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いざなわれた少女たち  作者: おじぃ
北国の旅

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もふもふ動物園開業

 ツキノワグマ捕獲から数ヶ月後、もふもふライフカンパニー初の動物園となる『もふもふ動物園』は無事開業に漕ぎ着けた。


 私がライフルで撃ちまくったあのツキノワグマは、屋外展示でお手玉を披露し、観客から拍手喝采。あれは麻酔銃で、明日香ちゃんに放った言葉通り最初から殺害する気などなかった。殺害しても精肉として販売はできるが、それだけで終わってしまう。肉は旨いかもしれないが、会社としての旨味はあまりない。ならしっかり生きてもらい、もふもふライフカンパニーの一員として頑張ってもらおうと思った所存。


 ではどのようにしてクマを従業員として育て上げたか。今回はもふもふライフカンパニーの舞台裏を紹介しよう。


 まず、気絶したクマを現在動物園として営業しているこの場所に運ぶ。当時は整地しただけの広場に小さな檻しか置いていなかった。


 檻の中に閉じ込めたクマはやがて意識を取り戻し、うおおおん! などと外の私に向かって吠えてきた。


 私は瞬時に銃口を向け、クマのボディーラインに沿って弾を何発も撃ち込んだ。それでも威嚇をやめず、更には私の眼前まで迫ってきたので、私は銃口をクマの額に押し当てた。


「もふもふライフカンパニーの仲間として安定した衣食住を提供されながら生きるか、いますぐここで撃たれて死ぬか、どちらが良いですか?」


 息を荒げるクマに向かって私は天使の笑みを向けた。そうしたら、クマは恐る恐る後退し、土下座して降伏した。希死念慮のない動物の心理を利用した作戦だった。言葉の通じる相手で良かった。通じなかったら即刻銃殺して食肉加工場まっしぐらだった。


 生きていれば希望はある。私はそれを、クマに伝えたかった。


 それから私はしばらくの間、クマの世話を羽心音ちゃんと明日香ちゃんに、販売業務はキャロルに任せ、世界各地を飛び回ってライオン、カバ、クロコダイル、大蛇、イヌワシ、ホオジロザメ、シャチなどを動物園の仲間として迎え入れた。


 そうそう、クマを捕獲した際、明日香ちゃんは株価の暴落や会社の炎上を心配していたけれど、むしろ株価は上がり、炎上は一部の界隈に留まり、大方の民衆からは同意が得られ、まるく収まった。めでたしめでたし。

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