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いざなわれた少女たち  作者: おじぃ
弾薬の街、スカ

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戦争は無くならない

 地盤沈下により建設中のホテルが崩壊。それを受けて私とアケミさんならびにその手下たちは地盤沈下の原因を調査し始めた。


 前提として、ここはゲームの世界なので運営によるものかとも思ったが、問い合わせたところ特に地盤沈下や地震を発生させるような設定はしていないそうだ。つまり誰かがこのゲームを乗っ取って起こした現象ということだ。


 アケミさんの損失もあるが、あまりこの世界に影響を与えるようなことがあればゲーム自体がサービス終了となり、私たちの命も強制終了になる。


 ゲームの世界よりも、将来は現実世界を乗っ取ってイジメっ子などとぬるく言われている犯罪者を非人として扱い、絶望の淵に追いやって決して救われることのない世界を創りたい私は、ここで終わるわけにはいかない。


「戦争しかないわね」


 昼下がり、リビングでティータイム中、アケミさんが緑茶をすすって言った。茶柱が立っていない。


「戦争……うん、まあ、日本では戦争を放棄してるけど、ここはゲームの世界だし、たぶんそういうゲームなんだよね、これ」


 明日香ちゃんは戦争に乗り気ではない様子。それはそうだろう。私も戦争を決して良くは思っていない。


「人間社会から戦争は決して無くならない」


 アケミさんは断言し、話を続ける。


「これもそうだけど、戦争をするゲームや映画が山ほどあるでしょう。そういうものを望む輩がいるから商業として成り立つの」


「けれど、戦争をするにしても、この世界を蝕んでいるのはきっと、恐らく大組織とみられるブレイブマンカンパニー。少数部隊の私たちが丸腰で挑んだところで瞬殺されるだけ」


 今の私たちがブレイブマンカンパニーに立ち向かうのは、小さな島国が大陸の多民族国家に挑むのと同じ。アケミさんの束ねる組織にはそれなりの戦闘力があるだろうが、恐らくそれでも現段階では勝てない。


「沙雪の言う通りね。いくら私みたいな最強の魔法使いがいても、限界があるわ」


 大した戦闘実績のないキャロルが何か言った。


「そうだよね~、私は戦いたくないからどこかに隠れたいけど、私たちは人数少ない武器も少ない私と明日香ちゃんはお金がなくて使い捨ての安い短剣しか持ってない」


 戦争が始まったら真っ先に死にそうな羽心音ちゃんが絶望的な現状を説いた。これはド正論。しかし私は通信販売事業でそこそこ稼いでいるから、技術開発により高性能な武器を生産できる望みはある。もちろん、先進技術を積極投入したつもりで実は時代遅れなんです、なんて日本企業にありそうな痛ましい事態は絶対に避け、ブレイブマンを確実に潰す戦略を立てる。


 新しい武器とは、何だ___。

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