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いざなわれた少女たち  作者: おじぃ
弾薬の街、スカ
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世界を存続したければ民度を上げろ

「うぎいいい!! ぎぎぎひゃあああ!!」


 私たちが本土へ着陸して30分ほど経過したところで、モンキーアイランドから逃げ出してきたモンキッキの先頭集団が着陸。私は鬼ではないので、モンキッキたちが着陸し終わるまでは道を閉ざさないでおいてあげる。ついでに人間も何人か来た。


 本土で暮らす人々は、予期せぬ野生動物の上陸にさぞ迷惑するだろう。本土に上陸したモンキッキは、人間に捕獲、殺害されるかもしれないし、されないかもしれない。人間も同様。その責任如何は、避難させた私に問われても困るというもの。


 さて地殻変動だが、見た感じこちらはまだ沈んでいないようだ。潮位はほとんど変化なし。


 今回道を拓いたことで、私はこの世界が持つ多量のエネルギーを消費したわけだが、もしや私がモンキーアイランドにとどめを刺してしまったのだろうか。


 だが、まあ、モンキーアイランドの沈むのは時間の問題だった。どのみちブレインマンカンパニーのエネルギー過剰消費により沈む島だった。ブレイブマンだけではない。この世界に暮らす一人ひとりがエネルギーを消費している。つまり、環境意識を持って正しくエネルギーを使用しているかが問題だ。


 ちなみに私は、紙は燃えるゴミにせずリサイクル、プラスチックもリサイクルしている。持続可能な開発目標の先陣を担う模範的な者といって良い。


「ねえボビー、この地盤沈下さ、ブレイブマンカンパニーの仕業なんでしょ。だったらそこのCEOを逮捕しちゃえばいいんじゃないの? 運営として、そのへんどうなのよ」


 と、明日香ちゃん。


 明日香ちゃんだけはまだ水着姿。なんてタフなのだろう。


「エネルギーを過剰使用すれば、それと引き換えに地を具現化するエネルギーが不足して、地は少ないエネルギーで具現化できる海へとかたちを変える。だが一方で、エネルギーの使用に関して、我々運営は特に上限を設けていない。上限を設けると、世界の発展に支障をきたすからだ」


「でも、使い過ぎたらいまみたいに島が沈んだりするんでしょ?」


「そうだ。だがエネルギーを無駄遣いをしなければ世界は滅びないようになっている。どこかの誰だかが‘お掃除’をしているおかげで、個人使用量は減った。だがそれにも限度がある。陸地を長持ちさせたければ民度を上げろ」


 そうそう、そういうこと。限りある資源を大切に。


「民度とは何か、良識とは何かをその小さな頭でよく考えるんだ。そして、自分の存在意義を導き出せ」


「そういえばこれ、存在意義追求RPGだったね」

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