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To be continued…
そこから先に続く物語の終焉は多々、諸説有り。
ただし、これからの話を語るのならば、こう終わらなくてはならない。
『悪魔ロットバルトを打ち破った隣国の皇太子ジークフリート王子は、湖畔に広がる朝靄の中でオデット姫と永遠の愛を誓い合う。湖面を煌めかせる朝日を浴びてもその姿は白鳥にはならず、オデット姫達は悪魔の呪いが解かれたことを悟る。こうして元の姿と真実の愛を手にしたオデット姫と、勇敢なジークフリート王子は末永く、幸せに暮らしましたとさ。めでたし、めでたし。』
それがこの先の、このお話の、始まり。
これまでの事を加味すると、物語の始まりなんて綺麗なものでは無いのかもしれない。ただの、絶望の、延長線上の一部分にしか過ぎない。
それでも、そこから抜け出せるなら何でも良かった。
誰の手を取ってでも。