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いざなわれた少女たち  作者: おじぃ
北国の旅

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山頂でラーメン

「いない……」


 鳴き声の聴こえた方向へ歩くも、ツキノワグマは一向に見つからない。じき声が止み、居場所は更に特定しにくくなった。


「あのー、沙雪さん? 無理に会いに行かなくてもいいんじゃないかな?」


 明日香ちゃんの引き攣った笑顔は冷や汗ダクダク。どう見てもツキノワグマを恐れている。


「うーん……」


 致し方ない。遭難してデッドエンドも有り得るので、この場は諦めて素直にハイキングをすることにした。


「うまい! 山頂で食べるインスタントの塩ラーメン、80ペイ!」


 森の中をエッサホイサと登り、難なく登頂に成功。山頂のコンテナハウスで販売されているインスタントの塩ラーメンを折り畳みテーブルで立ち食い。具は茹でたキャベツとモヤシのみ。価格は日本円で8百円。


「うーん、染み渡る〜」


 明日香ちゃんと羽心音ちゃんが食べながらリアクションを取る一方、私とキャロルは無言で頬張るのみ。だが、思っていることは概ね同じ。


 歩き疲れた後のラーメンは、引き籠もってほとんど動かなかったときに食べるそれよりずっとおいしい。寒空の下、立て籠もりの現場へ突入するときなんかにも良いと思う。


 山頂から見下ろす景色は霧が張っていて、これはこれである意味見晴らしが良い。


 完食したところで、今度は下山しなければならない。これがなかなか面倒だ。来た道を戻らなければならないのだ。一説によると登山は下りのほうが疲れるという。これまでの経験から、個人的には下りのほうがラクな気がするけれど、いずれにせよ体力を使う。


 そう、憂いていたときだった。


「帰り、乗ってくかい?」


 どこからか、四つ足の自称乗り物が私たちの前に現れた。

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