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いざなわれた少女たち  作者: おじぃ
北国の旅

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リンゴの里、ブルーフォレスト到着

 ばふっ、ばふっ、ばふっ。


 ブルーフォレスト駅の少し手前で停車した客車。機関車を呼んで駅まで牽引してもらうより歩いたほうが駅に早く着くとのことで、私たち乗客は吹雪の中、雪がどっさり積もった線路をを歩いた。


 異世界の初めて来た土地なのに、よく知っているような、もふもふのコートを突き破ってくる極寒だ。この辺りはリンゴが名産らしい。


 ようやく駅に着くと、乗客用のホームの反対側にはフォークリフトがいて、貨車に積んでいたコンテナを卸していた。


 乗客用のホームでは、異世界らしくやたら大きなカモメを見つめたり、どういうわけか泣いたりしながら連絡船のりばへ向かう乗客の流れなど無関係に、白い柱にもたれ掛かって白眼を剥いている少女がひとり。明日香ちゃんだ。


 起こすのも可哀想なので、予約しておいたビジネスホテルへキャロルに頼んで絨毯で搬送してもらった。


 その間、羽心音ちゃんは駅前にあるレストラン街で食事、私は事故を防いだ見返りとしてブルーフォレストの駅長に駅長事務室へ通してもらい、地盤沈下を含む昨今の情勢について話を聞いた。鉄道会社など、大きな組織のお偉方は政治とのつながりが深く、右も左もよく知っている。


 戦闘に情報は重要。しかしそれがどちらに寄っているか、または中立か、そういった点を見極める必要がある。


 もし駅長が敵、つまりブレイブマンカンパニー寄りの人間だとしたら、最終的には死んでもらう可能性もある。


 おさらいだが、ブレイブマンカンパニーは、もふもふライフカンパニーの商売敵ではあるが、問題はそこではない。


 過剰な経済活動により地中のエネルギーを過度に使用、そのため地盤沈下が発生、私たちが住む陸地が徐々に奪われている。これが問題だ。


 ブレイブマンカンパニーの経営者がどこの誰だかは知らないし、地盤沈下の影響がない標高の高い場所、もしくはタワーマンションの高層階にでも住んでいるのかもしれないが、地は人間のみのものにあらず。


 私たちはこの冒険の中でアキアカネやスズメバチ、サルなど、いろいろな昆虫、動物に出逢った。この街にはカモメもいる。


 え? スズメバチの巣はお前がロケットランチャーで壊したって?


 はて、そんなこともあったかな。昔のこと過ぎて記憶にない。


 とにかく、このままでは私たち地べたで暮らす人間や、豊かな自然環境が破壊されてしまう。


 できれば戦闘は行いたくないしが、もう土地を沈められてしまっている、つまり、ブレイブマンカンパニーの目的が侵略であるかは不明であるが(きっとお金儲けしたいだけで地盤沈下や環境破壊については考えていないと思う)事実上の先制攻撃を受けているのでやむを得ない。経営者の居場所を突き止め、ロケットランチャーをバンバンバンバンドッカンドッカン撃ちまくろう。


 一先ず旅の疲れを癒し、ブルーフォレスト周辺の視察に備えるため、予約しておいたビジネスホテルへ向かおう。

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