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いざなわれた少女たち  作者: おじぃ
弾薬の街、スカ
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ロケランの出番かな?

 サッポ〇一番みそラーメンを食べたり、私が羽心音ちゃんに任せたタピオカ店が潰れたり、明日香ちゃんが月給9千ペイ(日本円で9万円相当)しかもらえない清掃業者を辞めてわたあめの露店を出したら「原宿はらじゅくみたいにお洒落でもないただのキャラクター袋に入れただけの白いわたあめが百ペイ(日本円で千円相当)はぼったくりだろ!!」と娘を連れていた父親に殴られて、明日香ちゃんが運営元のアケミさんにそれを伝えたら父親が行方不明になるなどの日々が過ぎて行った。


 近ごろは大きな戦闘はなく、まあまあ平和な日々だ。


 ゲームに求められるものが戦闘から土地を開拓して発展させ、自由気ままな暮らしをする方向へシフトしているのかもしれない。私も現実世界でそういうゲームをやっていたので、その楽しさは理解している。


 が、この世界は戦闘を放棄していない。


 日常を楽しむゲームなら武器弾薬を販売する必要はないし、ちょっとの言い争いがあってもすぐに仲直りするのがセオリーだ。


 しかしこのゲーム『Welcome to the RPG』は、やはりそうではない。


 相変わらず殺人はあるし、なんなら私たちの身近な人物であるアケミさんが『世界を清めるため』とかなんとか言ってどんどんやりまくっている可能性が極めて高いと思われる。


 つまり、この世界はいつでも大乱戦になる可能性がある。


 特に怪しいのが、私が営む通信販売その他人々の暮らしに寄り添う事業と同業かつ規模が大きい『ブレイブマンカンパニー』。今のところ商売敵しょうばいがたきでしかないが、いつどのような攻撃を仕掛けてくるかわからない。こうして部屋で優雅に紅茶とスコーンをいただいている午後のひとときも、決して油断ならない。


 ガタガタガタガタ……。


 おや、地震。この世界で大地震が発生したとの情報は今のところないが、自然災害を相手に闘う場面がないとは言い切れない。あらゆる可能性を想定する必要がある。


 私は現実世界で大地震を経験したけれど、成す術はなかった。地域の平和を守れず、地域の破壊も防げなかった。ただただ無力だった。いくらお金があっても自然には敵わない。


 そんなことを考えていると、アケミさんが慌てて家を飛び出してゆくのが見えた。


 おや、もしかして今の揺れ、地震じゃなくて砲弾でも撃ち込まれたかな?


 これは久しぶりにロケランの出番かな? そうかな? そうなのかな?


 最近は我慢していたから、正当な理由が見つかりそうでなんだか身体がウズウズしてきた。

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