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ダンジョンメンタルクリニック

タマエ姉さんの一人漫才

作者: 悠木 凛

「どうもー、みんなのアイドル、タマエちゃんでーす!」


 ショーが終わったきり、何のアナウンスもないため客席がざわつき始めたところに、満面の笑みで小太りのニューハーフが登場した。


 常連客は、その姿を見ただけで喜んで口笛を吹き、「待ってました!」と掛け声が飛ぶ。


「あら、やだ~。いくらアタシが美人でかわいいからって、そんなにがっついちゃだめよ~」


 タマエが体をくねらせながら言うと、客席からは一斉に「おえ~」という合いの手が入った。お約束のリアクションである。


「ハイ、今ゲロしたやつ、後でちょっと楽屋来いよ、顔は覚えたからな!」


 野太い地声でタマエが言うと、客席から「怖え~」という声と、笑い声があがった。


「そうそう、怖いっていえばね、この前、タマエすっごく怖いことがあったの!」


 タマエは鮮やかに語り口を変え、裏声で喋る。


「夜中に急に目が覚めて、お手洗いに行きたくなっちゃったのね。タマエ、『やだな~、怖いな~』と思いながら、真っ暗な廊下を歩いたの」


 ここで、少し溜める。


「そうしたら……」


客席から「鏡でも見たのか!」と、声が上がる。


「うるせえ!先にオチを言うんじゃねぇ!ハゲ!」


 再びの地声に、客席はどっと沸き、拍手喝采に包まれた。


現在連載中の拙著『医大に受かったけど、親にニューハーフバレして勘当されたので、ショーパブで働いて学費稼ぐ。』の、舞台裏です。


この短編を読んで、興味を持っていただけたら、ぜひ本編も併せてご覧ください。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 500字で情景から背景まで作り出してしまうのはすごいですね。 簡潔ではありますけれど、いろいろな情報が無理なく織り込まれていて、連載中の作品に興味が湧いてしまいました。 [一言] なにを読…
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