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初心者用のダンジョン


レベルがあと少しで上がるのだが、その少しが全く埋まらない。


前からわかっていたことではあるのだが、ハウンドの経験値は個体差があるようだが、それでも、通常個体は経験値が10~20ほどしかない。


次のレベルに上がるまでには、317の経験値が必用で、パーティを組んでいるため一匹20で換算しても30体倒さなければならない。


エレノアに至ってはあと1800必要だから180体は必要だ。


まあ、きつい。


お金の面もそうだ。


武器は使えば壊れる。


防具も日々摩耗するし、ダメージを受ければ場合によっては一回の攻撃で使い物にならなくなる。


ゴブリンとの戦闘で獲得した錆びたボロボロの剣が3本ほどあるが、これを使って安全に戦えるのかは正直わからない。


そもそも戦闘においての安全性とは何だろうか?



まあ、レベルが上がればそこそこ安全だろう。


しかし、冒険者たちはどこで収入を得ているのだろうか?


今は朝だ。


まだ外は暗い。


睡眠が相変わらず浅いのか、少しの物音で起きてしまう。


まあ、野宿などをする都合上それについての問題はないのだが。


過敏になりすぎている気がしないでもない。


エレノアは今日もきちんとベッドで寝てくれている。


そう言えばだが、獣人は獣の耳があるものとないもの、人の耳があるものとないものがあるそうだ。


つまり、3種類だ。


エレノアは人の耳と獣人の耳があり、音は上の獣の耳の方で聞いているそうだ。


人の耳は触られれば感覚はあるそうだ。


かなり不思議だ。


まあ、耳があろうがなかろうが可愛いものは可愛いし、どうでもいい話だ。


最近筋トレでステータスが伸びていないような気がする。


前まで辛いと思っていた筋トレはかなり楽にこなせるようになっていることが影響しているのだろうか?


金城のステータスがそんなに高くないとすれば、俺はかなり低いのだ。


何とかしてステータスの差を埋めたい。


まあ、普通に生活するならそこまで高くなくてもいいだろうが、魔王もいるような世界だ。


魔王軍みたいなのが攻めてきたりするのだろうか?


もしそうなら少しは強くなっておきたい。


まあ、とにもかくにも何も足りていないのだ。


勿論癒しは十分だが。



エレノアはかなり早起きだと思う。


「おはようございます。起きるのが遅くなって申し訳ありません...。」


「ああ、おはよう。気にしないでいいよ。もっと寝てていいんだぞ?」


「そんなわけにはいきません!」


「きつかったら言ってね。」


「ありがとうございます!」


もっと寝てていいんだぞって嫌味に聞こえる気もしてかなり言ったことを後悔した。


はぁ。




「エレノアは他の冒険者ってどうやってお金を稼いでいるか知ってる?」


「依頼やダンジョンだと思います。」


「ダンジョン?」


あー。


「はいダンジョンです。違いましたか?」


「いや、完全に頭から抜けてたよ。ありがとう。」


「いえ、とんでもないです!」



そう言えば、そんなものもあったと言うか、俺はそこから逃げてきたんだ。


ダンジョンには高価なアイテム?ダンジョン産の高級なアイテムなんかもあったはずだ。


確かにダンジョンなら狩りも安定してできるのか...。


この世界に来てから頭が悪くなった。


まあ、もともといいほうではなかったのだが。



「近くのダンジョンってどこにあるんだ?」


宿屋の主人に聞くと


「冒険者ギルドがレベルに合わせて斡旋してはくれるとは思うが、潜ったことがないのなら東にある

エレネがおすすめかな?まあ、初心者用のダンジョンだしな。」


「わかったギルドにも一度行ってみるよ。ありがとう。」


「いいってことよ。」



食事をとった後、冒険者ギルドに話を聞きに行く。


「多いですね。」


「ほんと。」


めちゃくちゃむさくるしい。


臭いし。


俺もこんな匂いがするのだろうか?


はぁ。




「ダンジョンについての話を聞きたいんですが?」


思ったよりも早く俺たちの番になった。


「わかりました。少々お待ちください。」


少し時間がたつと人が一気にまばらになった。


「お待たせして申し訳ありません。」


「いえ、ありがとうございます。」


「ダンジョンについてでしたよね?」


「はい。」


「ちなみにランクは?」


「銅10です。」


「ではダンジョンについての簡単な概要からでよろしいですか?」


「はい。」


「ダンジョンには基本的に立て札が立っており、そこに出現する魔物、アイテム、危険度が記載されています。また、その立て札は破壊できません。この危険度をよく確認してダンジョンに入るようにしてください。」


「はい。」


「ダンジョンがあると、周囲の魔物が強くなりやすくなるのですが、一部例外なダンジョンもございます。」


「例外?」


「はい。初心者用のダンジョンはダンジョンとしての機能は存在しますが、ダンジョンが大きくならないという特性を持っています。」


「大きくならない?」


「ええ。完全にと言うわけではないですが、比較的緩やかで、この村のエレネと呼ばれるダンジョンは、この村の資源のようなものなのです。」


お姉さんは笑うと、


「最近勇者様たちがそういったダンジョンも破壊しているので、念のため、ご忠告です。決して村が管理しているダンジョンは完全に攻略しないでください。死罪になった例もございますので。」


「はい。では、他のダンジョンは?」


「村の所有のダンジョンでなければ攻略してもらって構わないのですが、実質的なそういうダンジョンもありますので。念のため確認をお願いします。」



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