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勇者はモンスター軍を率いて魔王に宣戦布告する  作者: 四霊
第一章 モンスタークリエイト
19/96

19 昇格試験結果発表

 結果の協議が始まって1時間後、試験官たちから結果を聞いたアナウンサーがいよいよ発表する。ちなみにさっき俺が創り出したモンスターは、とりあえずアリーナで待機させている。


「それではぁあ!試験結果を発表いたします!四名の試験官による協議の結果、何と!ナナミ、トキワ両名とも3階級の特進により、C級冒険者と致します!」


 場内に大歓声が沸き上がる。俺も予想以上の結果に驚いた。おそらくD級に飛び級できるとは考えていたが、まさかC級になれるとは思っていなかった。また、それにナナミも一緒にC級になれたのが嬉しかった。まあ、彼女の実力なら当然かもしれない。これで、受けることのできる仕事は格段に増える。

 そうそう、ダイダイヤお伯父さんやゴーホさんも見に来てくれているはずだ。喜んでくれていると嬉しい。


 表彰式が終わるともう夕暮れである。俺はモンスターをアリーナから出し、町の外へ待機させておくために少し歩いた。ナナミも俺に付き合ってくれている。モンスターを配置させ、明日消えるまでここで待機するように命令した後、町へ帰ろうとしたときナナミが俺に行った。


「・・・トキワ。ありがとう」


「どうしたんだ。急に」


「ううん、わたしが今こうしているのはキミのおかげだから。今日、もし二人が昇格できたらお礼を言おうと思ってたの。これは、お礼」


 夕焼けに照らされた二人の長く伸びた影が重なる。ファーストキスだった。ナナミの柔な唇を通して彼女の緊張が震えとなって俺に伝わる。きっと彼女も初めてだったのだろう。すっとナナミが離れる。顔を真っ赤にして、さあ、帰ろう。と言った。


―――――


 昨日家に帰ってからダイダイヤ伯父さんと祝勝会を行い、また浴びるほど酒を飲んだ。そのときの俺はとにかく酒を飲みたい気分だったので、いつもの倍は飲んでしまったかもしれない。今日はナナミとも合わず、お互いに休息をとる日にすることにしていたので、俺は普段の疲れと昨日のアルコールを体から追い出すために思う存分睡眠をとった。

 

 目が覚めたのは真昼間だった。俺は昼ご飯を食べ、町に繰り出す。すると、町の人達から声をかけられるようになった。どうやら昨日の試合はよほどインパクトが強かったらしい。


「あーーー!!ゆうしゃだ―――!」


 と3人の子供たちがよってくる。


「ゆうしゃー!もんすたーだしてー?」


 おいおい、さすがにこんな町中でモンスターは出せないよ・・・。と思ったら、周りの大人たちまで期待の目をしていた。これは、空気を読まざるを得ない。


『モンスタークリエイト』


俺は黒ホーンラビットを一匹だけ創り出した。おおお、と周りで大人たちが驚きの声を上げる。子供たちは大喜びでホーンラビットに触れている。


「この黒いホーンラビットは優しいからいいけど、他のホーンラビットは怖いから絶対に触っちゃダメだよ」


 きちんと注意しておく。子供たちもはーい!と返事して触り続けた。まあ、確かに危険が無いとなればホーンラビットはかわいいから子供たちが夢中になるのも分かる。それどころか、いつの間にか周りの大人たちまで近づいてきて、物珍しそうに俺にも触らせてくれ。とか、わたしにも。とか言いながら黒ホーンラビットを撫でている。黒ホーンラビットも撫でられて嬉しそうだったので好きにさせておいた。


 一旦、黒ホーンラビットを出すため町外へ向かう。町から十分くらい離れたところに来てここに置いて帰るか、と思ったとき、黒ホーンラビットが何かを察知して伝えてきた。黒ホーンラビットは俺のモンスターの中でも最も探知能力に優れたモンスターなので何事かと俺も気になって黒ホーンラビットにそこまで案内させた。黒ホーンラビットは平原にある大岩の陰に俺を連れてきた。

 

 そこには一人の女の子が倒れていた。


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