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第一幕 「幸せ?」

家族は南東の隣国からやってきた。

人口減少の著しいこの国は、労働力不足でほぼ無制限に移民を受け入れていたのだ。


両親は多数の言語を扱うことができ、よく働くので生活は十分に安定し、そこそこ幸せな生活を送れていた。


そんな家に生まれたサテラは、まだ幼いながらも新しい言語を覚え、慣れぬ環境になじむよう懸命に努力していた。

その甲斐があってか少しずつ、通いはじめた学校の同級生と カタコト たが笑いがうまれるような会話ができるようになってきた。


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その日は、雪がいつもより深く降っていた。明々と灯る街灯の光筋がはっきりみえる。

積もる雪をとらえる、小さな黒いブーツは、ざくざくと音をたて、面白い感触ではあるがやはり歩きにくい。

ニットとマフラーの隙間の頬と鼻先が湿って冷たい。

フリーティス帰りの通学路の角を曲がり、白く靄のかかった空を見上げる。


「ゆき、き れ い」


(つたな)い言葉に、並んで歩く彼がうなずく。すると彼は上を向き、口から小刻みに息を吐き出した。


「ねえみて、機関車みたいでしょ」


それにはにかんで返した。

初めて学校へ行った日の、あの冷たい沈黙は既にない。共に帰途につく友人と呼べそうな人もできた。それでもまだ達者に会話をできたことはないが、まずまずの学校生活といえよう。


家に帰ると、シナモンとクローブの香りが漂う。

あと何かしみるような辛いにおいが少し。


珍しく母が早めに帰宅し、夕食の支度を始めているところのようだ。

手前のドアノブに手を伸ばす。


「ただいまあ ――今日スティファド?」


「そうよー。においで分かった?」


「うんお腹がすいたあ」


「まだ時間かかるけど父さん帰ってくる頃にはちょうどできあがるから。 ――今日も宿題はないの?」


「うんなあい。あってもフリーティスで終わらせられるもん。」

「ねえてつだう!」


「手伝ってくれるの、、 んー、じゃその鍋に水いれるからボトルとってきて。」


「わかた。  はちみついれるママ?」


「じゃ入れよっか」


..............

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