?


もしかしたら...。という思考は自身をただネガティブにする行為だが、俺の中では明確に意味がある。


思考をリセットするというか、第三者視点から物事も判断するというか、そういう感じだ。


それと、通常のパフォーマンスが落ちたとしても、最悪な事態に陥った時にすぐに対応し切り替えることができる。


最悪になった状態で何が俺なんかにできるかはわからないが、考えることには最低でも意味があるだろう。




この一週間で一番大きく変わったことは、Sクラスの実践演習、簡単なダンジョン攻略が一週間後に決まったことだ。


翔はどのくらい強くなったのだろうか?


俺はどのくらい強くなれただろうか?


他のクラスは一週間ごとにA,B,C,D,E,Fという風にダンジョンに。


その後、王国から認められた勇者は各地域に旅をしモンスターの被害から国民を守るようにと言われた。


勇者を養うのはそれなりにお金がかかる。


出発の時期が早まったのは魔物被害が単純に増えたのと、隣国とのいざこざ、資金面などの理由があるんじゃないんだろうか?これは四人での考察だ。 



それと、三人のスキルポイントはなぜか今宮田が一番多く、86ポイントだそうだ。


もしかしたら木ノ下はもう100ポイント溜まって話を合わせているのかもしれないが。


ダンジョンはダンジョンボスというモンスターがいるらしく、ダンジョンボスを倒すとそのダンジョンは機能を停止するそうだ。


ダンジョンとはダンジョンボスそのものなのだろうか?


ダンジョンで死ぬとダンジョンに死体、アイテムを吸収されるらしい。


ダンジョンドロップといって、ダンジョン内で武器やアイテムが発見されることがあるらしいが、そのアイテムは質が高い、らしい。


そうやってダンジョンは育っていくのだろうか?


魔法陣や詠唱、武器や体を動かす系の訓練が圧倒的に増えた。


モンスターは日々進化し、凝り固まった情報だけでは危険ということで有名なモンスターの簡単な概要しか学習しなかった。


あとシルヴァ先生の実習では軒並みスパーリングみたいなものをさせられるため、疲れた。


ハウンドに後れを取った、くそ雑魚勇者というレッテルをなぜかハウンドを倒していない人たちに言われるのは癪だったが、後れを取っていたのは事実なうえ、救援にいったSクラスが圧倒的力でハウンドを倒したこと。また日本にいた時とは比べ物にならないほど身体能力や体力が増えており、気が大きくなるのは仕方のないことだ。


それより、ミクリデと戦った時、俺は殺されかけていたが、あの三人はきっと一人でもミクリデに勝てただだろう。


にもかかわらず、俺を一切下に見ずに接してくる。


俺ならできないだろうから、もはやあの三人は怖いまである。


これがよくある友情とやらだろうか?


俺がもっと考えて行動していたら、翔とも友人で居続けられただろうか?


あの三人には感謝してもしきれない。


そういえば彼らは俺よりかなり先に王宮を出るのだ。


戦場では彼らに迷惑をかけないようになるためにもっと努力しようと思った。


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