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いざなわれた少女たち  作者: おじぃ
戦闘訓練
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トリック・オア・トリート!

 わああ、ミニスカートなんて滅多に穿かないし、上半身は胸囲に帯を巻くだけでお腹丸出しなんて恥ずかしいよぉ。なんだか色んなところがスースーする。本当にこんな恰好でお外を出歩いて、しかも街の人に声をかけるの? しかも『すみません』じゃなくて『トリック・オア・トリート』って元気に言うなんて、できないよぉ……。


「わっほーい! これ超涼しい! これまじトリック・オア・トリートだわ! 心はいつでもトリック・オア・トリート!」


 片瀬さんは『トリック・オア・トリート』の意味を理解してるのかな? 『これ本当にお菓子をくれなきゃイタズラするよだわ! 心はいつでも以下同文』なんて意味不明だよぉ……。


「さあて着替え終わったし食糧調達に出かけますか! トリック・オア・トリートオオ!」


 トリック・オア・トリートがツボに嵌ったのか、片瀬さんは先ほどからやたらと連呼している。そうだ、この世界では私たち自らが食糧を調達しないと暮らせないんだ。無料で大量入手できるチャンス、逃すのは惜しい。


「どうした? 緊張してるの? ならほら、手ぇつなごう? ふたりいっしょなら怖くないよ!」


 あっ、なんだか急にほかほかしてきて、心なしか寒気が引いてゆく。差し伸べられた手が、ニカッと笑うその笑顔がまぶしくて、うれしくて、とても温かい。


「ありがとう」


 言って、私は片瀬さんの手を握り、「じゃあ行こっか」と部屋の外へ連れ出され、階段を下りた。


「お前は何度同じことを言われればわかるんだ! お前がこの服を着ていたなんてジェシカが知ったら泣くか銃殺刑だぞ! いいか、命が惜しければ、ジェシカとの恋を成就させたければ二度とこんなマネはしないと約束しろ。いいか? 二度とだ」


「ヘヘヘヘヘッ、わかったよ兄さん、もうやらないよ。今日のところは」


 喫茶店となっている一階奥の厨房からはボビーさんがドミニクさんにきつくお説教をしている声が聞こえたけれど、私たちは聞こえないフリをして外へ出た。


 お読みいただき誠にありがとうございます!


 ハロウィーン間近ということで、文字数は少なめですが更新頻度を上げてお送りしております。

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