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いざなわれた少女たち  作者: おじぃ
戦闘訓練

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あんなに働いたのにこれしかもらえないの!?

「オーマイガー!!」


 朝からうるさい。せっかく穏やかな小春日和なのに気分が台無しだ。


 シックルウェアに到着して約1ヶ月半後の12月22日。アルバイトをしている明日香ちゃんたち3人は初めての給料日を迎えた。住み処は小高い丘に建つボロい、あ、言葉に気を付けなきゃ。古き良き時代を感じさせる洋風のテラスハウス。


 私はというと何やらお給料に不満を抱いている彼女らをよそに、屋根裏部屋に引きこもってインターネットでの取引。私と仲良くしようとしない一部マフィアの情報、武器やその部品の密売を主としているけれど、それだけでは社会的イメージがよろしくないため表向きは健康食品や日曜雑貨を販売する事業者として登録し、そちらもまあまあ売れている。


 おかげで3人とは異なり余裕のある生活資金を確保できているけれど、ロケットランチャーで事故を起こした場合の賠償金や警察に逮捕されたときの保釈金など、余計な費用がかさむ恐れがあるため慢心せず、少しでも多く稼げるよう努力の日々だ。


「1ヶ月! 1ヶ月死物狂いで働いて給料たったの9千ペイ! いくら小学生だからって相場に合ってないくらいわかるっての!」


「そうかしら、妥当じゃない?」


「何をおっしゃるキャロルさん! あんたはバイトもちょくちょくやってるけど基本的には私らに養われてる! だからお金の重みがわからないんだよ!!」


「そんなことないわ。私は魔法という特殊技能があるからアルバイトでも稼げてるの! そうよね、音楽という特殊技能を持つ羽心音」


「あ? 私はストリートで日当たり15ペイ、違法テレクラのバイトは日当たり3千ペイってとこかな」


「ちょっとちょっと! なに!? 真面目に清掃員やってる私だけ超低所得じゃん! 清掃員はそのスペースを綺麗に保つ技術者だよ!? ときに汚いものを処理しなきゃいけない仕事なのに何ゆえ不遇!?」


「うーん、それは、雇用主の方針ね」


「けどそれって、その会社が清掃のクオリティーを重視してないってことじゃん?」


「そうそれですよ羽心音さん! 会社だから給料が働き分よりいくらか安いのはしょうがない! 利益出ないからね! でも、でも!! 9千!? 9千ってちょっとおおお!!」


 おそらく明日香ちゃんの勤務先はいわゆるブラック企業。この世界はアメリカのゲーム会社が製作したものだけれど、この点は人材の有効活用を不得手とする日本の国民性を取り入れたのだろうか。


 ……そうだ!


 私、また良いことを思いついてしまったかもしれない。


 一先ずプレイヤーのうち、賃金に不満を抱える者はどれくらいいるか調査してみよう。


 不満とは、それを俯瞰する者にとってはビッグビジネスの種に成りる。


 ふふふふふ、さて、少しばかり明日香ちゃんや悩めるたみに力をお貸しいたしましょうか……!

 お読みいただき誠にありがとうございます!


 更新遅くなりまして申し訳ございません。

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