神様、詐欺はやめようよ...。
まだミレイまでは距離があるとはいえ、何を習得するか悩む。
まあ、木ノ下が忠告してくれたように俺の人生はここまでの可能性もあるが、ならばこそだ。
本当にゲームの世界みたいだ。
スキルポイントとは勇者限定の能力ではなく、普通の人間でも持っているそうだ。
スキルポイントが貯まる条件はあやふやで確立されてはいないらしい。
よく言われる条件は
・レベルの上昇
・一定数以上の魔物を倒したとき
・上位種や変異種などの魔物を倒したとき
・神からの恩恵
の4点だと授業では習った。
これは可能であれば積極的に検証していきたいと思う。
まあ、神様の気分ならどうしようもないが。
スキルと言っても単純にファイヤーやサンダーのような魔法から、HP増加などのステータス関連、武器の習熟度や草木の種類を知覚できる、回復力が上がる等様々で幅広かった。
こんなことならもっとしっかり質問しておけばよかった。
とりあえず俺はスキルポイントはレベルの上昇以外でも獲得することができるという前提のもとスキルを習得していこうと思う。
今の俺の総ステータスは140は超えている。
確か85もあれば一般男性と同じくらいだったはずだ。
通常の兵士と呼ばれる人たちのステータスに追いつけたのだろうか?
マレスやクロレ二に聞いておけば良かった。
念のためにステータス上昇系を習得しておくべきか?
必要ポイントはすべて共通で100ポイントだった。
習得ごとに必要ポイントの変動があるだろうか?
あるとしたら慎重にべきだろうか?
候補としてはいくつかあるから冷静に比較して考えるべきだろうか?
・AGI上昇
AGIの数値が1上昇する。
・取得経験値上昇
取得経験値が101%に上昇する。
・MP回復速度上昇
MPの回復速度が102%に上昇する。
・地属性の適正Ⅰの強化
地属性の適正のレベルが上昇する。
・ハイドLV1の習得
ハイド...敵からごくわずかに見つかりにくくなる。
・インパクトLV1の習得
インパクト...自身の行動に微量の魔力を込める。
・過敏
過敏...一定時間五感が研ぎ澄まされる。
野草採取技能など気になるものもかなり多いが、今使いそうなものは取得経験値以外のものだろう。
取得経験値は早ければ早いほどいいだろうが...経験の定義とはなんだろうか?
筋トレや勉強も含むのだろうか?
AGIが一番直接的だろう。
ハイドがどのくらいの効果かわからないのは言わずもがな、スキル系統は俺が持っていないため、どのくらいの魔力の消費量で効果があるかわからない。
地属性の適正Ⅰはこんな簡単に習得できるのか...。目から汗がこぼれそうだ。
時間は有限だ。
焦れば焦るほどそう実感する。
目的地は目前だ。
「はぁ」
息を浅く吐き、一息に決める。
勇者には恩恵があるんだよな、信じてるぜ神様。
【地属性の適正Ⅰがレベルアップしました。】
体に何かが流れ込む。
体が軽くなったような重くなったような。
不思議だ。
「いや、待て。は?適正Ⅱになるんじゃないのか?」
こんなの詐欺だろ...?まあ、いいさ。
取得に必要なスキルポイントは大きくはなかったが上昇した。
「次は150ポイントか。」
まあ、あってもなくても大きくはかわらないだろう。
深呼吸する。
が、動悸が止まらない。
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