蒼鉛の悪魔
コートを翔びまわる先輩の姿はサディスティックで、相手陣を見つめる瞳はギラついていて一瞬たりともその眼光を逸らさない。次はどんな手で攻めてやろうか、と表情の裏に悪戯心を揺らしながらも、一方で確実に仕留めてやろうという気質も漂わせている。コート上での立ち姿は美しいことこの上ない。
そんな悪魔に私が心を奪われたのは、私がこの高校に入学して間もないころのことだった。あれは葉桜が芽吹いてくる季節だったろうか。
そんな悪魔に私が心を奪われたのは、私がこの高校に入学して間もないころのことだった。あれは葉桜が芽吹いてくる季節だったろうか。
[1-1]ロシア産
2019/07/04 00:22
(改)
[1-2]愛想のない悪魔
2019/07/16 00:51