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勇者はモンスター軍を率いて魔王に宣戦布告する  作者: 四霊
第一章 モンスタークリエイト
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80 コスモス・ラビット侵略④

「貴女がライトブロード軍指揮官殿ですか。私はコスモス・ラビット市長ヨイガナ。お会いできて光栄です」


 コスモス・ラビット市長ヨイガナは、突然の来客を快く歓迎した。市を救ってくれたのだから当然である。ヨイガナはその蓄えられた髭をU字に持ちあげ、エリ―シアに握手を求めた。エリ―シアもふわりと握手に応じた。


「こちらこそ光栄です。私はライトブロード軍飛燕重騎兵隊隊長エリ―シアですわ。この度は市を襲った悲劇に王都中が心を痛めております。王都に知らせが届いて直ぐに飛んできましたが、多くの犠牲者が出てしまったこと心からお悔やみ申し上げます。もっと早く到着していたらと思わずにはいられません」


 そう言って頭を下げるエリ―シアにヨイガナは首を振る。


「エリ―シア殿、貴女達のおかげでこの町が救われたのです。どうか頭をお上げください。コスモス・ラビットは強い市です。これから生き残った私たちが一日でも早くこの町を復興させます」


「ええ、きっとすぐに元通りになりますわ。・・・市長、もう一つお話があります。大変申し上げにくいのですが本日は戦謝礼の交渉をしに伺いました」


 戦謝礼とは、ある町や市が別の町に援軍を依頼するときに発生する謝礼のことである。大抵、多額の金貨がその謝礼となるが、仮に払えない時は土地や鉱脈の譲渡が起こる。たとえ同胞の危機といえども、どの町も大きなリスクとコストを払って援軍を送る以上、それに見合うだけの報酬が必要となるのである。


「もちろん、分かっておりますとも」


 そう言って、ヨイガナは自らの意識を引き締める。あまりに報酬が莫大になると、コスモス・ラビットの復興が遅れ、少なすぎると王都の悄然を買い結局後の障害となる。危機を救ってくれた以上感謝の気持ちは山々だが、それでも市長として、自分の市の利益を最優先にしなければならない。


「エリ―シア殿、それではまず戦費をご確認させていただきたい。ちょうど軍に明るいオザスポークもここにいる。謝礼はその上で話し合うということでよろしいですか」


 ヨイガナは通常の戦謝礼の交渉手順に倣って話を進めようとした。戦謝礼は戦費に謝礼金を足したものとなる。まず戦費を補填した後、謝礼金の額の多寡を交渉する。しかし、エリ―シアは微笑みながら首を横に振った。


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