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いざなわれた少女たち  作者: おじぃ
戦闘訓練
40/84

ロケラン♪の完成だあ……!

 ふふふ、ふふふふふ!


 完成だぁ。ついにロケットランチャー略して『ロケラン♪』の完成だ……!


 複雑な歯車や部品を苦労して組み立て、ボディーは下地と上塗りの二重塗装で黒光りしている。


 日本人(私)の技術の結晶がいま、ここに……!


 これが、これさえあれば! 気に入らぬ者を手当たり次第に一掃!! 世界は私の思うまま!! ……じゃなかった。自らおよび仲間の身の安全を守るために非常に有効な自衛兵器、というていにしておかないと公僕どもが私の命を狙いに来る。


 でも、キャロル一体くらい吹き飛ばしてもバレやしないか……! ゲームのキャラクターだし危害を加えても問題ないような気がしなくもない。この世界の法律を調べておこうか。


「おーできたかー。あたしゃもうキャンプに飽きたよ。ことが済んだなら早く出発しよう」


 私のようにモノづくりや何らかの労働をするでもなくただそ辺りの食材を食い漁っていた明日香ちゃんや他のメンバーが退屈しているようなので、とりあえず広場を出発。徒歩20分ほどでシックルウェアの中心地に到着した。


 いかにもゲームの世界なボロい、うーんと、ビンテージの薫り漂う街では武器商のほか、青果や焼いた肉を売る屋台が連なり、こう、なんというか、ゲームの世界は発展途上国をベースに創られているような気がしてきた。


「うーん! 美味しそうなお肉の焼けるにおい! 食欲をそそるわ!」


「あぁ、でも私たちお金ないじゃん。しかもキャロル全然働いてないから対価を払う義理もないしね」


「うるさいわねー。それだけ平和なんだからいいじゃない。それともなに、いつしかのDQNみたいに自ら戦闘を仕掛けてメッタメタのギッタギタにされたいの?」


「あぁ、いや、めんどくさいのきらいだからいいや」


「そうだよみんな、平和がイチバン! 私なんか楽器しか持ってないんだから!」


「ロケットランチャーの試運転を……」


「「「それはやめて!!」」」


 普段はみんなバラバラのパーティーなのにこういうときは息ピッタリ。でも私は知っている。はぐれ者こそが最も優れた人材であることを……!


 さて、現実問題、廃棄される食糧が大量にあるにも拘わらずこのままではのたれ死にだ。とりあえず収入確保の手段を見つけなければ(働くとは言っていない)。


 私たちはお仕事紹介所に寄り、明日香ちゃん、キャロル、羽心音ちゃんは企業のアルバイト面接を、私は独自のルートで取引をする運びとなった。というのも、お仕事情報には賃金についての具体的な記述がなく『業績次第』や『出来高次第』といった曖昧なものばかりだったのだ。世間知らずの3人はとりあえずお金を稼げればと拘束時間に無理のない企業を選んだようだけれど、食い潰されては元も子もない。


 ここで所得格差をつくって3人を実効支配すればパーティーは私の思うがまま……!


 ふふふふふ、これからが楽しみだ。

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