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村に帰還すると...不穏な状況に。さっそく反撃だ。

青のエーテルを手に入れて村に戻ると...なんだか不穏な雰囲気。

俺たちが村に戻るな何やら不穏な空気が立ちこめていた。俺はさっそく防衛班へ向かった。


「何かあったのか?」


「はい、中規模の襲撃がありました。幸い犠牲者を出すことなく片付けることができましたが、町ではまだたまに被害が出ているようです。町からの避難民が村にたくさん押し寄せています。」


「ヴァンパイアは始祖を残して殲滅したはずだが...」


「わかりません。攻めてきたのは第3階層5体とその配下の第4階層25体です。エラさん、オリヴァーさん、オリヴィアさん、そしてシュロマンスの魔道士3人が中心に迎え撃ち、血の池に落下した者は魚の餌に、聖なるトラップに落下した者はしばらく放置して弱体化させたあと、拘束して海に沈めました。いずれ引き上げて人間に戻す予定です。」


「そうか。君たちも練度が上がったようで頼もしい。これからも頼む。」


 町でヴァンパイア事件、新たなヴァンパイアによる襲撃、これは始祖が行動を開始したということか。新たな眷属を作り出し、ピラミッド構造の再構築に着手したのか。これは早めに手を打って阻止しないと面倒なことになる。


「おい、ライツ...」


「わかっているわ、始祖が行動を開始したのね。」


「そうだ、早く手を打たないと元の木阿弥になる。」


「町へ行って情報を集めよう。」ミルトがイオとヒンを連れてきた。


「私たち3人で先行しよう。」ジュースが牛に乗ってやってきた。


「おい、ジュース、牛は牛歩と言うくらいだから歩くのが遅い。先行隊にはなれないぞ。いろいろ邪魔だから置いていけ。」


「えー、うちのモウちゃん、訓練したからけっこう速いよ。」モウという名前らしい。


「まあ、でもロバと並走はできないからさ。」


「ちぇっ、じゃあ馬を買ってよ。」


「はい、ストップ!名前がヒンと被るだろ。」


「ネーイにするから大丈夫。」


 今後のことを考えると機動力は必要だ。よし、馬を2頭調達しよう。名前はネーイとヒュヒュだ。ネーミングのルールがなんとなく決まってしまったので、同種の動物をたくさん飼えなくなってしまった。ロバ2頭と馬2頭、俺たちオリジナルメンバー5人用にあと何かないか?まあ、町の動物商で捜してみよう。


「動物商に行くなら、モフモフも買って。」ツァルトが言った。そうだったね、ツァルトちゃん、モフモフを買うって約束してたね。よく覚えていたね。この緊急事態発生のときによく持ち出せたね。


「町に行くの?私も行きた~い。新しいお洋服が欲しい。」と言いながらエラがパタパタ降りてきた。また空気が読めない奴が増えた。


「動物商に行くなら...」なんだよジュース、おまえにはもう牛を買ってやっただろ。「私、ニワトリ買う!」え?「買う」ですか?「買って」じゃなくて?いちおう共通の資産で俺が管理しているんだが。


「ミルクは確保したから、これに卵が加われば、ツァルトの蜂蜜と合わせて、スイーツの生産体制はばっちり!」


こいつにとって動物はペットじゃなくて家畜のようだ。


 だめだ、こうなっては綿密な計画で先行隊を出すなんて無理だ。とりあえずイオとヒンに荷物を載せて、全員で徒歩移動ということになった。ユラとエラが随行するので、護衛は十分だろう。


 町に着いた。洋服が欲しいエラは離脱して1人でユニーク炉に行った。残った俺たちは動物商へ。まず騎乗用の馬2頭、そして他に何か騎乗できる動物がないか動物商に尋ねてみよう。それからツァルトのモフモフ、ジュースのニワトリ、なかなかの出費になる。青い島の砂とか集めて売ったら儲かったかな?いやいやいや、そんなことをしたら泉の精に怒られるよな。いかんいかん、汚れた心が頭をもたげた。


「よう、主人、動物を買いに来たぞ。」


「これはこれは、ヴァンパイアハンターの皆様、どうぞごゆるりと。」商人は満面の笑みで両手をこすり合わせながら出迎えた。


「まず馬を2頭、オスとメスが良いかな。名前はもう決まってるんだ。ネーイとヒュヒュ。」


「ではこちらのつがいなどいかがでしょう?健康そのもので力も強いですよ。」


挿絵(By みてみん)


「うむ、毛並みも良いな。ネーイとヒュヒュ、これをもらおう。」


「ありがとうございます。」


「それと、何か別の騎乗できる動物はいないか?」


「それならば、これ。なかなか珍しいですよ。ラクダです。」


挿絵(By みてみん)


「それ、私が乗る。名前はブルベーだよ。」ジュースが名乗りを上げた。ラクダに何か家畜としての価値を見いだしたか?


「私、これ欲しい...」あたりを徘徊していたツァルトが何か見つけたらしい。「これ、モフモフ...。」


「お目が高い!」店主が割って入った。「アルパカですね。この子は毎年毛を刈ってあげなければなりません。刈ったモフモフの毛は良質のウール素材になりますから、セーターやカーディガンが作れますよ。」


挿絵(By みてみん)


 アルパカとラクダは珍しいだけあってなかなか高価な買物になった。ここのところ青い島攻略でほとんど商売をしていなかったので、資金がやばい。とりあえず売れそうなものをロバに詰んできたので、あとで市場に店を出そう。あ、ジュースが勝手にニワトリを抱えてきた。まあ、これは安いから良いけどさ。さて、町の状況を探るため、まずは役場で町長に面会しよう。俺たちは全員が騎乗できるようになったので、騎兵隊のような状態で役場に乗り付けた。


「町長、どうなってる?」


「あ、勇者様!大変です。ヴァンパイアが復活して、第2階層の館を拠点にして暴れ回っております。手の打ちようがありません。」


「拠点となっている館の場所はわかってるのか?」


「はい、1つは判明しております。今そこに巣くうのは、財宝を回収に向かったトレジャーハンターたちの変わり果てた姿です。」


「わかった。今すぐ向かおう。」


騎乗できる動物が揃ったのでみんなで騎兵隊になったよ。

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