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いざなわれた少女たち  作者: おじぃ
北国の旅

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85/91

終わらない理不尽な世界

 昼、テレビをつけるとドラマの再放送で「ブレイブマンカンパニーは便利ねぇ」と中年女性の台詞があった。ブレイブマンカンパニーが個人情報を販売したり世界征服を企てていることは賢い市民は承知しているが、世の中の8割は莫迦ばかで構成されている。莫迦が莫迦と交尾し、せっせと子をつくり、莫迦を産む、犯罪や理不尽の罷り通る世界はこうして続いてゆく。


 仮にそういった者の数が減ったとしてもその中で優劣が発生し、新たな虐めや争いが発生するというが、もふもふライフカンパニーではいまのところそのような事態には至っていない。外部はさておき、内部は至って平和である。


 実にならないテレビ番組を見ていても仕方ないので、私は戦に備えロケットランチャーの開発を進める。


 ロケットランチャーの開発には発射実験が伴うが、その際は必ず広大な砂漠や平野で行う。街はもちろん、海にも生命の営みがある。


 なお銃などの小さな武器については更生の見込みがないとボビーたち運営が認めた者を実験台としている。これに関してはブレイブマンカンパニーも同様のようだ。そんなに何人も殺して罪人はいなくならないのかと疑問かもしれないが、残念ながらいなくならない。それどころか殺しても殺しても次から次へと発生する。放置したバケツの水からボウフラを全て掬い出しても、数日後には大量発生しているように。害悪種は繁殖能力が高い。


 ガタガタガタ……。


 オフィスの家具やコンピューター類が振動でぶつかり合った。地震だ。ブレイブマンカンパニーが魔力を過剰に消費して、世界中の地盤が脆弱になりつつあるのは承知。もちろんブレイブマンカンパニーのみでなく、この世界に住む文明を利用する者すべてが魔力を消費しているが、量が違う。


 これに伴い棲み処を追われた野生動物が街へ繰り出していて、人的被害も発生している。その大きな要因が、日ごろ自分たちが便利だと嬉々として利用しているブレイブマンカンパニーであることは、莫迦は気付いていないか目を背けている。


 そうだ、良いことを考えた。世のため人のため世界のため、私が一肌脱ごうではないか。


 通販業務はコンピューターに任せるとして、私は久しぶりにメンバーたちと冒険の旅へ出ることにした。

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