【暗雲】村に迫るピラミッド組織の追撃...
本当はライツの背中も挿絵に入れたかったのだけれど、AIのガイドラインはそれを許さないだろうと思って,最初から諦めました。
クーエル村の農作業を終えて、それぞれ買ってきた本を読み始めた。本を買わなかったライツは風呂に入ろうとするのだが、ふと足を止めて俺を呼ぶ。「フレッセン、暇だったら一緒に入ろう!」「いや、暇じゃねえし。」と断ろうとしたが、「暇は作るもの、とりあえず入れ!」と譲らない。ついには、「私と入るのがそんなにイヤか?誰と入りたいんだ?」とわけのわからない絡み方をしてきたので,結局折れて入ることになった。
「ふっふっふ、気がつかないと思っていたんだろ?」湯船に入るやいなやライツは不敵な笑顔で訊いてきた。
「何をだ?」俺はかなりビビった。なにせ全裸だ、防御力ゼロだ。
「おまえさ、私と風呂に入るとき、いつも股間が見えないように苦労しているだろう?」
「え!?」俺は困惑した。何と返せば良いのか正解がわからない。俺は沈黙した。
「私はそんな姑息な真似はしないぞ!」そう言ってライツは俺の前で仁王立ちになった。
「どうだ、正々堂々だ!」ライツは勝ち誇ったように高笑いした。俺は女の子座りをして膝を閉じた。
「何をもじもじしてるの?これって私の勝ちってことだよね?」俺は小さく頷いた。
「ならば敗者は勝者の髪を洗え!」ライツは湯船から出て、しゃがんで俺に頭を突き出した。何、この罰ゲーム?俺は慎重にライツの背後に回り込んで、美容師のようにシャンプーを始めた。
本を読み終わった連中は、それぞれ好きなことを始めた。ジュースは裸になってモリを持って海に飛び込んだ。海女に目覚めた女。おそらく「魚類辞典」で覚えた魚の実態を調査に行ったのだろう。もちろん観察したあとは捕って食うわけだが。ミルトは園芸セットを持って花壇へ行った。花言葉を唱えながら種をまくのだろうか。わかりやすいやつだ。ツァルトも、わかりやすく虫網と虫かごを持って村の裏口から出て行った。まあ、中身はまだ幼児だから行動がわかりやすいのは良いことだ。そのうち反抗期を迎えるのだろうか?
「ねえ、フレッセン...」ライツが何か言いたげにやってきた。「いろいろご飯が食べられるようになってからさ、何かだんだん身体が変化して気がしない?」
「ああ、実は俺もそれを感じていたんだ。昔はなかったことが身体に起こる。」
「でしょ、でしょ?私もそうなのよ。恥ずかしいから中身は言えないけど。」
「ひょっとして俺たち...だんだん人間になっているとか?」
「そうだったらどうなるんだろう?」
「そうなったら、2つのことが決定する。ひとつは、俺たちがヴァンパイアの餌になる。血を吸われて殺される。もうひとつは、歳を取って死ぬ。どっちも、最後は死ぬってことだ。」
「それイヤだな。また血を吸ったら戻るかな?」ライツは俺の首を見ながら言った。
「俺の血はやらんからな。」俺は手で首を隠した。
新人3人が揃ってやってきた。何かお願いがあるのだろうか?まさか血を吸わせろとか?
「お願いなんだけど...」「イオとヒンに...」「乗って遊びたい!」「ワオも一緒に。」
「ああ、かまわないよ。おまえたちはもう仲間なんだから、いつでも好きなときに遊んであげな。裏口から出たところにある丘に草が生えているから、食べさせてあげて。」
自分が人間になったかも知れないと思うと、新人3人が少し怖くなった。あ、でもあいつらもいっぱい食べればすぐ人間になるのかも。というか、本当に人間になったのか?人間になったかどうかはどうやって判定するんだ?俺はライツに言った。
「なあ、人間になったかどうかってどうすればわかるんだ?」
「ヴァンパイアでなくなったかどうかを判定すれば良いんじゃないの?」
「だから、それはどうすればわかるんだよ?」
「血が吸えるかどうか...」ライツは俺の首を見た。
「だぁ~っ!だから俺の血を吸いたそうな目をするな!噛まれたら死ぬんだからな!」
「あ、そうだ!」ライツは何かを思い出したようだ。「牙が縮んだ...。」ライツはイーっとやって歯を出した。たしかに牙が退化して犬歯になっている。
そういえば,俺も確かめはしなかったが,牙の存在を全く感じていなかった。おれは牙を剥きだしてみた。ライツがそれを見て笑った。「アゴ出して変顔すんなよ!」指で触ってみたが、たしかにもう牙はなくなっている。これは人間だな。
「ライツさん、あなたも私もたぶん人間です。ともに歳を取って死にましょう。」
「何だ、プロポーズか?」ライツはあきれ果てたという顔をした。
そのころヴァンパイアのピラミッド組織では24名の第3階層が招集されて会議が行われいた。議長は始祖である。
始祖:「あ~、静粛に!これから異常事態対策会議を実施する。今月に入って、第4階層1人と第3階層1人が行方不明になっている。この町はそれほど大きくない島に位置している。血の供給を受けないと朽ちて動けなくなるわれわれヴァンパイアは、この町を離れて暮らすわけにはいかない。ということは...行方不明者は何らかの形で活動停止状態にされたものと推測される。そして、消えた第4階層の下僕5名も行方不明になっている。これがどういうことか説明できる者はいるか?」
第3階層B:「全員が謎の魔物に食べられて消滅したのではないでしょうか。」
第3階層C:「消えた第3階層Aの下僕4名が結託して上司を亡き者にしたのではないでしょうか?そしてそれを目撃した同僚の第4階層も証拠隠滅のために消された。」
第3階層D:「第5階層5人が示し合わせて第3階層Aに讒言し、怒った第3階層Aが第4階層Aを停止させた。その成功を目の当たりにした残りの第4階層が、同じように第2階層に讒言し、怒った....」
始祖:「もう良い!どれもこれも勝手な妄想だ。私が欲しているのは事実だ。第3階層全員で部下とともにこの問題を調査せよ。その報告のあとで対処を考える。」
いよいよ敵は数を揃えて攻撃してくるのでしょうか。そしてそのタイミングで人間化、すなわちモータル、死んじゃう存在になってしまった。これはピンチです。




