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街道に沿って次の村へ。


今は、街道を進んでいる。


魔物にも今のところあっておらず、荷車2台とすれ違った。


雇われていた人間の数は違ったが、どちらも傭兵を連れており、すれ違う度にドキドキした。


まあ、あちらもそれなりに驚いたのだろうが。


旧正教の仮面をつけている人間が歩いていたら、まあ、警戒の対象なのだろう。


「とりあえず、暗くなってきたし、野営しようか。」


街道沿いには勿論何もないが、見晴らしがいいこともあり、魔物の出没数自体もかなり少ない。


テントをなんだかんだ、久しぶりに使った。


エレノアの顔色も悪くない。


体調は完全に良くなったようだ。


「とりあえず、一日目お疲れ様。」


「お疲れ様です。」


先に寝るのと、あとから寝るのはどちらが楽なのだろうか?




「俺が先に寝てもいいか?」


「わかりました。」


食事は途中で何とか捕まえた兎を焼いて食べた。


正直食べれるような味ではなかった。


血抜きを怠ったせいで思ったよりも臭みが増した。


が、エレノアは美味しいと言って食べていたため、俺の分も渡した。


今後獣を捕まえたら処理を優先しようと思う。


近くの森は川があるらしい。


見に行ってはいないが、水が流れる音がするとエレノアが言っていたから間違いないのだろう。


どうやってちょうどいいタイミングで寝るのを交代するのだろうか?


時計のような時間を図る道具があるのだろうか?安ければ嬉しいが...。


「何かあったらすぐにお知らせしますね。」


「頼む。」


お湯を渡してテントに入る。


意識はすぐに落ちた。




エレノアが誰かと話すような楽し気な声が聞こえる。


声量自体は小さく、なんと言っているかは聞き取れない。


目が覚めて急いでテントから顔を覗かせるが外は暗い。


「起こしてしまいましたか?」


「いや、大丈夫だ。」


「質問をよろしいですか?」


「ああ。なんだ?」


「私は獣人です。その、私が上手く喋れているかがわからなくて...。コウタロウ様はアジギも話せるのでしたよね?」


「いや、わかるだけだよ。」


「エレノアこそ、俺が使っている言葉でわからないことがあったら言ってね?」


「ありがとうございます。」


「寝てきて大丈夫だよ。」


「しかし、本当にまだ時間が、」


「エレノアは村を出てからずっと警戒してくれているだろ?」


「できる範囲ではしていますが...。」


「すごく助かってるよ、でも、根は詰めすぎないでね?」


「はい。」


「じゃあ、おやすみ」


「おやすみなさい。」



焚火はぱちぱちと音を立て火の粉が舞っている。


見上げれば満点の星空。


無理やりではあるが、可愛い子とキャンプ。


最高と言うほかない。



焚火に木を追加しながら考える。


正確な日数はわからないが休憩を村で数日行って進み続けるなら3,4ヵ月はオウリス王国につくまでにかかるだろう。


2人で危険はないのか?


お金は間違いなく足りない。


エレノアや俺もだが、コンディションの問題もある。


そう言えば、生理はどうなっているのだろう。


母には何となく気まずくて踏み込んで聞けなかった。いま、エレノアと一緒に居るためかなり後悔している。


授業で習った範囲のあやふやな知識しかない。


明日にでも聞いておく必要があるだろうし、場合によっては生理用品を買いに戻ろうと思う。


お金は300000エンを切っている。


普通に暮らす分には問題ないが、武器のメンテナンスなども必要なため、創作物のように全く上手くいかない。


やはり次の村である程度生計を立てれるようになるまで滞在するべきだろうか?


だが、そうすると、エレノアは嫌でも俺といる期間が長くなる。


奴隷だから仕方ない、そう割り切れればどれだけ楽だっただろうか?


最初から道具として雑に扱うべきだったのだろう。


まあ、そんなことは何回やり直してもできないだろうが。


仕方ないので剣を振る。


体の動きがシルヴァ先生から習ったものとは変わった部分がある。


体を反転させる動きなのだが、足を退いて体を回すように習ったのだが、足を前に出すほうが自然に体が動く。


勿論仮想敵に接近するため、危険ではあるが、どちらもできるように柔軟に動けるように様々な動きを試してみるべきだろう。


実際に俺の戦い方はこの型頼りだ。


この型を変えるのは不安だ。


シルヴァ先生は「動きは洗練され、どんどん自然に効率化されていく。」と言っていた。


これは動きを簡略化したわけではなくて、本当に洗練されているのだろうか?


今は体に魔力を込めながら型通りになぞっている。


魔力が乗りすぎてバランスが崩れることが多く、安定しない。


これが安定するようになれば、もう少し安全に戦えるようになるだろう。






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