13 また明日。
キリ町に帰る道中。重くなった財布を持ってほくほく顔のナナミと会話する。
「トキワのおかげですっごく儲かったわ!・・・わたしあまり役になってなかったけど本当に半分も報酬もらっていいの?」
「同じパーティなんだから当たり前だよ。ナナミのおかげで楽に狩りができたのは事実だし、俺から誘った話だからね」
「・・・ねえ、もし良かったらこれからもわたしとパーティ組んでくれない?」
「ああ、俺からもよろしく頼む」
「本当に?今日だってトキワ一人で依頼を受けた方が確実に報酬が多かったでしょ。それでもわたしとパーティ組んでくれるの?」
「いいんだ。好きだから」
「えっ!?」
ナナミの顔が真っ赤になる。最も俺の方が赤くなってると思うが。さあ、前世含め初の告白だ。頑張れ、俺。
「ナナミのことが好きだから」
―沈黙
「・・・わたしも、トキワのことは好き、かな。スライムから守ってくれた時からずっとかっこいいと思ってたし。・・・じゃあ、わたしたち付き合う?」
「あ、ああ。よろしく・・・お願いします」
ああ、なんてことだ!ついに、ついに・・・苦節47年。俺にも彼女が出来てしまった!何という幸運なんだろうか。夢みたいだ!現実か?などと俺は歓喜に打ち震えた。
「えへへ。こちらこそ、よろしくお願いします」
夕日に照らされた彼女の頬が赤みを帯びる。この世で一番美しい光景であった。
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日がすっかり落ちたころ、俺たちはキリ町に帰ってきた。明日の朝、ギルドで待ち合わせる約束だけした。
「じゃあ、また明日」
「また明日」